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槍ヶ岳は断念するも北アルプスを大縦走
立山〜薬師岳〜雲ノ平

アルバム  


山域山名:立山・薬師岳・雲ノ平・三俣蓮華岳
期  日:2012年8月9日(木)〜13日(月)
参 加 者:L新井浩 駒崎 木村

行動記録:

8/9 東松山(21:00)=扇沢(25:00)

8/10 扇沢(7:30)=室堂(9:10/9:30)→展望台(10:15/10:30)→浄土山(11:00)
→富山大学立山研究所(11:20/11:30)→鬼岳・獅子岳間鞍部(12:40/12:55)→獅子岳(13:25)
→ザラ峠(14:20)→五色ヶ原山荘(15:05/15:20)→五色ヶ原キャンプ場(15:40)
<天候:晴れ時々曇り>

 仕事が終わった後、急いで帰宅し、駒崎邸に午後9時前に到着。一路扇沢に向かう。順調なドライブで午前1時扇沢に到着した。駐車場はそれなりに駐車スペースが残っており、無事テントを張る事が出来た。

 翌朝、朝食を済ませた後、車回送業者の待機場所に移動する。今回は上高地へ下山の予定なので、車を沢渡に回送した方が効率が良く、回送費用も3人で割ればリーズナブルとの判断である。トロリーバスの始発7時半の便に乗り、室堂には9時過ぎに到着した。

 さあ、いよいよ長い縦走の始まりだ。まずは浄土山への登り。久しぶりの重荷が肩に堪える。室堂山の展望台からは、遥か彼方の最終目的地である槍ヶ岳まで目指す峰々が全て見渡せ、長い道のりであることを改めて実感する。浄土山山頂に到着後、研究所の分岐で立山三山・剱岳の景色を楽しみながら小休止。その後の龍王岳・鬼岳は巻いて通過する。

 途中雪田があるが、トレースはしっかりしており通過に特に問題は無い。獅子岳でも展望を楽しんで、ここからザラ峠へ一気に下る。この頃からガスが湧いてきて、峠から登り返して五色ヶ原に着くころにはすっかりガスに包まれてしまったが、辺りは一面のお花畑でチングルマ・ハクサンコザクラ・ハクサンイチゲ等が咲き乱れていてとても綺麗だった。

 五色ヶ原山荘でテント泊の受付を済ました後、キャンプ場へ向かう木道の周りも先ほどにも増してのお花畑だったので、写真を撮りながらのんびり歩いてキャンプ場に到着した。キャンプ場もお花畑の中で、水場・トイレもあり、とてもよいテン場である。テントは先日購入した五角形のワンポールテントで、きれいに張るには若干コツがいる。夕刻にはガスが晴れ、裏銀座の稜線の景色を眺めながら夕食を食べた。




8/11 五色ヶ原キャンプ場(4:25)→鳶山(5:20)→越中沢乗越(6:00/6:20)
→越中沢岳(7:10/7:30)→スゴの頭(8:30/8:50)→スゴ乗越(9:20)
→スゴ乗越小屋(10:05/10:35)→間山(11:50/12:05)→北薬師岳(13:45/14:00)
→薬師岳(15:00/15:25)→薬師峠(17:10)
<天候:曇り一時雨>

 今日は今山行の核心部、薬師岳越えの12時間の長丁場だ。2時半に起床し4時半前に出発した。朝からガスに包まれており、展望は残念ながら無い。鳶山までは緩やかな登り。越中沢乗越までは一気に250m程下って、越中沢岳にまた緩やかに登り返す。越中沢岳山頂ではガスが晴れてきて、薬師岳、赤牛岳などが望めた。ここからまた300m程急坂の下り。今日の行程はアップダウンが激しく大変だ。スゴノ頭まで登り返して振り返ると、越えてきた越中沢岳が中々立派だ。一方で、前方に目を転じると薬師岳へと続く稜線はまだまだ長い。スゴ乗越までまたまた急坂を下って、もう一つアップダウンを繰り返し、スゴ乗越小屋に到着した。

 小屋では薬師岳の登りに備えて中休止。スゴ乗越小屋は静かで中々雰囲気の良さそうな小屋で、泊まってみたいとも思ったが、今日は先を急がなければならない。間山までは単調な登り。所々で高山植物の群落もあり、癒される。この頃には雨がパラパラと降り出したが、幸い本降りにはならずに済んだ。間山からも登りをひたすら頑張り、北薬師岳に到着した。北薬師岳から薬師岳の間は細い稜線を行く。金作谷カールをはじめとして見事なカール地形が眼下に広がっており、山スキーで来れたなら楽しそうである。

