国内山行記録    熊谷トレッキング同人

庚申草を訪ねて

山城山名:足尾・庚申山(栃木県)
期  日:2008年6月18日(水)〜19日(木)
参 加 者:CL新井 SL高橋 藤井、並木、堀、川辺(計6名)

行動記録:
6/18 熊谷(7:00)=銀山平駐車場(9:50/10:05)→一の鳥居(昼食11:40/12:00)→
 蛙岩(12:45/13:00)→猿田彦神社跡(13:30/13:50)→庚申山荘(13:55/14:20)→
 庚申山頂(16:00/16:30)→庚申山荘(17:35) 夕食(17:40) 就寝(19:40)

 天候は晴れ。絶好な登山日和である。通勤時間帯に遭遇し、少々遅れ気味であったが、今日の目的、庚申山荘までゆっくり行動することにした。林道脇には二人静、クワガタソウ、キイチゴなど、又鮮やかな若葉が映え、渓流の音、ハルゼミ、カジカの賑やかな合奏、小鳥の鳴き声、動植物の自然豊かな恵みの中を歩くのが至福の時だ。とFさんは云う。今にもくずれ落ちそうな「天狗の投石」を通過し、一の鳥居に着く。一寸早いが昼食にする。明日の天候を心配し、山頂に登ることに話がまとまった。

 一の鳥居の登山口からは緩やかなる登りとなる。快い沢の音も蛙岩まで来る頃には聞こえなくなり静寂な朴となる。フサザクラ、チドリノキの実、ウツギの花など観賞しながら歩く。やがて猿田彦神社跡、広けた場所にはクリンソウが群生している。左手には庚申山荘が垣間見える。

 山頂の登路は山荘右手から始まる。冷水の滴りおちる岩場には小さなユキワリソウの花が次から次へと可愛らしさを競って咲いていた。このあたりから道は狭くなり急登となる。

 鎖場、ハシゴをとおり高度を稼ぐ。山頂直下の湿った大きな岩壁には生えたばかりの小さな苔、シダ、イワタバコ、大文字草、紅色のユキワリソウ等が野生し、この山特産の庚申草が紅紫色の小さな花をつけ群生し、共生していた。図鑑を要約すれぱ、国の特別天然記念物に指定され、多年草の食虫植物で葉は根生し内側に巻き表面に密生した腺毛からは粘液を出し、小さな虫を捕食する。花茎は種子が熟すると花柄が大きく伸びそりかえり、岩壁に確実に種子を散布し、繁殖していくとある。

 漸く辿り着いた頂は静かな樹林帯の中、緩やかな稜線を右へと進む。アヅマシャクナゲの咲く展望のない山頂に着いた。道なりに少々進むと目前には足尾の山々がボンヤリと霧が湧き始め皇海山も夕露に包み込まれて来たので下山した。山荘に戻ると自分で用意した食事を取り、質素であったが話もはずみ、中々楽しい夕べを過ごす事ができた。

6/19 起床(4:45)朝食(5:00)お山巡り庚申山荘(6:50)→猿田彦神社跡着(9:30)→
 庚申山荘(9:30/9:50)→庚申七滝(11:13)→銀山平駐車場着(12:50)=
 かじか荘(13:30/14:00)=熊谷(16:45)

 朝起きると雲もきれ日が差している。裏庭一面に紅に染めているクリンソウを眺め、食事を取る。今日の予定はお山巡りと六林班峠へと2班に別れ行動する。

 お山巡りは神社跡の先、宇都宮大学山荘の裏の林道をしばらく歩くと片側の視界が開け展望が良い。白ヤシオの花も咲き終わり残花一輪。山道もだんだんと狭くなり、登り下りしながら進むと傾きかけた木橋に出逢う。急な梯子を下り上ると岩壁に庚申草、カラマツソウが咲いていた。この危険な梯子は花を見るだけのもの、又急直下を下り、道なりにたどると鬼の髭磨、めがね岩、摺碓岩、大胎内等、奇岩を通過する途中、木々につるをからめ、ひっそりと咲き地味ではあるが魅力的な花ミヤマハンショウヅルに出逢う。昨日通った道に出て山荘へと歩いた。

 庚申山荘には並木さんが待っていてくださった、他の人は先に出発したとのこと。一休みし歩き出す。途中、傘を広げたように真っ白に咲く木の下で休憩し、写真を撮ったりして庚申七滝を見学して下山した。                    (堀記)