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剣岳早月尾根ワンデイ

アルバム

山域山名:北アルプス・剣岳(富山県)
期  日:2010年9月11日(土)
参 加 者:宮田(単独)

行動記録:北本(18:00)=有磯海SA仮眠=馬場島(3:50)
馬場島760m(4:30)→1000m標識(4:55)→1200m標識(5:24)→1400m標識(5:53/6:00)→
1600m標識(6:05)→1800m標識(6:29/6:40)→1920m三角点(6:50)→2000m標識(7:05)→
早月小屋2200m(7:34-7:45)→2400m標識(8:08)→2600m標識(8:32)→鞍部(8:41/8:50)→
2800m標識(9:12)→剱沢分岐(9:41)→2999m剣岳山頂(9:47/10:30)→
2200m早月小屋(12:03/12:15)→760m馬場島(14:34)

<天候:晴れ後くもり>

 この夏、最後の課題としていた剣岳早月尾根からの日帰り登頂。7月の同じく日本屈指といっていい甲斐駒黒戸尾根ワンデイ、8月の烏帽子針ノ木縦走、中央アルプス北部縦走とも、この剱のためのトレーニングだった。

 前夜、関越道経由でわざわざ遠回りして小千谷片貝祭りの花火を見るため、山北PAで1時間ほど見物。9時ちょうどに上がったドデかい三尺玉を見てから富山へ移動する。有磯海SAで3時間ほど仮眠。起床後、うどんをすすって、真っ暗な馬場島へ。

 4:30馬場島登山口発。まだ真っ暗、ヘッドライトとLED小型ライトふたつを照らして歩く。最初はいきなり急登だが、すぐに傾斜は緩んで平坦地を行く。初めての早月尾根なので、地形がさっぱり分からない。4:55に1000m標識。5時を過ぎると、空が明るくなってきた。5:24に1200m標識。1400m標識で小休止(5:53-6:00)。ヘッドライトをザックに入れる。6:05に1600m標識。どうも標識の標高はかなりいい加減である。このあとGPSで確認したら、だいたい20〜40mは標高が違っていた。ほとんどは勇気づけるためか、実際より低い位置に立っていた。



 1800m標識で朝食のおにぎりを食べる(6:29-6:40)。その脇をトレイルランナーが2人が追い抜いていった。今日見たまともなランナーはこの2人のみ。さすがに剣岳はレベルが高いのか。この辺りにくると樹木も低くなり、展望もきく。朝陽に照らされた富山市街がよく見える。ブナクラ谷対岸の猫又山の稜線がいい。6:50に1920m三角点。7:05に2000m標識。小屋手前の2224mピークに立つと、圧倒的な剣岳西壁が迫って、感動的な景色だった。

 7:34に早月小屋2200m(-7:45)。約3時間といいペースでここまで来た。土曜早朝とあって、小屋にいた登山者はまばらだった。ここで会った20歳代の若者2人と前後するように山頂まで行くことになる。山頂までまだ標高差800mもある。早月小屋から先は岩場を想像したが、お花畑の草地もあって穏やかな尾根だ。

 8:08に2400m標識。もう森林限界を超えたので、眺めも抜群にいい。奥大日岳北面にカールがあるなんて知らなかった。小窓尾根のマッチ箱、小窓ノ頭から小窓ノ王、去年GWに立った三ノ窓、その右にあるのはチンネか、剱尾根を突き上げた長治郎ノ頭、そして剣山頂と素晴らしい北方稜線の景色が目の前にある。いつかは北方稜線を歩いてみたい。東大谷から吹き上がる冷たい風は、もう秋山であった。8:32に2600m標識。



 鞍部で休憩(8:41-8:50)。ここからが岩場の登り。手袋装着。朝のトレイルランナーとすれ違う。山頂は剱沢方面の登山者が30名位いていっぱいらしい。それに比べて、何と早月尾根は静かなことか。9:12に2800m標識。ここからの剱はまさに岩の殿堂の風格たっぷりだ。9:27に獅子岩トラバース通過。平らな岩が濡れていたら嫌らしいが、今日は難なく通過。カニのはさみの鎖もいつの間にか過ぎてしまったらしい。南側に回り込んで鎖場を通過したら、分岐の標識が目の前だった。9:41に剱沢分岐。


 ついに9:47剣岳山頂2999mへ。いやー、立ちました。標高差2200mを登った頂きは、達成感も大きい。登り初めてから6時間は切りたいと思っていたが、5時間17分で到達。これもトレーニングの成果でしょう。富士山、南中央アルプス、すべての北アルプスの峰々が見える。剱沢もやっと草紅葉が始まったようだ。しばし昼食を取りながら、ゆっくり景色を眺める。ちょうど、剱沢からの登山者の喧噪が去ったあとで、山頂には数人しかおらず、静かな山頂タイムを楽しめた。

 10:30に剱山頂発。鎖場を通過し、2600mピーク下辺りから登りの登山者とすれ違うようになる。なかには日帰り狙いもいたが、皆、消耗度が激しかった。生半端な体力では、厳しいということでしょう。眺めのよい2470mで剱本峰を目に焼き付ける。このあと、すぐに剱は霧の中に入ってしまった。

 12:03に早月小屋(-12:15)。小屋のオヤジさんと話をしながら、冷たいカルピスウォーター1本を飲む。あとはひたすら下るのみ。1800m辺りから、いつもの膝痛が始まり、一気にペースダウン。予備のサポーターを装着するが痛みは一向に治まらず、このあとは痛みを騙すように休み休み下る。最後は左膝を引きずるように馬場島へ。

 14:34に馬場島着。行動時間10時間4分。惜しくも10時間は切れなかったが、これが今の自分の登山脚力でしょう。写真におさめたいと思っていた「試練と憧れ」の前で記念写真を撮って剣岳をあとにした。


 登った感じでは、甲斐駒黒戸尾根の方がアップダウンが多い分、体力の消耗度は大きい気がする。でも、剱の方が森林限界が低く、気象条件も激しいので優劣はつけがたいか。今夏の課題をすべて成し終えて、今は満足感でいっぱいである。 (宮田記)