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宮之浦岳・開聞岳・韓国岳
名山と名湯と‘飲食鉄’旅を楽しんだ
南九州遠征


屋久島その1  屋久島その2  南九州
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山域山名:屋久島・宮之浦岳、薩摩・開聞岳、霧島連峰・韓国岳(鹿児島県)
期  日:2012年9月12日(水)〜18日(火)
参 加 者:L宮田、豊島、富田(計3名)

行動記録:
9/12(水)
 高崎線始発電車JR各駅=上野(6:16)=浜松町(6:42)=
羽田空港(7:04/JAL1863便/8:05)=鹿児島空港(9:45/JAC3745便/11:00)=屋久島空港(11:40)=
宮ノ浦散策&買い出し=尾之間<四季の宿尾之間泊>
<天候:くもり時々晴れ、にわか雨>

 台風16号発生のニュースを聞きながら篭原始発で出発。ラッシュにもまれながら羽田第一ターミナルに到着。搭乗手続きに慣れた二人の後について搭乗ゲートにたどり着きほっと一息。まだ始まったばかりなのに。

 7時50分搭乗。一番後ろの座席!人にも翼にも邪魔されない。8:25離陸、大きく左旋回し10分ほどで、富士山がカーテンのような雲から現れる。山頂は粉を掛けたようにうっすら白い。初冠雪だ! 大井川、伊勢湾、…景色に夢中になっているうちに鹿児島空港に到着。30分ほど遅れてプロペラ機(30人乗り?)に乗り換え屋久島に向かう。

 屋久島空港は、曇り時々雨。飛行機と、のどかな空港を写真に納める。オリックスレンタカーの出迎えで、近くの事務所に移動し手続き終了。ナビを設定しいよいよ出発。

 先ずは腹ごしらえ。迷うことなく「宮之浦四季亭」トビウオの焼き物、首折れ鯖の刺身など、満足。食事の後は、観光案内所を探し宮之浦港へ。案内所は閑散としていたがとても親切で、明日からの登山情報を集め、携帯トイレを購入。続いて、屋久島を知るために「環境文化村センター」へ。展示ホールの地形模型を見ていると、若い女性の案内係が丁寧に説明してくれる。「屋久島が「水の島」と言われるのは、九州最高峰宮之浦岳から8位までの高山を有する山岳島であることに…」模型の上をふと見ると、真上からいろいろな長さの玉鎖が下がっている?1mくらいから8m、鎖の真下の降水量を示すのだそうだ。島内の降水量の多さとその格差に驚かされ、複雑で奥行きのある島の姿が感じられる。

 ゆっくり予習した後は、「わいわいランド」で山の食糧を買い出し。明日のタクシーとの待ち合わせ場所や、朝食・昼食の予約場所を確認しながら宿に向かう。ここまでコンビニが一軒もない、弁当調達は事前予約をして翌朝受け取る方式だ。
 5時ごろこれからお世話になる「四季の宿 尾之間」に到着。後にモッチョム岳、眼下に海が広がる高台にある。何棟かに分かれていて、我々は一番上の棟の一室に落ち着く。食事前に山の準備を終え、6時半食堂へ。今夜はバーベキューだ!長かった今日一日と明日からの山に思いを馳せ、生ビールで乾杯!

 母屋でお風呂をいただき、10時頃には皆就寝。             (豊島記)


9/13(木)
起床(3:45)=民宿、四季の宿尾之間(4:25)=<レンタカー>=屋久杉自然館(4:50/5:00)=
<タクシー>=紀元杉・朝食(5:40/6:30)→川上杉(6:40)→淀川登山口1360m(6:55/7:10)→
淀川小屋1380m(7:55/8:00)→1570m(9:00/9:10)→黒味岳展望台(9:25/9:35)→
花之江河1600m(9:45)→黒味岳1831m(10:35/10:50)→投石平(11:40/昼食/12:10)→
栗生岳直下(13:20/13:30)→栗生岳1867m(13:40)→宮之浦岳1935m(14:05/14:30)→
焼野三叉路1784m→(14:45)→永田岳1886m(16:00/16:10)→鹿之沢小屋1560m(17:00)
<天候:晴れのち時々曇り>

