結成10周年記念企画記録    熊谷トレッキング同人

甲武信岳へ
『荒川を遡ろう』信州側迂回コース
山域三名:奥秩父・甲武信岳(山梨県、埼玉県)《熊谷から見える山》
期  日:2007年6月2日(土)〜3日(日)
参 加 者:CL石川 SL大嶋 並木、軽石、八木、吉田、栗原、逸見、豊島(計9名)

行動記録:
6/2
熊谷(6:30)=花園IC=佐久IC=川上村毛木平登山口P1430m(10:02)→1775m(11:25)
→1950m(12:15/昼食/12:40)→千曲川源流標識2230m(14:00)→県境稜線(14:35)
→甲武信ヶ岳山頂2475m(15:12)→甲武信小屋(15:45)(泊)
(天候;晴れ)

 同人10周年記念企画の『荒川を遡ろう』の最終回は、昨年9月雨で中止になって、今回再チャレンジとなった。しかし、体力的かつ日程的な理由から、本来の荒川遡行は真ノ沢沢登り隊に託し、我々は信州側から千曲川を遡って、荒川源流を目指す山旅となった。

 熊谷から関越道・上信越道経由で川上村へ向かう。登山口の毛木平には50台ほどの駐車場が整備され、すでに満車で駐車場手前の路肩にも数十台駐められていた。

 身支度を調えて出発。車止めのゲートの脇を通り、無舗装の林道を進む。周りはカラマツの高木の林である。しばらく行くと、小屋の人の車だろうか、数台の車が駐めてある。そこを過ぎると、道は登山道らしくなるが、「千曲川源流遊歩道」と名付けられているだけあって、なだらかな登りの道が千曲川の流れに沿って続く。

 きれいな渓相を見せる沢からは付かず離れず、カラマツ、リョウブ、シラカバ、ダケカンバ、オオシラビソなどの混成林の中、落ち葉がクッションになった歩きやすい道を、草花を愛でながら行く。ハシリドコロ、ムシカリ、サンカヨウ、ミツバツツジ、バイケイソウ、トリカブト、スミレ、・・・など、次々と発せられる名前をとりあえずメモにとる。

 我が会と同じような中高年グループと抜きつ抜かれつしながら行くと、徐々に川幅も狭まり、ぐっと水量も少なくなって、苔むす岩や倒木で沢筋が覆われた頃、千曲川源流の標識にたどり着く。すでに明瞭な流れはなく、山肌から、滴がポタン、ポタンと落ちるのみである。カップに貯めるのはあきらめ、記念写真を撮る。

 ここからは、奥秩父の主稜線に突き上げるつづら折れの道となる。明るいシラビソの純林の中を高度を上げていく。気がつくと、さっきまでの沢の音が全く聞こえない。靴音、鳥のさえずり、誰かの熊よけの鈴の音がするのみ、静寂を味あうかのようにゆっくり登る。

 稜線に出ると、さらに30分ほどで甲武信ヶ岳山頂に着く。頂上は、金峰山から縦走してきたという団体さんが現れラッシュアワー状態で、あわただしく奥秩父の山並みを背に記念撮影。遠くは霞んでいて富士山までは見えなかったが、金峰山・国師山からの連なる稜線、笛吹川東沢の谷、明日行く三宝山・十文字峠方面など確認して、甲武信小屋まで少し降った。

 荒川真ノ沢遡行隊に数分遅れで小屋に到着。『荒川を遡ろう』の完遂とお互いの無事を喜び合った。その晩は、満員の小屋で寝苦しい一夜となった。

6/3
甲武信小屋(6:00)→荒川源流石碑(6:15/6:25)→小屋(6:50/7:10)→甲武信ヶ岳山頂(7:30)
→三宝岩(8:20)→三宝山2483m(8:35)→尻岩2180m(9:21)→武信白岩(10:13)
→大山2230m(11:00)→十文字小屋(11:50/12:28)→毛木平登山口P(14:00)=佐久IC
=花園IC=(18:00)熊谷
(天候;曇り時々晴れ)

 朝4時に起床、5時に順番を待って朝食をとる。6時には小屋前の斜面を秩父側に標高差にして150mほど下り、荒川源流の碑のあるところまで行く。山肌から湧き出る細いがしっかりとした流れがあり、各自、水筒やペットボトルに詰めたり、飲んだりした後、今回の参加者全員13名で碑を囲んで写真を撮る。

 小屋まで登り返し、甲武信ヶ岳山頂へ向かう。大方の人たちは源流碑まで行かずに先に立った後で、昨日と打って変わり、静かな山頂であった。ここで、沢登り隊と別れ、我々は三宝山、十文字峠へと向かう。登山道は凍った雪の上に、泥やシラビソの落ち葉などが載って、とても滑りやすくなっている。しばらく我慢しながら行くと、甲武信ヶ岳よりわずか8m高いだけだが、埼玉県最高峰という三宝山につく。


 さらに、2200m位から雪は消え、シラビソにコメツガの木が混じるようになり、登山道脇の木の葉を見ては、皆で「これはコメツガ」、「これはシラビソ」と延々と確認しながら行く。それにも飽きた頃、周りにはつぼみをつけたシャクナゲの木が道の両側を覆うようになる。展望のきく大山の山頂では日当たり抜群のためか、きれいに咲いたシャクナゲの花をカメラに納めることができた。

 この後、十文字小屋前のベンチで昼食をとり、一気に毛木平まで降って今回の山行を無事終了した。                     (石川記)