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立山〜笠ヶ岳縦走


山域山名:立山〜笠ヶ岳(富山県、長野県、岐阜県)
期  日:2010年8月8日(日)〜12日(木)
参 加 者:島野聡、栗原昌(計2名)

行動記録:

8/8(日):室堂2430m(8:35)〜浄土山2830m(9:55)〜富山大学研究室2840m(10:05/:15)
〜獅子岳手前のコル2600m(11:20/:35)〜獅子岳2714m(11:55/12:05)
〜ザラ峠2348m(12:50/13:05)〜五色ヶ原山荘(13:55/14:15)〜テン場2400m(14:30)

8/9(月):テン場2400m(5:50)〜鳶山2616m(6:45)〜越中沢岳手前2400m(7:30/:45)
〜越中沢岳2590m(8:25)〜スゴの頭2400m(9:30/:45)〜スゴ乗越2140m(10:15/:25)
〜スゴ乗越小屋2270m(11:05/:35)〜間山2585m(12:50)〜山頂手前2660m(13:20/:40)
〜北薬師岳2900m(14:45/15:00)〜薬師岳2926m(15:50/16:00)
〜薬師岳山荘2700m(16:40/:55)〜薬師峠2294m(17:40)

8/10(火):薬師峠2294m(7:35)〜太郎平小屋2320m(7:55/8:15)〜2338m(8:30/:35)
〜北の俣岳2661m(9:50/10:05)〜2578m(11:35/:55)〜黒部五郎岳2839m(13:00/:25)
〜2630m(14:20/:30)〜黒部五郎テン場2350m(15:15)

8/11(水):黒部五郎テン場2350m(5:35)〜三俣蓮華岳2841m(7:10/:30)
〜双六岳2860m(8:25/:35)〜双六小屋2550m(9:15/:50)〜大ノマ乗越2450m(11:15/:25)
〜秩父平2530m(12:35/:55)〜抜戸岳2812m(13:50)〜笠ヶ岳山荘2810m(15:05/:30)
〜笠ヶ岳2899m(15:40/:50)〜笠ヶ岳山荘2810m(16:00/:15)〜テン場2750m(16:25)

8/12(木):テン場2750m(2:25)〜笠新道分岐2770m(3:40)〜杓子平2500m(4:40/5:05)
〜笠新道2000m(6:20/:35)〜笠新道1750m(7:25/:35)〜左俣林道1370m(8:05/:10)
〜新穂高温泉1100m(9:10)
 

8/8(日)
 晴れ。早朝第2便のケーブルカーに乗込み室堂へ。8時室堂着。雪ももうすっかり溶けて夏山の雰囲気。しかし真夏とは思えないほど涼しい。半袖半ズボンだと寒いくらいだ。ハイカーと観光客でごった返すターミナルを後に、長い長い縦走の始まり。今日は足慣らしに五色ヶ原までの短い行程。まず浄土山へ一登りして、その先の富山大学研究室の前で小休止。研究室は新しく立て替えている途中だった。その後竜王岳、鬼岳を巻き、獅子岳山頂を経て一気の下りでザラ峠へ到着。小休止しているとトレイルランニングの格好をした人がちらほらと足早に過ぎていく。聞けば今日が日本海から太平洋に抜けるトレラン大会の初日とのこと。どんな体力と気力なんだと感心するやらあきれるやらで、道を譲りながら声援を送った。中には女の子もいてビックリ!
 五色ヶ原は辺り一面のお花畑。ピークは7月とのことだが、それでもお花が所狭しと咲き乱れておりとても綺麗だ。さずが花の名所。写真を撮りながらのんびり木道を歩く。程なく五色ヶ原山荘に到着。すかさずビールで乾杯!その後15分ほど歩いてテン場に到着。
小屋で買ってきたビールと担いできたワインで宴会して、酔いが回ってきた頃就寝。

8/9(月)
 晴れ。少し寝坊して3時半起床。6時10分前に出発。今日は今回の核心ルートの薬師越え。長い道のりなので余り長めの休憩を取らずに行くことにする。テン場から小屋まで戻り、まずは鳶山までの登り。立山カルデラの不思議な地形を眺めながら歩く。はるか遠くに笠ヶ岳が見え、あそこまで歩くのか〜とちょっと途方にくれるが、一日一日を計画通りにこなしていけば4日後には着くはず。越中沢岳の手前で燃料補給して、ピークは記念写真を撮っただけでスルー。山頂にはたくさんのハイカーがいた。ピークからしばらく岩場の険しい下りが続き、一人ずつしか通れない場所もいくつかあったが、他の人達を山頂で追い越したので順番待ちをせずにスムーズに通り過ぎることが出来た。コルをへてスゴの頭で小休止。スゴ乗越小屋の赤い屋根がすぐ近くに見えるが、ここからさらに下ったり登ったりでなかなか着かない。11時過ぎに小屋に到着。すでに1日分歩いた感じだが、まだここで半分。仕切り直してもう半分の道のりのために気合を入れる。ビールでエネルギー補給して出発。

 間山までは単純な登りが続く。山頂では今年生まれたばかりの雷鳥の親子が2組仲良く餌を探していた。そのあどけない姿に疲れを癒される。この後すぐににわか雨が降って来る。なるほど、だから雷鳥が顔を出したのか。休みついでにカッパを着るが、着るや否や止みやがった。ブツブツ云いながらまた脱ぐ。

