熊谷トレッキング同人 国内山行記録
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2008同人合宿in那須三斗小屋集中


<A隊:井戸沢沢登りパーティの記録>


アルバム1

期  日:2008年9月13日(土)〜14日(日)
参 加 者:CL木下 SL宮田 南雲、木村、栗原昌(計5名)

行動記録 
9/13 熊谷(5:00)=湯川橋手前(8:50)=三斗小屋宿跡(10:00)=F1(11:05)=
 1365m大休止(12:35/13:00)=流石山(14:10)=三斗小屋温泉(16:15)

 井戸沢はアクセスが良く、内容も充実した人気の沢である。一年前に遡行した際には、明るいナメのある快適な沢であった事を記憶している。深山ダムから入渓地点である三斗小屋宿跡までの林道はかなり荒れていたはずであったが、どういう訳かきれいに整備されていた。お陰で難なく三斗小屋宿跡に到着し、さて準備を始めましょうかというところで一台の車がやってきた。乗っていたおじさんによると、「ここは工事車両が通るので立ち入り禁止である。鍵をかけるからゲートまで戻るように」との事。戻るのは全くもって面倒な事だが、出られなくなっては困るので大人しく言われたようにする。そんな訳で約1時間のタイムロスがあった。

 さて気を取り直して遡行開始しましょうか。三斗小屋温泉へ続く登山道の橋をくぐるとすぐに井戸沢の分岐である。過去2回の遡行では伏流となっていたが、今日は水が流れている。実はこれが井戸沢に起こっている異変の兆候であるとは、この時点では夢にも思わなかった。ゴーロを歩くこと4〜5分、前方から重機の唸る音が聞こえたと思うと、大きなパワーシャベルの姿が目に入ってきた。「あれ、沢を間違えたかな?」と地形図を確認するが、井戸沢で間違いはない。何ということか、こんな沢屋以外に誰も訪れない山奥で砂防ダムを造っているのだ! 大きく堀込まれた現場で沢は完全に遮断されているが、その中は通行禁止であるとのこと。仕方なく左岸のガレを大きく高巻く事になった。呆然とする我々を気の毒に思ったのか、現場のおじさんが工事のロープを使わせてくれた。

 それにしても一体なんのための工事なのか。計画したお役所にはそれなりの理屈があるのだろうが、普通の人間から見たら無用の工事としか思えん。国家予算が危機だなんて絶対に嘘でしょ! そんな風に憤慨しながらゴーロを歩いているうちにF1に到着した。

15mほどのこの滝は水流右手のリッジから登るのだが、一部がオーバーハング気味になっていて、この沢では一番の核心部となる。土木工事に犯されていない滝を観察しつつ、相次ぐアクシデントで乱れた気持ちを鎮めた。気持ちを切り替えてから滝に取り付かないと、つまらない怪我でもしそうだ。ここはロープを出して一人ずつ確保しながら上がった。

 歩き始めは青空が覗いていたのだが、いつの間にか空はドンヨリと暗くなってきていた。少し遡行のペースを上げる。その後も10m前後の滝がいくつか現れるが、ノーザイルで快適に登っていけた。きれいなナメ滝が連続するポイントで大休止をとる。晴れていればさらに素晴らしい眺めなのだが、生憎の曇り空であった。

 その後は大した滝もなく順調に遡行していった。水流が尽きる辺りから傾斜が増し、ぐんぐん高度を上げていく。最後は藪漕ぎ無しで稜線へ出ることができた。沢装備はそのままで流石山の山頂まで歩き、そこで登山靴に履き替えた。何とか持っていた天気もその辺りが限界となり、ポツポツと降り始めてきた。カッパを羽織り急ぎ足で大峠へと下った。 そこからはジメジメして展望のない巻き道を、ひたすら三斗小屋温泉へと向かう。途中3回ほど徒渉のあるあまり面白くない道である。次第に勢いを増していく雨の中を歩く5人にとっては、宿で待つ風呂とビールが足を進める原動力であった。


9/14 三斗小屋温泉(7:00)=朝日岳(9:10)=峰の茶屋(9:50)=茶臼岳(10:35)=
 姥ヶ平(11:40/12:10)=駐車場所(15:00)

 今日は打って変わって良い天気。三本槍を往復するという当初の予定を変更し、沼原を経由する周回コースとした。三斗小屋温泉から隠居倉までは急登の登山道、そこから先の熊見曽根〜朝日岳は展望のある気持ちの良い尾根歩きであった。そこから先は急に登山者が増える。峰の茶屋で三斗小屋温泉方面へ下る宮田さんと別れ、荷物をデポして茶臼岳を往復した。感想は…山頂でありながらまるっきり下界の雰囲気でした。

