国内山行記録    熊谷トレッキング同人

巻機山・同人合宿

期 日:2002年6月1日(土)〜2日(日) 参加者:CL吉田 SL大嶋 SL石川 SL安藤 高野、八木、並木、堀、白根、川辺、栗原、軽石、逸見、高橋、滝沢、中野、豊島、須藤、安井、浅見、駒崎、花森、福田、宮田、青木 25名

6/1:熊谷市役所出発(7:15)=石打SA(8:50〜9:15)=巻機山麓キャンプ場着(9:45)…テント設営・昼食…発(12:25)→割引沢着(13:05)…渡渉訓練(13:30〜)…沢発(15:15)→幕営地着(15:45)…準備・夕食(18:10)…就寝(19:50)

 6時45分に熊谷市役所駐車場集合すると、皆さんの笑顔が揃う。車5台に分乗して出発する。塩沢石打ICを出ると、水田をそよ吹く風が運ぶ早苗の匂い。ウツギの花でピンク色に染まった道をひたすら走り、清水集落上の巻機山麓キャンプ場へ到着。周辺には、タニウツギの赤い花が満開、ウワミズザクラの白い花も見えた。  早速水場を調査しテントを設営する。お茶を沸かして、しばしの自由時間となる。マットを引っぱり出して寝ころがったり、話をしたり、また夕食のおかずに山菜を探しに出かけたり…。山菜グループは、たくさんの成果を抱えてご帰還。  昼食後、期待と不安を胸に徒渉訓練をするため割引沢へ。キャンプ場からすぐ上の桜坂駐車場を抜けて、30分ほどで割引沢に出る。雪解け水が冷たそうだ。リーダーの合図で、シュリンゲ、カラビナを身につけて渓流靴等を履く。まずリーダーから徒渉訓練の目的についての話があった後、安藤・浅見両氏から様々な場合のロープ使用法の説明を受ける。 @まずザイルを向こう岸に渡さなければならない。ザイルで確保しながらリーダー1人が渡渉する。この時、様子を見ながら上手くザイルを繰り出すことが大切で、また、徒渉中に流される場合もあるので、確保する必要もある。 A向こう岸にザイルを固定する。 B登山者がもやい結びでシュリンゲを身につけて、安全環付カラビナをザイルにかけて渡渉する。この時、シュリンゲをプルージックでザイルには付けず、移動可能なカラビナを付けること。プルージックだと流されたときに固定してしまって、おぼれることがある。 C全員が渡り終わり、今度は下山時の徒渉を想定する。ザイルをダブル(二重)にして、最後にザイルを回収する方法で渡り返す。 Dこの後、もっと水の深いところで渡渉の練習。すっかり水に慣れた。  この訓練で感じたことは、水がものすごく冷たく、水流が強いこと。50m上流には雪渓があるほどだから冷たいのは当然だが、水に浸かるとすぐに感覚がなくなってしまう。判ったことは、素肌を出して渡渉をしてはいけないということ。水の冷たさを感じないためには、渓流用スパッツで靴の上をしっかり固定するのが有効だ。なければ、ズボンをまくるのではなく、手持ちのスパッツを付けることが大切だ。  訓練の後、上部の雪渓めざして沢を登る。スノー・ブリッジの上で記念撮影。向こう側斜面にシラネアオイの花が見えた。温かいお茶を戴きホッと一息。帰り道で、ワラビ・タラの芽・ミズ・ウド・コシアブラ等を採集し、たき火用の枯れ枝を拾ながら幕営地へ戻る。  帰着後は全員でビールで乾杯。その後、夕食の準備にかかる。吉田&川辺&栗原さんがガス熱と油温で顔を真っ赤にしながら天ぷらを揚げる。先ほど収穫した山菜、ナスやシュンギクなどなど。熱い揚げたてを山で採ってきたホウの葉に盛る。それに、ウドの味噌あえとキュウリ。石川さんは沢から岩魚2尾を釣り上げてきた。岩魚はクロモジの小枝にさされ焚き火で焼かれ、みんな1口づついただく。仕上げは、みんながワイワイ言いながら作ったカレーで、一同は大満足…。  食事後、短い雷雨が通り過ぎる。再び焚き火を囲み、ひたすら酒を飲む者、山話をする者、じっくりと静かな山の夜を楽しんだ。昨年の同人合宿には、村越前会長が輪の中心にいたが、今夜はいないのがさみしい。やはり、村越さんを偲ぶ話題が多かった。日帰りの福田&宮田&青木さん達は帰途へ着く。午後9時にシュラフにもぐりこむが、夜中に雷鳴が響き、ずいぶんと雨が降った。小降りになったころ、鶯や小鳥の鳴き声、隣テントからのいびき、時々降る雨音、沢の音を子守り唄代わりに、眠りにつく…。

