国内山行記録    熊谷トレッキング同人

岩稜トレーニング山行 乾徳山

期 日:2002年6月15日(土)
参加者:CL安藤 SL宮田 SL青木 高野、八木、並木、吉田、軽石、逸見、高橋、森川、馬場、駒崎、大山
行 程:熊谷(6:00)=秩父(7:05)=大平牧場(9:05/9:40)→道満尾根合流点(10:15/10:25) →扇平・月見岩(11:15/11:30)→山頂直下岩場(12:30)→乾徳山頂上(13:00/14:00)→原生林迂回新道コース分岐(14:15)→国師ヶ原手前・雨具装着(15:45)→国師ヶ原(15:55)→大平牧場着(16:40) ※大平牧場駐車料金500円、川浦温泉白瀧閣500円、熊谷〜三富村約120km

 昨夜来の雨は止んではいるが、今にも降りだしそうな空模様、にもかかわらず予定された参加者は全員集合。空模様を見て実施と決定し、市役所を6:00に出発。途中の西武秩父駅で八木さんを拾い、大滝の滝沢ダム工事現場の見下ろせるパーキングで休憩。天気はここまで小雨が降ったり止んだりで、この辺まで雲がたれ込めていた。  雨と霧の峠道を進み、雁坂トンネルを8:32に抜ける。天気は上空に薄らと青空も見られ、山の嶺峰に雲が懸かる程度である。三富村役場の先でR140号から分かれ山道に入り、9:05大平牧場の駐車場着。早速駐車料の集金に出てきた管理人が、午後に雷雨があるかも知れないからと注意していた。支度をして準備運動の後、9:40に歩き出す。  荒廃した牧場の中の道を抜け、登山道に入り10:15徳和からの合流点で10分間の休憩をする。道満尾根の急登を暫く登り、平坦な開けた草原の扇平へ11:15に着き、月見岩上で15分間の休憩。オレンジ色のレンゲツツジが緑の山肌を鮮やかに彩っている。扇平からまた樹林の中を登ると大きな岩が重なり合った尾根に出て、クサリのある岩壁を二箇所ほど越えて13:00、2031m乾徳山頂上に着いた。  コーヒー、紅茶を沸かして昼食をとり、14:00に下山を始める。山頂から北へ下る下山道のコースをとった。雲行きがだんだん怪しくなり雷鳴も聞こえて、雨も降りだし雨具をつける。雨は間もなく激しく降ってきて、15:55ツツジの咲き乱れる国師ヶ原を休むことなく通過、大平牧場へ16:40に戻った。このとき丁度雨が止んでいて、帰り支度のあと17:05帰途に着く。17:20三富温泉の白瀧閣で一日の汗を流し、熊谷へ20:30過ぎに帰った。 (並木記)

記録と感想           森川富美子
   梅雨に入り天気が心配されたが、中止の連絡もないので市役所へ集合。3台の車に分乗して出発する。  西武秩父駅で八木さんと合流。雁坂トンネルを通り大平牧場に着く。早速、身支度を整え出発。ゆるやかな林道を黙々と登る。蒸し暑い。途中、休憩を一回入れ扇平に出る。  涼しい! 広々とした草原でレンゲツツジが満開、とてもきれいである。  小休止の後は、いよいよ岩稜トレが待っている。最初の岩場では鎖に頼らず何とかクリアー。二度目の岩場では、そうはいかない。次々に登っていく先輩達の後ろ姿に励まされ、私も頑張るぞー。足を滑らせ、鎖の厄介になりながらクリアー。ちょっとドキドキしたけどおもしろかった。そして頂上ヘ。  山頂では一時間の大休止。帰りは巻き道を下る。途中、雨が降り出し雷も鳴り出した。カッパを着て慎重に下る。大平牧場へは、PM4:40到着。この頃には雨もあがる。  温泉旅館で汗を流し帰路へ。お世話になりました。

トレ山を終えて          安藤太郎
 今回の山行は、これまでのポンポン山や長瀞での岩登り講習の延長線上の、そろそろ現地の山中での実践を、という事務局の提案で企画されました。一般縦走路や、低山のハイキングでもちょっとした、しかし危険な岩場は少なからず遭遇するもので、三点支持をしっかり身につけておかなければならないと言う事が、今回の山頂下の二つの岩場は、それを充分体感できたのではないでしょうか。  一つ目の岩場は5mほどでしたが、逆層のかなり垂直な壁で、しっかり体を壁から離さないと足場がわからないので、鎖があるとは言えかなり苦労した人も見受けられました。二つ目の頂上直下は10数mあり、傾斜はそれほどでもないのですが高度感は抜群で、しかもホールドとなる岩角が多数の人によって丸くすり減っていて、かなり緊張を強いられたようです。鎖場の鎖は状態が悪いこともあるのでなるべく使わないほうがよいのですが、ここは下部の支点が取りにくく、中間までは鎖を使ってゴボウで登るようにしました。  念のため出したロープを使うことなく、また考えていた巻道にも回らず全員が岩場を無事通過できましたが、やはりちょっと心配な方も、三点支持をもう少ししっかり出来たほうがよい人、あるいは技術は充分身に付いているけれども、高度感から緊張して足がすくんでしまう方も見受けられました。この日は曇っていたので景色はよく見えませんでしたが、晴れた日ならもっとよくまわりが見えて、更に高度感が増してきます。そんなときに怖がらずに岩場を通過するために、やはり長瀞などでの練習や、今回のような岩場のある山行をこれからも続けたいと思います。本格的な岩登りに行くわけではないので、"うまく"なる必要はありませんが、"慣れる"ことは必要だと思います。槍ヶ岳や奥穂高、あるいは剱岳などに行きたいと考えている方は充分に経験を積んでください。  なお、下りに使った迂回新道はゴロゴロした滑りやすい道でかなり苦労しました(ガイド本の時間の1.5倍)。わかっていてトレーニングのつもりで計画しましたが、膝の悪い方にはつらい道でした。もしまた行く機会があれば今度はあの岩場を"下って"往路を戻りたいと思います。おそらくそのほうが快適で早く下れるでしょう。乾徳山は爽やかな草原あり、ツツジが咲き乱れ、スリルのある岩場ありの、とても面白い山でした。