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「新緑と沢歩きの棒ノ折山登山」

【個人山行記録】


山域:奥多摩・棒ノ折山(東京都奥多摩町、埼玉県飯能市)
期日:4月29日(月)
参加者:4人

行動記録:新宿駅7:44−〈ホリデー快速〉−御嶽駅9:00 9:18−〈青梅線〉−川井駅9:22 9:27―〈路線バス〉−上日向バス停(標高340m)9:40〜入山9:50…清東橋バス停10:10〜10:15…中茶屋10:25(ここから山道)…560m付近10:52〜11:00…790m付近11:34〜11:45…棒ノ折山(969m)12:10〜昼食〜13:30…権次入(ごんじり)峠13:40…黒山を目指すが、引き返す13:50…再び権次入峠14:00…岩茸石(分岐)…
白谷沢の途中14:35〜14:45…名栗湖(有馬ダム)湖畔15:40…下山・さわらびの湯16:05(250m)〜入浴〜17:57―〈バス〉−西武池袋線・飯能駅18:30
※天気 快晴/行動時間6時間15分

 当初は4月21日(日)にシーズンのカタクリを見に行こうと奥多摩の御前山(ごぜんやま)を計画した。だが、冬並みの悪天候に重なったので29日に変更し、小学生を含めてビギナーというパーティーを考慮して、比較的に標高差の低い今回のコースを選んだ。結果的には、新緑がまぶしく、変化に富んだ沢沿いを歩くコースを楽しむことができた。
 便利なホリデー快速を今回も使った。GWということもあり、ホームに乗客は多い。奥多摩方面に行く後ろ寄り車両は、入線時の7:35に並ばないと席がなくなる状況だった。
 御嶽駅で御嶽山に向かうであろう大量の乗客とともに降り、下りの普通列車に乗り換えた。1駅先の川井駅で降ると、バスに乗り換える。バス停は少し離れた位置で、すでに10人以上が1日3便程度のバスを待っていた。最奥の清東橋まで行く便だったが、気候が良いこともあり、足慣らしのために手前の上日向というバス停で降りることにした。
 民家が点在する車道を歩いていくと、キャンプ場や渓流釣り場がにぎわっている。清流脇でのバーベキューも楽しそうだ。登山道に入ると、わさび田が連続する脇を抜けていく。湧き出る沢の水質が良いのだろう。小2の長男のペースに合わせ、ゆったりペースで進む。段差の大きな石に苦労している様子だった。
 沢筋から外れて杉林を抜けると、なだらかな尾根筋に出た。樹林帯が続き、涼しい。広葉樹林は日光が当たって黄緑色に輝いていた。危ない場所もなく、2時間ほどで山頂に着いた。山頂は広々していてあずまやがあり、北から東の眺望がすばらしい。都心も望めたが、秋や冬の澄み渡る空ではなかったので、期待したスカイツリーは確認できなかった。
 昼食をとって、下りに入る。おそらく階段状の木道があったと思われるが、植生保護のため脇を通るよう指示が出ていた。権次入峠から埼玉県側に下りていく予定だったが、少し変化をつけようと南に延びる尾根を少し歩いてみることにした。だが、進んでみると杉に囲まれて眺望がなく、しかも下り一辺倒。登り返しがつらくなると考え、すぐに引き返すことにした。やはり余計な行動はとるべきではない。
 白谷沢を通る下りについて、峠の表示版は「ゴルジュも通る沢歩きの入門的なコースです」とある。まずは歩きにくい丸太の階段状の道が始まった。段の縁を丸太で仕切ってあるのだが、内側の泥がかなり流れ出ていて、細かいピッチのハードルが連続する状態。丸太だけに乗っていこうとすると、ぐらぐらと揺れるものや、誰かが崩したばかりに見える丸太も転がり、歩きにくい。山頂直下もこのようにして、崩れていったのだと思われる。登りでは苦労するだろう。
 岩茸石で滝の平尾根との分岐で折れると、沢の源流と思われる水の流れ出しを発見。2万5千分の1地形図に表示されていない林道を過ぎると、本格的な沢道に入った。落差10メートルはある白孔雀の滝は、滝を巻くような岩場につけられた鎖の手すりに沿って下りる。ゴルジュでは右に左にと徒渉し、2メートルくらいの大岩では、ロープが張ってあった。スニーカーの小2には険しい。滑りやすいので、ずっと手を引きながら歩くことになった。本人はスリルがあっておもしろいようで、泣き言はなく楽しそうに歩いていた。
 沢筋から外れて山道を進むと、ようやく名栗湖(有馬ダム)の湖面が見えた。車道に出て、ダムの脇を進む。ダムサイトからさらに車道の脇を歩いて、最終目的地の「さわらびの湯」にようやく着いた。このご時世には珍しく、全身入れ墨の方が3人ほど入浴中。「絵が描いてあるよ」と指さす息子に冷や汗をかいた。
 ビギナーにも楽しいコースだったが、雨が降れば、滑りやすい道に変わるだけでなく、大雨の後も含めて何度も徒渉を強いられることになる。入るタイミングによっては難易度が一変する。ただ、夏でも涼しいと思うので、涼を求めて登ることも楽しいだろう。(K)