 荷物を回収して茶臼岳の巻き道を行く。この辺りは間近に噴煙が上がり面白い。牛ヶ首から一気に姥ヶ平へ下り、ここで大休止を取った。姥ヶ平から仰ぎ見る茶臼岳の眺めはなかなかの物である。緑の山裾から噴煙を上げる荒涼とした岩山へと続くグラデーションが良い雰囲気を出していた。いずれ紅葉の時期に来てみたいと思う。

 ここからは人気の少ない登山道を下っていく。沼原湿原の手前1300m付近は白樺(ダケカンバ?)の疎林で気持ちの良い道であった。湿原へ出ると一部木道を歩くが、すぐに麦飯坂経由の登山道となる。この道は熊が出るとの事なので、ハーケンを鈴代わりに鳴らしながら下っていった。あまり利用されていないらしく、荒れ始めている箇所が見られた。沢を渡る橋は崩壊しており代わりに丸太が渡されていたが、雨の時など滑りやすそうで要注意である。そこから間もなく前日に歩いた林道へと出た。          (木下記)

<B隊:中ノ沢沢登り体験パーティの記録>

アルバム2

期  日:2008年9月13日(土)〜14日(日)
参 加 者:CL浅見 SL石川 逸見、飯塚(計4名)

行動記録:
 熊谷市役所に午前6時に集合、頼りになるリーダーの浅見さんの車に同乗し4人で出発。私は会員でもなく沢登りの技術も勉強していない中高年なので不安だが、沢も基礎というので参加した。ただ、サブリーダーの石川さんも、女性で参加の逸見さんも知っていた方なので少し安心か。

 9時過ぎに深山ダム林道の車止めゲートに着。大川(白湯山)林道と表示があった。 1時間ほど歩き三斗小星宿跡に着。那須のこの付近は白湯山(出羽三山)信仰と会津中街道の峠道があった地域だと「古道巡礼」(高桑信一著)にあり、来たかった所だ。さて、肝心の沢登りには支度をして10時50分に出発。みんなが厚いウオーターソックスをはいていたので寒いかなと少し心配になったが、大丈夫だった。すぐに中ノ沢に入り、穏やかそうな沢なのだが水量が多く、トップを石川さんが水にどんどん入りながら歩くのに着いて行く。途中より小さな段のあるナメ沢が続き、両岸も緑の緩斜面で優しい美しい景色。ただ、小さな沢のわりには水量が多く上流にいっても水がどんどん流れて来た。

 12時に昼食休憩30分をとり、13時50分に登山道が沢を横切る地点に到着し、沢登りは終了。逸見さんは「水量が多くて流れが速く、3年ぶりの再デビューにしては、少し、たいへんだった。」と感想を述べ、浅見り一ダーが「向上心があるのがえらい。」と言っていた。私はよく言えばナチュラリスト、悪くいえば基礎的な登山の勉強をしてこなかった中高年なので、熊トレのみなさんから学ぶことがたくさんある。などと考えながら、登山道を沢靴で歩いて2時50分に三斗小屋温泉に着。

 稜線コースのみなさんがすでに到着して迎えてくれる。そして、その夜も同人のみなさんの自由で温かな結束力が感じられて、負けじと一人勝手にしやべりすぎてしまい反省。寝言もうるさくなかったでしょうか。

 翌14日は、7時15分出発、流石山にレンズ雲がかかり天気がくずれると宮田さんが教えてくれる。以前も冬期のハ甲田山の観天望気で、木の状態と天候について話してくれたことがあった。浅見グループは8時15分隠居倉〜8時50分熊見曽根〜9時10分清水平〜9時50分なだらかな三本槍岳〜11時熊見曽根〜11時20分コブのピークの朝日岳に着、昼食。予想に反して、天気は晴天となり穏やかな山行となった。

 浅見さんが「那須はずいぶんコンパクトまとまった山城ですね。」と感想をいっていたが、天気がよければ父も来れるだろうかとふと思ったりした。12時に帰路に着き、峰の茶屋をまわり3時10分に林道ゲートに下山。途中、温泉で木下グループに会い、高速のSAで宇都宮餃子や蕎麦を食い、熊谷に8時半過ぎに着いた。お世話になり、ありがとうございました。       (秩父アルペンクラブ 飯塚明)