 昨夕依頼した屋久島弁当を、朝・昼の2食分受け取り、レンタカーで意気揚々と出発。駐車場となっている屋久杉自然館はまだ薄暗い中、大勢の登山客が荒川登山口行きの第2便のバスを待っていた。尾瀬戸倉のバス乗り場のようだ。私たちは予約していたタクシーで、マイカー規制区間ではない淀川登山口手前の紀元杉前まで送ってもらう。樹高19.5m、胸高周囲8.1m、樹齢3000年の屋久杉とのこと。確かに、今まで見たことのない堂々とした存在感ある大木であった。

 巨木のほとりで朝食をとり、車道を25分程歩き淀川登山口に到着。10数台の車が止められていた。これでもうすでに満車といったところである。きれいなトイレもあった。世界自然遺産に登録されている地域を有するだけに、トイレに関して、携帯トイレの使用を随所で呼びかけていた。専用のブースも登山道の随所に設置されていた。私たちも前日、観光協会で購入した。九州最高峰宮之浦岳(1935m)への日帰りコースの登山口であるが、静かな出発であった。荒川登山口の縄文杉コースは、さぞにぎやかなことだろう。

 杉の森の中所々湿原があり、緑と水の豊かなコースを進む。天気も上々、雨に降られることもなく落ち着いたのんびりとした登山を楽しむことができた。それぞれの稜線のピークには大きな岩が点在しており、それぞれ個性的な形状にどうやったらあんな形になるのだろうと不思議に思わされた。

 宮之浦岳を過ぎ焼野で、大混雑が予想される新旧高塚小屋を避けるために、私たちは西へ永田岳を乗り越えた鹿之沢小屋へと向かう。この選択が大正解であった。この日の小屋は、私たち3人だけのために存在することとなった。まずは、沢で冷やしたビールで乾杯。タマネギのシーチキン和えをさかなに、薩摩芋焼酎でいっぱい。ポトフをいただきながら至福の一日をしめくくった。話に聞いていた、ねずみとお化けには会わなかった。小屋の外では、ぜいたくなことにヒマラヤに匹敵する星々が光を放ち続けていた。           (富田記)


9/14(金)
起床(4:15)=鹿之沢小屋1560m(5:55)→永田岳1886m(7:00/7:10)→
焼野三叉路1784m(8:10/8:25)→宮之浦岳1935m(8:45/8:55)→焼野三叉路1784m(9:15/9:25)→
平石1707m(9:50/9:55)→第1展望台(10:45/10:50)→新高塚小屋1500m(11:15/昼食/12:00)→
高塚小屋1330m(12:50/13:05)→縄文杉1300m(13:15/13:40)→
ウィルソン杉1030m(14:40/14:55)→大株歩道入口910m(15:15/15:25)→
小杉谷山荘跡(16:20/16:25)→小杉谷集落跡(16:55)→荒川口600m(17:35/18:05)=バス=
屋久島自然館(18:35)=四季の宿尾之間(19:55)=尾乃間温泉入浴<四季の宿尾之間泊>
<天候:晴れのち時々曇り、昼頃にわか雨>

 4時過ぎに起床。外は満天の星空。昨晩に残ったポトフとエビピラフを雑炊にして食べる。食料はまったく無事だったので、ネズミ君は出なかったようだ。パッキングを済ませ夜明けを待つ。明るくなった6時に出発する。昨日下った急坂の道を黙々と登り返す。早朝の空気はとてもヒンヤリ。森林限界を超えると展望が一気に開ける。眼下には永田岬に立つ屋久島灯台と、海の向こうに見える大きい島は口永楽部島だ。その右手奥には噴煙を上げる硫黄島も見える。こんな高い所から、大海原と島を眺められるなんて最高だね。ローソク岩が見えたら永田岳も近い。