6/2:〈先発隊〉巻機山コースタイム  キャンプ場700m(6:25)→ニセ巻機山頂1861m(9:30)→巻機山頂1967m(10:05)→キャンプ場(14:07)   登り3時間40分/下り2時間57分 〈後発隊〉にせ巻機山コースタイム キャンプ場700m(6:25)→三合目(6:55)→五合目(8:00)→1350m(9:00)→1550m(9:45)→にせ巻機山(11:10/11:55)→キャンプ場(15:25)                     登り4時間45分/下り3時間30分

 午前4時起床し朝食の準備。朝食のメニューは、ご飯とうな玉丼。朝食を食べ終わる頃、熊谷を今朝早出してきた軽石さんら3人が到着。今日は全員で巻機山を目指すが、巻機山山頂をめざす先発隊と、にせ巻機山をめざす後発隊の2つのグループに分ける。(以下は後発隊中心の報告です)  6:25 全員がテン場(700m)を出発。遊歩道で駐車場へ出て、昨日の割引沢コースを右に折れて「井戸尾根コース」をたどる。最初は樹林の中を急登。この辺りで花を咲かせていたのは、タニウツギ、チゴユリ、ウワミズザクラ、クロモジ、フジ、スミレ、シオデ、ホウチャクソウ、ツクバネソウなど。  6:55 三合目で休み。  8:00 五合目で休み。1128m。ここからは眼下に米子沢がよく見える。ところどころに雪渓、流れが急でいくつもの滝をなしている。標識の傍らにミヤマザクラが花を付けていた。  9:00 1350mで休み。この辺りから登山道は東方向へ曲がる。ここまでの区間で花を咲かしていたのは、イワナシ、イワウチワ、オオイワカガミ、ショウジョウバカマ、タケシマラン、タムシバ、ムラサキヤシオツツジ、オオカメノキ、オオバキスミレなど。とりわけムラサキヤシオの鮮やかな赤紫の花が見事だった。 〈先発隊は9:30 にせ巻機山頂(1861m)に到着〉   9:45 休憩。1550m。樹林帯を抜けて灌木地帯に出たところ。ここはアズマシャクナゲの群落と花が見事だった。マンサクの地味な花も見られた。この後は、山頂下の急坂になる。  このあと小さな雪渓を横断、急坂の中腹、笹原の中に1カ所アズマシャクナゲの大群落があった。花も見事だ。写真を撮る。登山道から少し離れたところには、濃い赤の花もあったが近づくことは出来ない。この間にミツバノバイカオウレン、ミツバオウレンの花、下の樹林帯ではカッコウの声。 〈10:05 先発隊は巻機山山頂(1967m)に到着。本来の山頂は少し先だが、山頂の土壌復元プロジェクトのために山頂が移動してあった。ここで昼食休憩。〉  11:10 にせ巻機山山頂到着。北には巻機山山頂、割引山。東南方向から南西方向にかけて燧岳、至仏岳、日光白根、錫ケ岳、皇海山、上州武尊岳、谷川連峰、苗場山が見える。西方向には塩沢方面の盆地。山頂南側直下にはアズマシャクゲの花。にせ巻機と本峰の間の湿原には、ミズバショウの花が2本見られた。  先発隊は北側の巻機山の山頂付近に見えた。頂上でお茶を沸かして昼食。程なく巻機山頂から引き返してきた先発隊が到着。全員で記念撮影。  11:55 全員でにせ巻機山山頂を出発して下山開始。再び樹林帯にはいると、鳥もずいぶんと鳴いていた。下りで視認できた鳥は、カッコウ、ヒガラ、ホオジロ、イワツバメ。この他に声を聞いた鳥は、ツツドリ、コルリ、ジュウイチ、コマドリ、メボソムシクイなど。  駐車場上の広葉樹林帯でカエデの木に虫が大発生し、若葉がほとんど食われている大被害を目撃した。この部分は後でテン場から見ると茶色で、芽吹きしていないような状態に見て取れた。 〈14:07 先発隊はテン場に到着。〉  15:25 後発隊テン場到着。既に先発のグループによってテントが撤収されていた。  撤収作業が終了後解散式。この後、湯沢町で温泉「駒子の湯」で汗を流し、へぎ蕎麦を食べて帰った。   今回の同人合宿は、直前まで参加者の変動があって、テントの配置、食事班の変更を余儀なくされた。しかし、担当者のご努力で「渡渉」を中心とする技術訓練は大変に充実し、いい経験となった。巻機山は楽な山ではなかったが、今回は全員がにせ巻機山まで登りきり、新緑と花の山を楽しむことができたことがよかった。また、安全な山行を楽しみましょう。 (八木・滝沢記)