 北薬師から薬師までの稜線は山スキー的によだれが出そうな好斜面が山を挟んで両側に広がっていて、滑った経験のある島野氏にいろいろ解説を賜りながら妄想を膨らませる。薬師山頂でもう4時前。社に御参りを済ませ、記念写真を撮って足早に下る。途中薬師岳山荘でビールを調達し、日が傾き始めた薬師平を経て5時半過ぎに薬師峠テン場到着。今日は歩いた〜!もうバテバテです。6時までやっているテン場の出張受付&売店で冷えたビールを買って乾杯!すぐにテントを張ってもぐりこむ。今日は飲欲・食欲よりも睡眠欲が勝り、宴会もほどほどにすぐに就寝。目をつぶって10秒で落ちました。


8/10(火)

 晴れのち雨。この日は比較的楽な行程。昨日の疲れも残ってか、遅めの5時起床。7時半出発。歩いて10分ほどの太郎平小屋で身支度を整える。北の俣岳までは穏やかな稜線が続く。この辺りも山スキーで滑ってみたい好斜面が広がっており、再度島野氏に解説してもらいながらのんびり歩きを楽しむ。北の俣岳で小休止。何度トライしても繋がらなかった電話がやっとつながり、熊トレメールを入れる。結局メールが送れたのはここだけだった。ここから赤木岳までの稜線沿いには赤木沢を遡行してきた沢パーティが何組も詰めて来ていた。この沢にも行ってみたい。中俣乗越を越えるといよいよ本格的な登り。一登りした2578m三角点で昼食を取る。それから1時間の急登の末、黒部五郎岳に到着。熊トレに入会した年に山スキーで来て以来の久々の山頂です。しかしこの頃からガスがかかってきて、残念ながらあまり展望は無かった。記念写真を取った後、山頂から稜線ルートで黒部五郎小屋を目指す。時折ガスの切れ間からカールがその姿を覗かせてくれたが、天候は間違いなく下り坂。程なく雨が降り出し、本降りになってきたのであわててカッパを着る。稜線ルートは岩ゴロゴロで思った以上に時間が掛かってしまった。今回の趣旨からいくとカールルートの方がお花畑も見れて良かったかと少し後悔する。土砂降りの中黒部五郎小屋に到着。しばし小屋でビールを飲みながら雨が止むのを待つが、雨脚は一向に弱まらないので、あきらめて雨の中テントを張る。夜になるとようよく上がった。今日も宴会して就寝。


8/11(水)

 曇り時々雨。今日は笠ヶ岳までの長い道のり。急ぎ足で準備を済ませ5時半過ぎに出発。まだ雨は落ちてきていない。三俣蓮華岳までは急登だったが、早い時間だからか、そんなに疲れることも無く7時過ぎに到着。2度目の朝食を取って双六岳に向けて出発。細かいアップダウンを何度か繰り返して双六岳に到着。写真だけを撮って長居せずすぐに出発した。山頂を発ってすぐに雨が落ちてきたのでカッパを着る。双六の稜線は広くて平らなのでガスっていたら迷いそうだ。1時間足らずで双六小屋に到着。小屋で天候の情報を聞くと台風4号が近づいて来ているようで、明日の昼頃にかけて再接近するようだ。どうするか迷ったが、いざとなれば小屋に泊まろうということで予定通り笠を目指す。鏡平への分岐まではハイカーの姿も見えたが、そこを過ぎるとほとんど人に会わなかった。我々もこんな機会でも無ければこの稜線を歩くことはないだろう。貴重な稜線歩きだが運悪く何も展望が無い。大ノマ乗越で小休止をはさみ、視界の無い雲の中を黙々と歩く。次第にまた雨が落ちてきた。雨の中秩父平で昼食を済ませ、険しい岩場を越えて2時前に抜戸岳到着。ピークは数十メートル上で山頂までの道もあったが、割愛して先を急ぐ。ここから1時間余り歩いて3時過ぎに笠ヶ岳山荘に到着。小屋で一杯飲んだ後、荷物をデポして山頂へ。15時40分に笠ヶ岳山頂に到着。とうとうやり遂げました。はるか遠くに見えた山のてっぺんを踏みしめて感無量です。しかし悲しいかな、展望は全く無し。そういうわけで長いは無用。記念写真を撮ってすぐに下山する。小屋で水を分けてもらってテン場まで戻って設営。広々としたいいテン場だ。最後の晩も宴会で就寝。


8/12(木)

 雨。予報では午前中に台風が再接近するらしい。台風の影響が出過ぎないうちにテントを撤収したかったので予定より2時間繰り上げて、素早く準備を済ませ、2時半に出発。ヘッドライトとGPSを頼りに歩く。コースタイム以上にたっぷり時間をかけて慎重に下山して、明かりがいらなくなってきた頃、杓子平に到着。ここまでくればもう風の心配も無い。取っていなかった朝食をここで取る。これから先は嫌というほど下りが延々と続き、道も悪いのでペースは上がらない。一回の小休止を挟んで下り飽きた頃に林道へ到着。5日ぶりの下界だ。下では登るべきか否か迷っているパーティが数組いたが、我々が早々に降りてきたのを見てあきらめたようだ。長い林道を歩いて9時過ぎに新穂高に到着。

 まともな服に着替えて最後にまた乾杯!やり遂げられた充実感に満たされた一杯でした。

 その後はバス→バス→地鉄と繋いで立山駅に戻り、車を回収し帰路へ。

 久々の長期縦走は何事も無く無事にやり遂げられて、またこんな機会でもないと行くことも無い笠ヶ岳とその稜線を歩けて、充実感で一杯の山行でした。後半雨に降られて展望が無かったのが残念です。                    (栗原昌記)