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双六岳集中 

アルバム

雲ノ平パーティー


  折立〜雲ノ平〜新穂高縦走


山域:北アルプス雲ノ平・鷲羽岳・双六岳(冨山・岐阜県)
期日:2009年7月24日(金)〜27日(月)
参加者:CL宮田 SL石川 軽石 逸見 花森 白根(計6名)
   (黒部五郎パーティー CL木村 駒崎 2名)

行動記録:
7/23(木)熊谷20:03=上里SA(宮田車と合流)=0:40立山IC=0:53立山あるぺん村 幕泊

 星空を眺めながら、駐車場の隅にテントを張る。2台のトラックのアイドリングの音がうるさい。なかなか寝付かれない。明日からの4日間縦走に参加すると、言っては見たが歩けるかな、この年になって? 心配になってきた。考えている内に眠りに就く。

7/24(金) 立山あるぺん村6:04=折立駐車場6:45/7:15−登山口7:22−三角点1871m 9:04/9:20−五光石ベンチ10:59/11:06−太郎兵衛平11:57−太郎平小屋12:30 泊

 目が覚めて外をのぞくと夜明けの山々・・・が雲に包まれている。テントを撤収して車に積み、前のコンビニで、朝食、行動食等を購入して。あるぺん村のテーブルで朝ご飯にする。
 有峰林道亀谷ゲートから坂道を、トンネルを、抜けて折立に向かう。バス停からヒュッテ広場を通り登山口に。薬師太郎・花子と名付けられたズナラの巨木を右手に見て、リーダーの後について、ブナ林の続くジグザグの階段状の急さかを標高差980mの太郎兵衛平までの道のりである。

 ヒュッテの管理人の話の通り、昨夜の雨で登山道は水たまりやぬかるみが所々にあり、枝や木の根の助けを借りて進む。蒸し暑く、早くも汗だくとなる。休憩を取り、ベストを脱ぎ、水分を補給する。団体のご一行が降りてくる。

太郎坂を登りきると、視界が開け、1871mの三角点に着く。ベンチがあり、もってこいの憩いの場所であり、一休みする。先客が登り始める。

 アップダウンを繰り返し、石の敷き詰めた階段を行く。左右に湿原があり、池塘が点々・・・と、ニッコウキスゲが咲き始めている。

 五光石ベンチまで登ってくると、左に雲がとれた薬師岳だ!

左奥が薬師岳山頂太郎平小屋へ続く木道

 深田久弥は「薬師岳は、白馬や槍のような流行の山ではないが、その重量感のあるどっしりした山容は、北アルプス中随一である。ただのっそりと大きいだけでない、厳とした気品も備えている。」と書いている。(『日本百名山』新潮社)

 木道をしばらく行くと太郎平小屋が目の前に見えてくる。小屋の前でお湯を沸かして昼食にする。

 受付をして、カイコ棚形式の部屋に入る。石川さんはテント場へ、逸見さんと私は、太郎山から太郎兵衛平散策に、他の人は薬師岳に出発する。

<…4名の薬師岳往復は黒部五郎パーティ記録を参照してください…>


太郎平小屋薬師岳山頂にて



7/25(土)  太郎平小屋5:48−薬師沢小屋8:16/8:33−雲ノ平アラスカ庭園11:03−奥日本庭園11:29/11:35−雲ノ平山荘 (泊)

 出発に先立ち、小屋をバックに集合写真におさまる。黒部五郎パーティーと太郎山を登る手前で、明日の双六小屋の再会を約束して分かれる。我々は左へトラバースしながら下っていく。

 薬師沢小屋まで標高差で430m下り、雲ノ平小屋まで600m登り返す、今日の道のりである。小さな沢を越え、チングルマ、ニッコウキスゲ・・・が花盛りである。若い女性が大きなザックを背負ったままデジカメで山草を接写している。坂を下りそこを超えると、木道になって、平坦なところに出る。薬師沢左股の橋を渡り、針葉樹林に入る。梯子脇の日陰に大き花のキヌガサソウが咲いている。薬師沢小屋

 ササの原のカベッケガ原のベンチで一休みする。逸見さんからみかんを頂く。山間で食べるみかんは格別おいしい。重かっただろうに!