 薬師岳山頂には3時着。やっとここまでたどり着きました。これで今日はもう登らなくてよいが、薬師峠まではまだひと頑張りしなくてはならない。ところが、長い行程のためか木村の右膝に痛みが出て大きくペースダウン。痛みをこれ以上悪化させないよう慎重に歩を進めてやっとのことで薬師峠のキャンプ場に到着した。到着が遅かったためあまり良い場所が残っていなかったが、何とかテントを張って夕食を済ませ、就寝。




8/12 薬師峠(5:15)→太郎平小屋(5:40)→薬師沢小屋(7:50/8:10)
→アラスカ庭園(10:05/10:25)→アルプス庭園→雲ノ平山荘(11:50/12:35)
→黒部川渡渉点(15:15/15:25)→三俣蓮華岳キャンプ場(16:05)
<天候:晴れ>

 昨晩の天気予報からは今回もガスの中の雲ノ平かと思っていたが、明るくなって外に出てみると天気は快晴。黒部五郎岳、北ノ俣岳が朝日に輝いている。予報が良い方に外れてくれてラッキー。膝の痛みも問題無さそうだ。

 まずは太郎平小屋まで進み、分岐を薬師沢へと進む。最高の天気の中、薬師岳の大きな山容を左手に眺めつつ木道を歩いて行く。薬師沢小屋には2時間ほどで到着。小屋は結構賑わっていた。

 小屋前のつり橋を渡って雲ノ平への登りに取り付く。大きな岩がゴロゴロしている急登で思いの外きつい所である。2時間ほど頑張ると木道の末端に出て登りは一段落。そこから少しで最初の庭園であるアラスカ庭園に着いた。薬師岳・水晶岳・三俣蓮華岳・黒部五郎岳と周囲をぐるりと名山に囲まれ、やはり雲ノ平の景色は最高である。前回このコースで訪れた時は曇りだったので、青空の下この景色を楽しめるのは新鮮な感動がある。写真を撮りながらゆっくり進んで、祖母岳との分岐に荷物をデポしてアルプス庭園へ。ここからの雲ノ平山荘越しの水晶岳もまた自分のお気に入りの風景だ。景色を存分に楽しんだ後、雲ノ平山荘へ。中に上がって昼食にうどんを注文する。山荘は、外観は以前の雰囲気を継承しつつ新築され、とても快適になっていた。

 昼食後、再出発する頃、黒い雲が流れてきて夕立に降られるかと思ったが、天気はその後も崩れず。雲ノ平キャンプ場から直接祖父岳に向かうルートは通行禁止となっていたので、スイス庭園経由で祖父岳分岐へ。ここからは間近に迫る水晶岳の雄姿が素晴らしい。祖父岳には登らず、巻いて黒部源流への下りのルートへ。今日も行程の後半になって疲れてくると、下りで膝が痛むようになってきたので急坂を慎重に下る。源流の景色も初めて見たので印象的だった。渡渉点にはロープが渡してあり難なく通過。あとは三俣キャンプ場までの登り返しをひと頑張りで到着した。

 このキャンプ場も水場はあり、鷲羽岳が目の前に大きく広がる景色抜群のよいテント場である。(トイレは山荘まで行かなくてはならないのが少々面倒ですが)三俣山荘前からは槍ヶ岳もバッチリ見えた。テント前で鷲羽岳を肴にビールで乾杯した。今日は一日本当によい天気でした。





8/13 三俣蓮華岳キャンプ場(5:35)→三俣蓮華岳(6:25)→双六小屋(8:10/9:00)
→鏡平山荘(10:40/11:15)→秩父沢(13:00)→わさび平小屋(14:05/14:35)
→新穂高温泉(15:35)=平湯=沢渡=東松山
<天候:雨時々曇り>

 朝から濃いガス。眼鏡紛失騒ぎもあって予定より30分遅れでキャンプ場を出発した。雨も出発時には本格的に降り出した。まずは三俣蓮華岳へ。標高が上がるにつれ風も強まり、立ち止まると結構寒い。山頂は写真だけ撮って通過。出発の遅れもあり、双六岳は山頂を経由せず中道ルートを通って双六小屋へ。小屋の入口では悪天候のため今後の行程をどうするか思案中の登山者が多数。我々も今後の行動を協議する。天気予報を見ると明日も天気が良くなる見込みなし、この気象条件で槍までの稜線で長時間風雨にさらされるのは危険と判断。槍ヶ岳はあきらめ、それであれば本日中に下山出来るので下山してしまおうという事になった。

 ホットドリンクを頼んで体を温めた後、下山開始。鏡平山荘で昼食を摂り、わさび平小屋での休憩以外は一気に下って新穂高温泉へ。以前あったバスターミナル前の売店は取り壊され、バスはロープウェイの所まで入るようになっていた。この後はバスを乗り継いで沢渡に戻り、温泉と夕食を済ませて埼玉に帰着したのは午前0時間際だった。

 槍ヶ岳には登頂できず残念でしたが、それでも長大なルートをトレースでき、また青空の雲ノ平を満喫できて充実の山行でした。               (木村記)