国内山行記録    熊谷トレッキング同人

片品川 根羽沢・大薙沢右俣と湯沢遡行
沢と焚き火と藪こぎ奮闘記

日 程:2002年9月21日(土)〜22日(日)
参加者:CL浅見 SL装備・安藤 記録・軽石、食料・豊島、医療・駒崎、食料・大山、気象・宮田、会計・井上 計8名 車利用 浅見車3名、安藤車5名
行 程: 1日目 熊谷5:00==大清水7:45…物見橋際9:30(BC設営) …大薙沢入渓10:45…二股12:30…三段のナメ滝13:25…大ナメ床(1.450m地点)13:40…往路を戻る…BC着17:20  
2日目 BC発6:10…湯沢出会6:30…6m、8m滝の高巻き7:10…カラノマタ出合7:30…二股9:35…V字沢大木滝突破10:10〜10:55…第二の大木滝突破11:00〜12:00…ヤブこぎ2時間で物見山頂(毘沙門山)着14:30…山頂発 15:20 登山道を下る…BC着17:20…大清水18:25==入浴&食事==熊谷着22:30、解散

<第1日目 大薙沢右俣>
 初日は好天に恵まれた。行く途中沼田のコンビニで日光白根山に向かう同人の面々と遭遇し、互いに健闘?を云い交わした。  大清水から根羽沢ぞいの林道を歩き35分で物見橋、ここは草付きの平坦な広場で幕営にもってこいとここに設営した。1日目はここの二股の右、大薙沢遡行の往復である。入渓していきなり6mの滝を超え元鉱山の軌道下にある小滝を太股まで入ってよじるとあとは大体がナメ状が続き楽しみながら歩いた。三段のナメ滝を超える時など内心ワクワクする気分だ。但し同じ所を下る際にはロープを使い安全を期した。山道と違い下りも同じ位時間を食うものだ。BCに戻った頃は夕闇迫る頃で、たき火を囲んでの食事は19時頃になってしまった。高曇りの夜空は満月でほの明るく、南の稜線に見え隠れして風情がある。はぜる炎を見つめていると何故かそばを離れ難い。ついシュラフにもぐりこむのが最後になってしまった。

<第2日目 湯沢>
 翌朝は3:30起床、くもり、出発は6:10.この日は湯沢を遡行して物見山に登り、鬼怒沼まで足をのばす計画だ。6:30に入渓してすぐ6m、と8mの滝を高巻く。沢に下りる時ロープを使うが緊張する場面だ。あとは小滝とナメ状が連続して楽しい時間帯だ。カラノマタ出会に至るとそこは広いナメ状で、紅葉の頃の景観をすぐ連想できる程美しい所だ。  ナメ状が終わり傾斜がきつくなると沢も細くなり、浮石の多い危険な様相を帯びてくる。ガレた二俣を左に進むとV字型のせまい滝を10m以上の大木がふさいでいた。浅見、安藤両氏によるロープ設置により何とかそこを突破し、続く同じような今度は20m程の大木でふさがれた急斜面でも身体を確保しながらの登りである。連続した急所を無事通過出来たのは勿論リーダー達の懸命なロープワークがあればこそである。このメンバーだと少々時間がかかるのはやむを得ない。  やがて水線も不明になると急斜面のヤブこぎのはじまりである。2mを超える熊笹は少し離れると前を行く人が視界から消える。先頭のA氏やM氏でさえ時折ルートをはずしたりするほどだ。2時間位悪戦苦闘しただろうか。これだけ長い時間ヤブの中を登ったのは勿論初めてで、いいかげん嫌気が差してきた頃「もうすぐ稜線だよー」と上の方から声が届いた時は勇気が湧いてきたものだ。間もなく笹ヤブが目の前からなくなり登山道に飛び出した時は心底ホッとした。しかもそこは物見山の頂上であった。自然に皆が握手を交わしガンバリを称え感動を分かち合った。出発以来実に8時間半を経過していた。  今日はここまでとして熱いコーヒーと残りの食料を腹に収め休んだ。下山の頃にはそれまでどうにかもっていた天気もくずれ雨具を着けて急坂を駆け下りた。標高差900mの下りは左側に深い渓谷を見ると、よくぞこの谷を登ったものだと我が身に感心してしまう。  2時間でテントに戻った時は、奇しくも昨日と同じ時間で、夕闇せまる中急ぎ撤収し、真っ暗な大清水に着いたのは18:30であった。遅くなったとはいえ入浴、そして食事としっかりとすませるのは当然の成行きで集合地で解散したのは22:40であった。  身体は疲れているのに満足の度合いが高いのは、初心者の私でもあそこまでやれたのだという充実感のせいだろうか。軽傷で済んだものの私自身の転倒によるケガ等があったり、初心者を多く含んだ為時間がかかったといった面もあるが、全体の力量を考えれば沢の面白さや危険も垣間見ることができたことは十分に目的を果たしたことになると思う。それもこれも全て浅見リーダー、安藤SLのお陰と感謝したい。改めてありがとうございました。 (軽石昭夫記)