 少し歩き出すと、黒部川出会いの吊り橋を渡り、梯子を下り川原に出る。樹々に覆われて薄暗い。急坂の登山道に入り、30分程すると今度は雨が本降りになってくる。雨具を付けていると学生パーティーが、はやい、ハヤイ、あっという間に登っていく。若さにはかなわない。

 リーダーから「急坂は終わり」と聞くとホッとする。木道を上って、湿原の雲ノ平アラスカ庭園に出る。20数名が雨の中で休んでいる。先の人気のない奥日本庭園で休憩する。楽しみにしていた雲ノ平は雨と霧でかすんでいる。小屋に入り、雨具を乾燥室に吊す。食堂でうどんを注文し、昼食にする。 (ここまで白根記)


アラスカ庭園


奥日本庭園


7/26(日)(曇りのち雨)
雲ノ平山荘(5:50)→テン場分岐(6:O0/6:15)→祖父岳山頂(7:20/7:25)
→乗越分岐(8:05/8:20)→ワリモ岳山頂(8:55) →鷲羽岳山頂(9:30/9:40)
→三俣山荘(10:35/昼食/11:30)→三俣峠(l2:15/12:25)→巻き道途中小休止(l3:05/13:15)
→双六小屋(14:10)

 朝からどんよりとした曇りでかろうじて雨がふっていないことが救いでもあった。小屋も今期で建て直すと聞き、小屋前でカメラに収めるが、展望もない中、はっきり言ってどこの小屋か分からないと思いながらカメラに収めた。庭園内は木道が整備されていてとても歩き易い、展望さえあればと残念である。途中、テント泊の石川さんを迎えにテン場ヘ、昨晩の雨の中、3〜4張りのテントがあったと聞く。

 祖父岳途中で霧雨が強くなり雨具を身に付ける、下を見ればツアーと見られる20人くらいの団体さんが登って来る。祖父岳山頂も強風で写真のみで移動する。しばらくすると、黒部源流が霧の晴れ間から見え隠れするが残念な天候でありカメラに収めることはできなかった。乗越分岐からは急な登りと強風で寒い。

 鷲羽岳山頂では、偶然、駒崎さん一人と会う、相棒は三俣小屋で待つとのこと。とにかく寒いのですばやくカメラに収めて下山する。三俣小屋では小屋とは思えないほどきれいで電気、水、食料が充実しているように思えた。居心地が良すぎだが、11:30小屋を出発するが、悪天候のため巻き道コースで双六小屋に向かう。

14時10分、会長の出迎えで無事双六小屋に到着。先に到着していた5人グループと合流、総勢13名の集中登山の達成となりました。

7/27(月) (雨、強風・悪天候)

双六小屋(7:00)→弓折分岐(8:05/8:10)→鏡平山荘(8:50/9:10)→小休止(9:45/9:55)
→秩父沢(lO:40/10:55)→林道(ll:25)→ワサビ平(ll:45/昼食/12:10)
→新穂高ゲート(l3:00/13:10)=有峰林道ゲート前(l4:15/14:30)→折立(l5:15)
→亀谷温泉(l6:10/17:05)→有磯海SA(l7:50/18:05)→新井SA(19:10/タ食/19:55)
→東部SA(21:05/21:20)→籠原(22:50)

 夜中じゅう荒れ模様で朝を迎えるが、下山できるか不安のまま朝食を5時に取る。万一、下山できなかったら仕事どうしょうか?とか、皆最悪のことを考えていると思うなか、リーダーが下山する判断をした。その際の注意事項、口一プ?そんな物使ったことが無い。例会では幾度かの学習があるが、参加していない私は、足手まといになるかと少し不安となる。少々不安のまま7時に下山。雨は小雨になっているが…、途中数名に行き会うが、鏡平山荘からと言うことで沢が越えられるかは不明のまま。鏡平山荘まで下山でき、その後も行けそうとのこと。途中の登りの人も沢を越えてきた様で、明るい兆し。実際の秩父沢もそれほどでは無かった。