 永田岳は携帯が通じるので、スマホで気にかけてた台風16号をチェックする。あ〜〜〜、進路予想を見たら明後日に屋久島直撃じゃないか…。この時の勢力は、中心気圧900ヘクトパスカル!!最大瞬間風速75m!!と凄すぎる猛烈台風!!!。明日、島を出なければ本土に帰れなくなるかも…。そんな心配が嘘のように、今日の屋久島は穏やかで、目の前には三角錐の宮之浦岳が美しい(どことなく利尻山に似ている)。

 永田岳を下っていると、沢の方から「きーきー」という動物の鳴き声が聞こえる。ヤクシカかと思ったら、サルが岩の上に座って盛んに鳴いている。人間を見て警戒信号を発しているのだろうか。焼野三叉路にザックをデポして、再び宮之浦岳山頂に向かう(豊島さんは待機)。山頂からぐるりと大展望を楽しむ。昨日の朝より雲が多いのは台風の影響だろう。もっとのんびりしたかったが、攻撃的な羽虫の襲来を受けて、これはたまらんとすぐに山頂をあとにする。三叉路からは気分のいい稜線歩き、緩やかな地形は山スキーができそうという斜面が続く。

 平石の登りで、自分の右足登山靴のソールが剥がれる。4年前にソールを張り替えたのだが、糊付け箇所が剥がれていた。辛うじてつま先がくっついていたので、靴ひもの予備を使って縛る。平石を下りるとシャクナゲの森が続く。ヤクシカがたくさん森の中を徘徊している。昔は‘人2万・サル2万・鹿2万’と言われたらしいが、今は人が少なくなってしまったらしい。第1展望台から先は屋久杉と美しいヒメシャラの森。おとぎ話に出てきそうな景色。
 急坂を下りると、大きな新高塚小屋に着いた。昼とあって他に登山者はいない。小屋前に設置された板張りのテントサイトを見れば、この小屋の人気度が分かる。途中であった登山者に聞いたら、昨日の新高塚小屋は満員でテントもたくさん張ってあったとのこと。水場も目の前なので、朝食用に持ってきていた味噌うどんを食べる。食べ終わったら、急に大粒の雨が落ちてきたが、すぐに止んでくれた。
 まだまだ巨木の森が続く。屋久杉の切り株にはヤマグルマが着生していて、こんな大木がそこらじゅうにある。屋久杉と同じくらいに目立つのがハリギリの巨木。樹木好きな人にはきっとたまらないでしょう。
 高塚小屋は縄文杉ガイドツアーの若者もいて賑やか。静けさもここまでか。10分も下りたら縄文杉だ。離れたデッキから見上げても、やっぱり大きい、迫力もすごい、幹の肌が圧倒的に何かを主張しているようだ。樹齢は推定2600年〜7200年(ちょっと幅がありすぎだが、それも神秘で)。樹高は23mで周囲は16mもある。しばし、ジッとパワーをいただく。
 縄文杉からは急坂の下りが延々と続く。山慣れない人には辛い登りに違いない。夫婦杉、大王杉と続き、ウィルソン杉へ。推定樹齢約3000年で、中が空洞で祠と冷たい清水が流れていた。右手の角から空を見上げると、あ、なるほど、これがハート型か〜。

 2010年に枯れて倒れてしまった翁杉を過ぎて、沢音が大きくなったら、トロッコ道に出た。きれいなトレイもあって休憩ポイントになっている。このトロッコ道の正式名称は「安房森林軌道」で、いまだ現役で日本で唯一の森林鉄道らしい。もう昔の役目は終わり、現在は電力用ダムの保全や、古い切り株の運搬、負傷した登山客やトイレの汚物運搬用で時々動いているとのこと。

 大株歩道入口から荒川口まで、まだ8qも歩かねばならない。軌道の真ん中に踏み板が敷いてあって歩きやすい。が、単調な歩きが延々と続くと睡魔との闘いも始まる。白谷雲水峡への楠川分かれがほぼ中間地点。30分ほどで平坦地が拡がる小杉集落跡に着いた。最盛期の昭和35年には540人もの人が住んでいて、小中学校や郵便局や床屋まであったと看板に書いてあった。足尾の山奥にも無数のトロッコ道に集落が点在していたと本で読んだことがあるが、昔は秘境と呼ばれる山奥にもちゃんと人間が生活してのだ。

