国内山行記録    熊谷トレッキング同人

晩秋の常念山脈縦走
山  域:北アルプス燕岳、大天井岳、常念岳(長野県)
期  日:2006年10月27日(金)〜29日(日)
参 加 者:燕〜常念縦走パーティ CL大嶋 SL浅古 白根、吉田、逸見、高橋
      常念岳一ノ沢パーティ L木下 井上 (計8名)

行動記録:
【一の沢往復パーティー】
10/28 いこいの広場(8:00)→一の沢登山口(9:20)→常念小屋(13:00)→
常念岳山頂(14:50)→常念小屋(15:50)

 豊科インターで井上君と合流し、一の沢の登山口へと車で向かった。今年の大雨で林道が不通となっているために、車はかなり手前のいこいの広場までしか入れない。そこからはアスファルトで舗装された林道を歩く事となった。ゲートのところに「熊出没注意」の掲示が有ったが、確かに林道のそこかしこに熊の糞が見られる。近くにはまだ乾いていない尿まで有り、どう考えても今朝のブツである。熊避けの鈴の音を意識しながら、美しい紅葉を慰めにして退屈な林道歩きを続けて行った。本来の駐車場のすぐ手前にくると道路の崩落現場があった。道路の下部の地盤が大きく流失しており、復旧はかなり大変そうである。これは当分の間、車は入れないと考えた方が良さそうだ。

 本来の登山口で計画書を提出し、ようやく登山道の登りに入った。沢沿いの緩やかな道で歩きやすい。大きく沢を高巻いた後、最後の急登となる。ちょっときつい。森林限界を抜けると開けた場所に出た。常念乗越である。赤い屋根の小屋の向こうに槍・穂高の美しい山並みが見えた。10月上旬に降った雪はほとんど溶けてしまったようである。小屋に入って受付をしていると、燕からの縦走パーティーが到着した。

 小屋はガラガラで、二部屋を貸し切りで使うことが出来た。荷物を整理してから常念岳に向かう。明日は天候が崩れそうなので、今日のうちに登っておこうという事になったためである。小一時間の急登で常念山頂に到着。穂高連峰の向こうに鷲羽岳などの北アルプス奥部の山々が連なり、右に目を転じると後立山の山々までが見渡せる。秋の澄んだ空気のお陰である。大展望を心ゆくまでカメラと大脳に納めてから山頂を後にした。

10/29
 今日は縦走パーティーと合流して下山である。天気予報は良い方へ外れ、今日も良い天気であった。昨日上がった登山道を下るが、何となく足を出し続けているうちに登山口に着いてしまった。熊の糞を踏まないように気をつけながら林道を下り、駐車場に到着した。
                                                 (木下記)


【常念縦走パーティ】
行動記録:
10/27 熊谷市役所(4:00)=豊科IC(7:00)=中房温泉町営第1駐車場(7:50/8:04)→
 登山口(8:10/8:25)→第1ベンチ(9:00/9:10)→第2ベンチ(9:38/9:51)→第3ベンチ(10:23/10:31)
 →小休止(10:49/10:56)→富士見ベンチ(11:15/11:26)→小休止(11:55/12:00)
 →合戦小屋(12:04/12:33)→合戦沢の頭(12:51/13:00)→小休止(13:14/13:20)
 →燕山荘(13:50/14:55)→燕岳(15:25/15:30)→燕山荘(16:00)

(天候:曇り)
 寄居町に熊、その関係で宮田さんが急遽行けなくなり、残念ながら6人で出発。中房温泉への道は紅葉が美しい。猿を見かける。中房温泉からの路は始めから急登、陽も出ていないのに10月下旬にしては暖かで、Yさんの顔は早くも汗だらけ、第1ベンチで衣服を薄くする。丁度良い間隔で第2ベンチ、第3ベンチと有り、それぞれで休憩を取りながら登る。富士見ベンチでは富士山は見えず。合戦小屋で昼食しつつ大休止。合戦沢の頭では、しばし展望を楽しむ。やっとのことで燕山荘に到着、登りでが有りました。

 燕山荘からの展望は槍、双六は見えたが、山の端に雲がかかり今ひとつ。しばらく山荘で休んでいたが、良くなりそうもないので燕岳に出かける。花崗岩が風化してできた白砂をザクザクと踏みながら登る。頂上は花崗岩が風化して丸みを帯び、独特の雰囲気をかもし出していました。