 ここから先は別行動でも問題ないので、それぞれのぺ-スで行動、新穂高グループとお別れの挨拶をかわした。わさび平で軽く昼食を済ませ、タクシーまで早足で時間を稼ぐ。

13時タタシーに乗り込む。有峰林道は問題なしとのこと。途中、林道案内情報盤で通行止の表示が…しばし目がクローズとなるが、タタシーの運転士が確認するともうすぐ解除になるようとの情報でゲートまで向かうが、道路点検中でもう少し待つようだ。お茶でも沸かし待つが、皆にお茶が行き渡る前にゲートが開いてしまいあわてて撤収となりました。 15時15分、無事に折立駐車場に到着。途中の温泉に入り上信越道新井PAオアシスできときと寿司を食べ一路帰宅へと車を走らせました。ふりかえって見ると悪天候での山行であったが、グループでの山行はいろいろな意味でよい経験をした。リフレッシュできました。                               (花森記)





出会った山草
イワイチョウ、オオバミソホウズキ、アカモノ、アオノツガザクラ、オトギリソウ、ウサギギク、エゾシオガマ、イワオオギ、イワギキョウ、ウラジロナナカマド、オオレンジソウ、イワツメクサ、ウラジロダテ、オオウバエリ、オニシモッケ、ゴゼンタチバナ、キソチドリ、コバイケイソウ、コイワカガミ、クルマユリ、キヌガサソウ、カニコウモリ、コウメバチソウ、キンコウカ、クモマグサ、クロユリ、キバヤノコマノツメ、ショウジョウバカマ、シナノキンバイ、シャクジョウソウ、チングルマ、ツマトリソウ、タカネヤハズハハコ、チョウジギク、トリアシショウマ、タテヤマリンドウ、トウゲブキ、タテヤマアザミ、ネバリノギラン、ニッコウキスゲ、ハクサンイチゲ、ハクサンフウロウ、ベニバナイチゴ、バイカオオレン、ホタルブクロ、ハクサンシャクナゲ、ミヤマリンドウ、ママコナ、ミネズオウ、ミヤマキンポウゲ、モミジカラマツ、ミヤマカラマツ、マイズルソウ




黒部五郎パーティー

  折立〜黒部五郎〜三俣山荘(合流)〜双六

山域山名:北アルプス・薬師岳、黒部五郎岳、鷲羽岳(富山県、岐阜県)
期  日:2009年7月23日(木)〜27(月)
参 加 者:L木村、駒崎(計2名)

行動記録:

7/23 熊谷(20:00)=立山町(24:50)
 今回アプローチは雲ノ平パーティと合同なので、軽石さん、白根さんも一緒に出発。上里SAで宮田車と合流して、一路立山町へ向かう。立山町のドライブインの駐車場の片隅にテントを張り、逸見さんにいただいたビールで軽い酒宴の後就寝。

7/24 立山=折立(7:20)→1870.6m三角点(9:05/9:20)→2011m(10:00/10:15)
 →五光岩ベンチ2189m(11:00/11:15)→太郎平小屋(11:55/12:45)
 →薬師岳山荘(13:50/14:00)→薬師岳(14:35/14:50)→薬師岳山荘(15:20)
 →太郎平小屋(16:15)

 ドライブイン併設のコンビニで朝食・行動食等購入して出発。有峰林道に入ると5年前の個人山行の記憶がよみがえり懐かしい。折立の駐車場は金曜日とあって、まだ駐車スペースに余裕があった。

 今日は雲ノ平パーティと一緒の行動、宮田さん先頭にゆっくり登っていく。蒸し暑く、汗を大量に掻きながらの登りとなる。途中にある5年前にも見たア○レちゃんの看板はまだ健在だった。三角点を過ぎると、やがて石畳の緩やかな登りになり、薬師岳が視界に入ってきた。思ったより視界はいい。振り返るとニッコウキスゲの群落の向こうに有峰湖も望むことができた。ちょうどお昼ぐらいに太郎平に到着。太郎平からは水晶岳などの雲ノ平を囲む名峰群の眺めを楽しむ。曇りで何も見えないかもしれないと思っていただけに、この景色をまた見れてうれしかった。