 小杉谷橋を渡れば、あとひと(ふた)がんばり。でも、踏み板がなくなって、枕木の間隔と歩幅が微妙に合わず、疲労に拍車がかかる。この間が長かった〜。電灯のついたトンネルと抜けると、軌道は右に急カーブしてすぐに荒川口に到着。3人とも安堵な表情。お疲れさまでした。

 バスは時刻表に関係なく、順次、運行しているようだ。自然館でレンタカーに乗り換えて尾乃間へ戻る。到着が遅くなったので、宿でも心配していたようだ。台風でキャンセルが出たので、一昨日泊まった部屋より大きいロフト付きのハイビスカスを用意してくれた。時間も遅かったが、夕飯の時間をずらしてもらい、尾乃間温泉に向かう。聞いたら、350年前に自然に沸いているのを発見して、今は字で管理しているので住民は無料とのこと(我々は200円)。時間も時間だったので、観光客は我々のみであった。お湯は熱めだったがやさしい泉質で、石敷の足下から沸いている。いい温泉だった。

 宿に戻って、手作りの美味しい夕飯をいただく。今日はまだ仕事が残っている。濡れ物を乾かし、汚れた服の洗濯干し、明日、島を出るかもしれないので宅急便で送る幕営山道具のパッキング…。すべて終わったのは11時近かった。寝る前に食堂棟屋上のデッキに上がって、ベンチに寝転がって星空を見上げる。10分くらい見ていたら、真上を一直線の流れ星が走って…、途中から輝く煙りが拡がって…、最後は燃え尽きるように輝いて消えた…。流線痕だ。音が聞こえそうなくらい近くに感じて、息をのむような美しい輝きだった。流れ星は何度も見ているが、流星痕は初めて。あ〜、素晴らしい。屋久島は最高だ。       (宮田記)


9/15(土)
宮之浦港(12:00)=高速船トッピー=鹿児島港(13:50)=指宿温泉(17:30)<民宿千成泊>
<天候:雨>

 未明にだいぶ雨が降ったようだが、今は晴れている。台風の影響だろう雲が早い。食堂の屋上で、隣の部屋の皆さんと写真を撮りながら朝のモッチョム岳や海の景色を楽しむ。

 台風で交通手段が無くなる前に島を出なければならない。予定を早めて今朝出発。朝食前に急いでパッキング。食堂で台風情報を宿の奥様から聞く。16日17:35発の我々の飛行機は欠航だろうとのこと。「まず空港で今日の便に振り変えられるか、だめなら高速船で、それもだめならまた戻ってきます。」と決め精算を済ませ出発。

 空港はさほど混んではいなかったが今日の便は既に無し。その場で高速船の予約電話を入れ、12時の「トッピー」を予約。ほっと一息。レンタカーの手続きや、送り荷物の手続きなどを済ませ、指定のタクシー会社でレンタカーを返しそのタクシーで宮之浦港へ送ってもらう。10時50分高速船乗り場着。台風接近というのに乗り場に緊張感はなく、土産物などを見ながら乗船までゆっくり過ごす。12時高速船出発。台風らしい雨が時折吹き付けるが、揺れはほとんど感じられない、快適だ。13時頃佐多岬を通過。13時50分鹿児島港到着。船の中で決めたとおり港内の「我流風ラーメン」へ直行。空腹に豚骨ラーメン…これはキク。

 これから港内を出て大事な仕事、レンタカー探し!目当ての店舗は既に移転。雨の中、もう一度探してトヨタレンタカーを発見。親切な係の女性は、指宿の安い民宿まで探してくれる。ありがたい。

 既に3時半、指宿「千成」に向け出発。鹿児島市内は路面電車が走っていて宮田君上機嫌!。途中道に駅に寄り、雨の中わざわざ指宿駅を確認し、5時半民宿「千成」に到着。

 内湯の温泉に浸かり、屋久島脱出成功と温泉の幸せにビールで乾杯。その後は、三岳、魔王、森伊蔵、篤姫と鹿児島焼酎を十分堪能。                  (豊島記)

