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上州武尊西俣沢 沢登り


山域山名:上州武尊山・西俣沢(群馬県)
日  程:2010年9月18日(土)
メンバー:L木下、浅見(計2名)

行動記録:7:30武尊牧場スキー場駐車場→8:00入渓点→12:20チョックストン滝→
16:00稜線→18:30スキー場上部→19:20スキー場駐車場

 上州武尊東面にある西俣沢で沢登りをしてきました。この沢は今年の2月に源頭部をスキー滑降しており、無雪期の状態を一度見てみておきたいという動機もありました。

 武尊牧場スキー場の駐車場へ車を駐め、車道を少し戻った所から沢右岸の林道へ入る。林道入り口には釣り師と思われる車が何台か駐まっていた。林道を30分ほど歩くと徒渉点に到着。この先の登山道は荒れているようなので入渓とした。水量は中程度で、長い年月をかけて磨かれた花崗岩のナメが美しい。ウォータースライダーにぴったりの小滝もあったが、さすがにこの時期では濡れたくない。間もなく橋の跡に到着。橋本体は跡形もなく、立派な石垣だけが残っていた。ここから小滝をいくつか超えていくが特に難しいところはない。シロビレ沢の分岐で先行していた釣り師に追いついたため、ここで小休止とした。間もなく釣り師は引き返してきたため腰を上げる。水量が少ないからか釣果はなかったとのことだが、そもそもこんな小さな沢で毎週末のように釣られていたら、岩魚はすぐに居なくなると思う。すぐに釣り師が引き返した5m位の垂直滝に到着。右岸から高巻いたが、足場が悪いので念のためにザイルを出した。その後、小滝とナメが次々と現れる。滝は落差の無い物でも立派な釜を持っていたが、難なくへつる事ができた。

 やがて、この沢の核心であるチョックストン滝に到着。轟音を立てて垂直に落ちる滝の両岸はのっぺりとしたスラブが立っており、とても登れそうにない。記録では少し手前から側壁をトラバースしているが、左右共に草付のいやらしい斜面で取り付くのはあまり気乗りがしない。そこで一段小滝を降りたところから、右岸を大高巻きすることにした。笹を掴んで樹林帯まで上がり、滝上に出た辺りから懸垂下降を行う。40mザイルを使ったが長さがわずかに足りず、途中で1ピッチ切らなくてはならなかった。その後、徐々に水量を減らしつつ小滝が続いたが、流木が目立つようになり渓相は貧弱になっていった。

 左右の斜面が低くなり源頭の雰囲気が出てきたところで藪漕ぎに突入する。丈の高い熊笹をかき分けかき分け進むが、予想以上に手強かった。ここでかなりの時間をロスし、中ノ岳から伸びる稜線へ立ったのは、予定より大幅に遅れて16時であった。家ノ串から中ノ岳にかけて広がる西俣沢源頭は一面が熊笹で覆われた滑らかな斜面で、雪がつけばどこでも滑れそうである。9月も中頃になると、早くも日が落ち始めている。休憩もそこそこに下山を開始。登山道はぬかるんで田んぼのようになっている場所もあり、沢靴で下ったのは正解であった。空に光はまだあるのだが樹林帯の中は一足先に暗くなり、避難小屋の先でヘッドランプを取り出した。武尊牧場に到着した時はもう真っ暗になっていた。期待していたリフトはとっくに止まっており、仕方なくスキー場内の車道を下ったが、疲れた足には堪える物であった。

 西俣沢は行程が長く、高巻きと藪こぎで時間がかかってしまった。きれいなナメや釜を持った滝が沢山あり、マイナーながら良い沢であった(もう行かないと思うけど…)。
                                  (木下記)