 昼食後、健脚組は薬師岳を往復することになった。薬師平でテン泊の石川さんと合流後、フルスロットルでガンガン登る。全力で息を切らして登るのは久し振りだ。このスピードに2人脱落して4人が薬師岳の山頂へ到達。途中ガスられていたが山頂では雲がとれ、展望を楽しむことができた。下りも途中から雨の気配が強くなってきたので、徐々にペースアップして太郎平小屋に帰着。予定外に薬師岳を踏むことができて、まずは充実の1日目だった。

7/25 太郎平小屋(5:50)→神岡新道分岐(7:15)→北ノ俣岳(7:25)→赤木岳(8:10)
→五郎の肩(10:10)→黒部五郎岳(10:20)→黒部五郎小屋(12:10)
 朝から濃いガス。出発してすぐの分岐で雲ノ平パーティと明日の再会を約して別れ、北ノ俣岳への登りにかかる。北ノ俣岳までは緩やかだが、道は深くえぐれてしまっているところが多い。辺りは時季は過ぎているがチングルマなどのお花畑だ。北ノ俣岳山頂周辺にはハクサンイチゲの大群落があった。晴れでないのが惜しまれる。北ノ俣岳から赤木岳の間も相変わらずのガスの中で展望は効かず、とりあえず進んでいくしかない。風もだんだん強くなってきて、赤木岳を過ぎるころにはついに雨が降り出し、先週に続いて雨具を着けるはめになった。五郎の肩までの急登は横殴りの雨と風の中、無心で登りました。

 五郎の肩に到着し、せっかくだから山頂は踏んで行こうと空身で往復。証拠写真だけ撮って早々に肩まで戻る。この風雨ではガスは濃くとも稜線ルートよりカールルートの方が安全と考え、カール側に下る。この辺が今回の山行のハイライトのはずだったのだけれど何も見えない。濡れ鼠になって黒部五郎小屋に到着。暖かい談話室でラーメンを食べてやっと落ち着いた。小屋周辺はコバイケイソウの群落が見事だったが、風雨強く外に行く気にならなかった。

7/26 黒部五郎小屋(5:40)→黒部乗越(7:00)→三俣山荘<駒崎鷲羽岳往復>(8:00/11:30)
→双六巻道分岐(12:20/12:25)→雪田末端(13:10/13:20)→双六小屋(14:10)

 ガスは濃いが雨は止んでいる。小屋を出発してすぐ樹林帯の急登。団体で渋滞しているが、急ぐわけでもないので後からゆっくり登って行く。黒部乗越の分岐まで来て、トラバースルートは残雪が多いとの情報を得ていたので、視界が悪いので山頂経由で行こうかとも考えたが、三俣山荘側からけっこう登山者がやって来るので予定通り進む。2か所ほど雪田の横断があったがルートはしっかりマーキングされており問題なかった。

 三俣山荘までは雨に降られることなく到着。ここで駒崎さんは鷲羽岳を往復。私は以前、好天の下、山頂を踏んでいたので登頂にこだわりはなく、雨も今にも降り出しそうだったので山荘で待つことにした。伊藤正一さんのかけるクラシック音楽を聴きながらコーヒーをいただき、ちょっと優雅な時間を過ごした。

 3時間程して雲ノ平パーティと合流。駒崎さんも山頂で首尾よく合流できたようだ。昼食においしいカレーをいただき、ここからはまた合同パーティで双六小屋へ出発。稜線ルートはこの天気では危険なので、巻道ルートを取る。カールの雪渓とお花畑はさすがに綺麗でした。

 大嶋会長のお出迎えを受けて双六小屋に到着。これで13名全員集合です。部屋は角の大部屋が割り当てられ快適だった。談話室の一角を占拠して夕食まで楽しい宴会は続いた。外は相変わらず風雨ともに強かった。

7/27 双六小屋(7:00)→弓折岳分岐(8:10/8:15)→鏡平山荘(8:55/9:15)
 →秩父沢(10:40/10:55)→わさび平小屋(11:45)→新穂高温泉林道ゲート(13:00)=折立
 =熊谷