10/28 朝食(6:05)…出発(6:43)→蛙岩(7:11)→大下りの頭(7:32)→小休止(7:41/7:49)
 →小休止(8:41/8:49)→切通岩(8:58)→大天井岳分岐(9:05)→大天荘(9:31/9:50)
 →大天井岳(10:00/10:07)→大天荘(10:20/10:30)→東天井岳直下(11:13/昼食/11:46)
 →小休止(12:42/12:49)→常念小屋(13:16/13:46)→常念岳(14:47/15:03)
 →常念小屋(15:59)

(天候:快晴)1日中展望良し、雪無し。朝食前にまずは外に出て寒さに震えながら山波を眺める。槍ヶ岳が圧巻。大きく開いた窓越しに日の出を見ながら朝食、そして出発。歩くにつれ少しづつ変わって行く山波を見て、あれが鷲羽、あれが水晶などと山を指さしたり、ここら辺は夏には白砂にコマクサが映えてきれいよネ、とか言いつつ進む。昨日登ったときは大変だった合戦尾根がやけになだらかで気持ち良さそうな尾根に見える。

 蛙岩の大岩の横を通り、切通し岩を梯子で下り、小林喜作氏のリレーフを見上げる。私としては雪がなくてほんとに良かった。槍ヶ岳への道と分かれて大天荘へと登り、ここで大休止。静かでうららかで気持ち良い。ここに荷物を置いて今山行の最高峰となる大天井岳へひと登り。360°の展望、前穂、奥穂、北穂、南岳、中岳、大喰、槍、笠、双六、鷲羽、ワリモ、水晶、野口五郎、立山、剣、針ノ木、蓮華、旭、白馬、鹿島槍、爺、そして燕から今日歩いてきた尾根、焼、火打、妙高、高妻、四阿、浅間、御座、八ヶ岳、富士山、南アルプス、常念、中央アルプスが見える。絶景!!

 下りながらも目は山波に、歩くにつれ少しづつ変わって行く。やがて御岳、乗鞍も出てくる。ホシガラスが飛ぶ。東天井岳の下で昼食、これから行く横通を見下ろし、常念、さらに蝶、大滝へと尾根が続いていくのが見える。横通は、斜面中腹を真直ぐトラバースする気持ちの良い路、単独の猿に出会った。やがてシラビソやダケカンバの混じる樹林帯に入る。なんでここだけ樹高があるのと思いつつ下ると、急に開け、広々とした常念乗越に飛び出す。常念小屋には木下さん、井上さんが待っていて合流、平均年齢が一気に下がる。

 天気予報では天候は下り坂とのこと、今日のうちに常念岳に登ることとする。午後になっても遠くの山波まで霞みもしなかった展望もさすがに遠望が効かなくなってきた。早く登らないと、せっかくの頂上からの展望が悪くなってしまう、日も落ちてしまう、と心は急げども足が進まず、8合目辺りはほんとにきつかった。それでも登頂、皆で記念撮影をする。それにしてもひどいガラガラ道、対面の横通のトラバース道が懐かしい。

 夕食後、外へ出て、天の川、カシオペア、白鳥、織姫、牽牛を見上げ、小屋の前広場を先まで行って街の灯りを見た。 

10/29 朝食(6:30)…出発(7:14)→水場(7:48)→胸突き八丁(8:02/8:09)
 →わさび沢出合(8:13)→烏帽子沢出合(8:54)→小休止(9:05/9:16)→大滝ベンチ(9:23)
 →山ノ神(10:00)→一ノ沢登山補導所(10:10/10:30)→烏川渓谷緑地森林エリア(11:40/11:47)
 =中房温泉(12:37/13:45)=豊科IC(15:44)=熊谷(19:40)

(天候:晴)天候の悪化が遅れているらしく幸運だった.小屋から槍の眺めが素晴らしい。山波に別れを告げ下山路へ。歩き出してすぐに兎に出会う。白い和毛の上にほわっと長い黒毛が混じり美しい。上へ、上へと皆の足元を縫うように駆け上って行った。渓流沿いに下り、林道に出ると熊の糞がたくさん有るのにビックリ、道がすっぽり水に流されている所でもビックリしつつ、ヌルデ、カエデ、ミズナラ、カラマツの紅葉をめでつつ下山。

 烏川渓谷緑地森林エリアからは木下さん、井上さんの車に分乗、中房温泉に向かう。中房温泉立寄り湯はH18年4月オープンしたばかりとのことで、気持ちの良い露天風呂を楽しみました。

 天候にも恵まれ楽しい山行でした。有難うございました。
(記 高橋)