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櫛形山 アヤメ探訪ハイク 

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山域山名:櫛形山(南アルプス前衛、山梨県)
期日:2013年7月7日(日)
参加者:CL新井勇 SL軽石 堀 白根 高橋武 黒澤 駒崎 新井浩

行動記録:熊谷6:00=南アルプスIC=見はらし平8:55/9:10〜アヤメ平(昼食)10:55/12:00〜裸山12:20/12:45〜アヤメ平13:00〜見はらし平14:15=やまなみの湯15:10/16:05=甲府南IC=熊谷20:25

 アヤメの群落があることで知られてきた櫛形山登山は、3月の「1人1企画」で堀さんが提唱し、私も以前から一度行ってみたいと思っていた所なので、今回企画してみた。

 甲府盆地の南西部を縁取るこの山は南北に細長く丸みを帯びて連なり、櫛の形に見えることから名付けられた。最高点(2052m)は南寄りにあるが、目立ったピークはなくて、北部の稜線の広々とした部分(1900m前後)がアヤメ平である。

 今回の登山コースは中腹を南北に走る櫛形林道の「見はらし平」(1330m)から直接アヤメ平に登る「北尾根コース」でアヤメ平近くのピーク・裸山(2003m)に登って同じ道を戻るルートを選んだ。

 熊谷を車1台で6時に出発し、談合坂サービスエリアでもう1台と合流。雁坂トンネル経由で参加のKさんとも、あらかじめ打ち合わせておいた南アルプス市役所近くのコンビニで合流して、3台で見はらし平へ。すでに7,8台の車が駐車していた。

 前日に梅雨明けの発表があり、この日、関東平野は晴れ模様だったが、甲府盆地の周囲の山々には雲がかかっており、櫛形山も見はらし平に近づく頃から霧に包まれ、視界が20mぐらいとなった。身支度をして樹林帯の続く登山道へと踏み出す。緩やかな登りの歩き易い道を、花や植物に目を向けたりしながらゆっくり登る。同行の女性3人とも花の知識が豊富でよく教えてくれる。

 しばらくすると霧の上に出たようで、日の射すこともあるような明るい空になりハルゼミが鳴き出した。ただ相変わらず無風でみんな汗びっしょりになっている。よく目についた花は下の方ではフタリシズカ、上の方ではクサタチバナで、まだつぼみだが、群落状のバイケイソウも何カ所かあった。

 最後のジグザクの急登が終わると、カラマツなどが点在する草原状の所に出た。アヤメ平の一角のようでやがて前方に金網が現れる。その登山道がぶつかる部分には金網ながらしっかりしたアルミサッシのドアが取り付けられ、それを開けて中に入る。最後尾の人は当然ドアノブを廻してしっかり閉まったかを確認することになる。最近ここのアヤメがシカによる食害がひどく、金網を張り巡らせてあるとは聞いていたが、現場を通りなるほどと思った。

 まもなくアヤメ平の中心部の十字路に到着。昼食中のグループが幾つかあった。「アヤメはそこにあるだけ。外にはありません。」と言う。目の前の十字路の所、3m×5m程の金網に囲まれた種々の草の茂る中にアヤメの花が幾つかあった。東洋一とかいっていたアヤメがたったこれだけとは!! 食事のグループの女性が「裸山の方にはもっと広い金網の中にしっかり咲いています」と、デジカメで撮ったばかりの写真を見せてくれた。

 我々は、昼食は裸山の予定だったがこの場所に変更した。お湯を沸かし食事を始めると、マイペースで遅れていたHさんも到着した。

 食後、そろって裸山へ向かった。裸山は小さなピークですぐ下の傾斜の緩い20m×50m位の金網の中に、背の高いキンポウゲやオダマキなどの花と一緒にアヤメがたくさん咲いていた。小規模ではあるが、今日の山行の目的をどうにかやっと達成できた。

 裸山は描いていたイメージとは異なり、小ピークであるが大きな落葉樹が多く視界を遮り、特に西側の白根三山方面はほとんど見えない。冬ならば木々の間に少しは見えるのかもしれないが。

 それぞれアヤメの写真を撮った後は同じ道をたどって下山へ。先ほどは登りで気づかなかったが、アヤメ平に戻るすぐ手前のカラマツの樹林は見応えのある壮大な木が何株か、皆で注目した。根本近く2,3mのところで幹が5,6本に分かれそれが大木となって上に伸びている。鳥海山の麓にブナのこのような巨木があり「アガリコ大王」と呼ばれているが、櫛形山のこれもカラマツのアガリコ大王と言えそうだ。

 北尾根の下りに入ると、ここは午後も無風。また大汗をかいて、2時過ぎには見はらし平へ戻った。

 今回近辺には温泉や入浴施設はないようだったが、南アルプス市の南の外れの「やまなみの湯」まで行き汗を流した後、一応解散とした。帰路の中央道は大渋滞となり、熊谷帰着は8時半過ぎになってしまったが、花の名所の消滅など、いろいろ考えさせられる山旅であった。(新井勇記)