 夜中の3時頃から物凄い風と雨の音。起床後ラジオをつけると下呂温泉方面に大雨洪水警報とのこと。我々の下って行く方向ではないか!稜線を無事通過できるのか、秩父沢は渡れるのか心配だ。大丈夫としても有峰林道はほとんど通行できる見込みはないのではないか。最悪宮田さんと富山でもう1泊を覚悟して出発する。

 幸い、稜線では風はそれほど強くなく、秩父沢の橋も流されていなかった。去年同様川のようになった道を下っていく。わさび平小屋ではあたたかいうどんを食べて、13時に無事新穂高温泉林道ゲート着。すでに待っていてくれたジャンボタクシーに乗り込み、双六往復パーティに別れを告げて有峰林道へ向かう。

 有峰林道は通行可と聞いていたが、途中の電光掲示板には通行止めの表示。ゲートまで行って確認すると、現在道路状況の確認中で、確認が終わり次第通行止め解除になると聞いてひと安心。待っている間にコーヒーを沸かしていたら、わりとすぐゲートが開き、広げた荷物を急いで車に放り込んで再出発。無事折立に着くことができた。

 先週に続いて雨でいまいちでしたが、薬師岳に登れてよかったです。  (木村記)




B隊 新穂高温泉から双六岳往復

期  日:2009年7月25日(土)〜27日(月)
参 加 者:CL大嶋、SL新井、川辺、滝沢、杤原

行動記録:
7/25 熊谷(3:20)=新穂高温泉P(7:30/8:20)・・・わさび平小屋(9:40/10:00)・・・秩父沢(11:30/11:40)・・・シシウドが原(13:10)・・・鏡平山荘(14:20/泊)

7/26 鏡平山荘(5:40)・・・弓折乗越(6:50/7:00)・・・双六小屋(8:15/8:45)・・・双六岳(10:05/10:15)・・・ 双六小屋(11:15/泊)

7/27 双六小屋(7:00)・・・弓折乗越(8:15/8:20)・・・鏡平山荘(9:00/9:15)・・・秩父沢(10:45/10:50)・・・わさび平小屋(11:55/12:10)・・・新穂高温泉(13:05)==(風呂、昼食)
==熊谷(19:30)

  3日間とも雨に見舞われてしまいました。ガイドブックが謳う「鏡平の池面に影を映す」槍・穂 高も、「双六岳から広大で丸い尾根を全景にした」槍ヶ岳も一切、その輪郭すら望むことは出来ま せんでした。

  7/25
 雨はわさび平小屋を目前に、早くも降り始めました。鏡平までと、余裕を持った計画だったので、傘を差してのんびりと左俣林道から小池新道を辿りました。鏡平の木道に出ると、雨は強くなりました。池は激しく水面が波立つほどで、鏡平山荘へ駆け込みました。

  7/26
 弓折岳稜線からは風も強くなり、出発から手にしていた傘はザックに納めました。一服と双六小屋に立ち寄ると、早くも部屋に通してくれると言います。見晴らしもきかず、風雨の吹き付ける中を双六岳まで往復予定の身には、大きな誘惑でした。

 果たして双六岳の頂稜は、風が吹き荒れていました。降雨があるにもかかわらず、レインウェアの雨滴は全て吹き飛ばされ、乾いてしまったかのように感じるほどです。頂上を踏むと写真も撮らず、早々に引き返しました。

 小屋入りした後は、この荒天に、他パーティーの行動を心配していましたが、予定どおりに迎え入れることが出来ました。

  7/27
 打ちつける雨音に何度か目を覚ましました。その度に風雨は激しくなるようでした。初日に渡った数本の沢を渡れなくなるようなことはないのだろうか、などと不安に感じ、眠りは浅くなりました。

 全員でのミーティングで、情報収集に奔走したリーダーから本日の下山計画が示されました。乾ききらないレインウェアにまた袖をとおし、出発しました。通過が懸念される秩父沢までは、3パーティーは一緒に行動しました。無事に秩父沢を渡り終えると、安堵し、私達パーティーはのんびりと歩き始めました。 (杤原 記)