9/16(日)
起床(5:45)=指宿民宿(8:30)=指宿港(8:35)=JR指宿枕崎線喜入駅(9:45/10:00)=
知覧特攻平和会館・ミュージアム知覧(9:35/10:55)=かいもん山麓そばの館(11:35/11:55)=
開聞駅(12:00)=枕崎駅(13:00)=鹿児島空港(15:00/15:40)=鹿児島市街天文館通(16:20)<ホテル法華クラブ泊>
<天候:雨時々曇り>

 台風16号の接近に伴い、指宿周辺の観光と明日の開聞岳登山の下見をし、予約していた鹿児島のホテルにもどる。台風最接近といいつつも、当初の予報より西にそれつつあるため直撃をまぬがれた。時折風雨強まるも、行動に支障をきたすものではなかった。

 指宿港は波高く、台風接近に備えひっそりとしていた。喜入駅はローカル線の趣ある駅舎であった。駅員さんが1人いて、ボンタンあめを1箱売ってくれた。知覧特攻平和会館には大勢の来館者がいた。豊富な資料がそれぞれ工夫されて展示されており、また映像や語り部などでの学びも充実しており、機会あれば次回またゆっくりと訪れたい。

 開聞駅は駅舎がないホームのみの無人駅で、2両編成の電車にこの後宮田さんが乗り込み、枕崎駅までの束の間の旅を楽しみことになる。枕崎駅は、JR最南端終着始発駅というJRの聖地の一つであるらしい。

 鹿児島に戻り、レンタカーを乗り換え空港では屋久島からの航空機のキャンセル手続きを行う。ホテル着後、市電に乗って繁華街の高級居酒屋へ。今宵も生ビールと芋焼酎を片手に黒豚のしゃぶしゃぶをほおばる3人であった。                 (富田記)


9/17(月)
ホテル=鹿児島市電高見馬場電停(6:17)=JR鹿児島中央駅(6:54)=
指宿駅(8:08/合流8:50/9:00)=開聞岳2合目登山口140m(9:40/9:50)→4合目(10:25/10:30)→
7合目(11:20/11:25)→開聞岳山頂922m(12:15/12:40)→5合目(13:40/13:50)→
開聞岳登山口(14:25)=JR最南端西大山駅=山川温泉=指宿温泉=薩摩今和泉駅=
霧島温泉郷(18:00)<さくらさくら温泉泊>
<雨のち曇り>

 ホテル前の高見馬場電停から市電始発に乗って鹿児島中央駅へ。昨日乗った開聞駅〜枕崎駅に続いて、指宿駅まで気動車に乗る。4両編成はガラガラ、足を伸ばしてのんびりとローカル線の旅を楽しむ。線路は海沿いを走っているが、鹿児島湾の波はそれほど高くはなかった(海沿い区間2カ所で国道の交互通行あり)。指宿駅に着いて、しばらくは二人は来ないだろうと、駅前の足湯に浸かって地元の人とおしゃべり。極楽〜。足がふやける寸前で、駅ロータリーにクラウンが到着。

 国道を走って開聞岳に向かう。登山口のあるふれあい公園に着く。天気は曇りだが風が強い。開聞岳は7合目から上は雲の中で、風が強そうだ。登山者名簿に記入して出発。広い芝のキャンプ場と草スキー場を通り過ぎて登山道に入る。樹林の中は蒸し暑くて、すぐに汗びっしょり。雨で掘れた登山道を上る。5合目くらいまで登山道は北東斜面についているので、台風の吹き返しの風はほとんど感じない。5合目で視界が効いて、荒れた外海とまん丸な池田湖が見える。途中で倒木が2本あったが、通行はできた。

 7合目からは次第に登山道は南から西向きとなって強風を受けるが、樹林のおかげでそんなには感じない。霧で見えないが、波の音はザーザーとすごい。晴れていたら、青い海が見えるのだろう。岩場が何カ所かあって、仙人洞という洞窟もあった。山頂まで52mの看板を過ぎたら開聞岳山頂だ。霧のため何も見えず残念。地図がはめてあって、種子島と屋久島の方向を指していた。ジッとしていると寒いので下山開始。途中で単独2名とすれ違う。

 登山口まで下りてきたら、空が明るくなった。やっと、台風の影響も薄まってきたか。濡れた服を着替えて、JR日本最南端の駅、西大山駅へ向かう。駅前には漬物工場(直売所兼観光案内所併設)があるだけ。片道8本の列車が通過するが、乗降客はほとんどいないだろう。美しい裾野を拡げる開聞岳をバックに、ホーム西端に立つ「日本最南端の駅 北緯31度11分」の碑前で記念写真を撮る。

 汗を流そうと、山川砂むし温泉に行ったが、台風の波が砂浜にかぶって今日は休み。それではと指宿の砂むし会館にも行ったが、これも施設が被害にあって復旧中らしく「夕方4時から受付を始めるらしい」という旅行者の情報で諦める。ま、仕方がないか。気持ちを切り替えて、霧島温泉に向かう。クラウンはパワーも乗り心地もGoodで、やっぱり‘いつかはクラウン’はだてではない。

 ドライブを楽しんで夕方6時頃にさくらさくら温泉に到着。8畳2間の部屋に案内されて、離れの貸し切り風呂に入る。乳白色のお湯は、またまた極楽。まったり気分で食事処へ。個室の部屋で、地物の黒豚や地鶏、野菜を鉄板と鍋の両方で食べるさくら焼きをいただく。ひとり生ビール4本を飲み干し、最後はうどん雑炊で締めて、大満足の一日が終わった。(宮田記)


9/18(火)
起床(6:00)=霧島温泉郷さくらさくら温泉(8:40)=えびの高原韓国岳登山口(9:25/9:30)→
韓国岳(10:20/10:30)→韓国岳避難小屋(11:00)→大浪池登山口(12:00)=
硫黄谷温泉霧島ホテル(12:20/13:05)=JR肥薩線嘉例川駅(13:25/13:35)=
鹿児島空港(14:10/JAL1872便/14:55)=羽田空港(16:40/17:50)=JR高崎線各駅
<天候:曇り時々晴れ>

 朝風呂は、自慢の泥湯へ。目と口の周りを残し全身を壺からくみ取った泥を塗りつけ10分の乾燥。この間、やることがなく湯船わきに座り込んだりふらふらうろつく姿は、まるでしっぽのないおさるさんであった。シャワーですすぎ露天風呂へ。これで美人になれるという。実際なった方もいる。

 えびのエコミュージアムセンターを過ぎ県道1号線脇の登山口駐車スペースには10台足らずの車あり。薄日が差していたが、この後標高を上げるに従って霧の中へ。山頂(1700m)の温度計は14℃と肌寒かった。ガスにつつまれなければ、日本で初めて国立公園になったというこの一帯の絶景が望めたことだろう。周囲4kmの火口湖大浪池を半周し、ハイペースで下山した。

 汗を流しに立ち寄った霧島ホテルの温泉。その湯船は、大きいとは聞いていたものの、その想像の10倍の広さに圧倒された。また、その湯量の膨大さに驚かされた。最深部で140cmの巨大風呂、そして周囲に点在する個性ある数々の風呂。湯巡りをするのに思わず船が欲しい、そう思ったほどである。嘉例川駅は映画にも出てきそうな木造作りの暖かみのある駅舎であった。

 この後、帰路へと急ぐ。鹿児島空港は、台風の影響も一段落した模様。定時運行のフライトで、羽田に無事到着。第1ターミナル5階のライオンに直行。最終日最後までジョッキを握り続けた3人であった。

 登山に温泉に郷土の食と酒そして出会ったたくさんの方々・・・旅の醍醐味にどっぷりつかり続けた7日間。皆さんに感謝しております。ありがとうございました。   (富田記)