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万太郎山縦走

アルバム  

山域山名:谷川連峰・平標山、万太郎山
日付期日:2013年10月28日(月)
参 加 者: CL宮田、SL木村、駒崎、福田、菅谷
行動記録:江南(19:00)=湯沢IC=吾作新道登山口P〈木村車デポ〉=元橋平標登山口P(23:00)〈テント泊〉

平標山登山口P954m(5:00)→林道終点1190m(5:57/6:05)→平標山ノ家(7:01/7:25)→平標山1983m(8:12/8:28)→仙ノ倉山2026m(9:21/9:35)→エビス大黒の頭(10:36/11:08)→万太郎山1954m(13:02/13:30)→大ベタテ沢の頭(14:46/14:53)→吾作新道入口769m(16:02)=平標山登山口P
〈天候:快晴〉

 当初、週末に予定されていた鳳凰三山合宿が悪天候の為中止となり、Bパーティは天気の安定する28日(月)一日に晩秋の国境稜線を縦走すべく急遽山行予定を変更した。

27日(日)19:00に集合した時も相変わらず天気は不安定で、関越トンネルに近づくにつれ雨粒も次第に大きくなっていた。途中、谷川岳PAにて飲料水用に谷川岳の水を補給した時は、外気温もかなり下がっておりアウタージャケットがないと寒いくらいだった。湯沢ICを出て街灯のうす暗い道を進み、舗装されていない林道のがたがた道を行くと、吾作新道登山口のゲートに突き当たった。木村さんの車を下山後の移動手段にすべくデポし、宮田さんの車に乗り込み今来たがたがた道を戻って元橋平標山登山口Pに向かった。登山口の駐車場は綺麗に整備されていて夜間もトイレを利用する事が出来た。以前は無料だったようだが、現在は設備整備された為か様子が変わったようである。トイレに近づくと外部の赤外線センサーが反応するようで、セキュリティアラームが鳴った。しかしトイレ内部の照明は期待はずれのアウトオブサービスで真っ暗である。外気温は約6℃。仮眠を取るべくテントを設営する頃には雨も止み、起床時間の3:30まで水害や強風に悩まされることなく落ち着いて休むことが出来た。

アラームで眼を覚まし、テントの外に出ると、空一面綺麗な星で覆われていた。幸先よし。谷川の水で湯を沸かし朝食を取ると元気が出てきた。テキパキ準備をしテントも撤収して、出発予定の5:00には問題なく全員出発準備完了していた。慣れない私にとっては、この手際の良さにもいつも驚きである。CL宮田さんのリードの元、みな無駄な動きがない。遅れを取って迷惑を掛けないように私も必死である。外気温約−3℃。ヘッドランプを装着し、別荘が点々と建つ川辺の林道を一時間ほど進んだ。落ち葉の絨毯の道である。しだいに明るくなり平元新道入口に着くと、身体も温かくなり上着を一枚脱いだ。周囲の紅葉は終わりかけで、特に黄色が目立つ。平標山ノ家までの平元新道で真っ赤なナナカマドの実に出会うことが出来た。この登山道、木の階段の上りが一時間ほど続く。良く整備されているが、一歩ずつしっかり足を上げないと前に進めない。きつい登りだが、上がるにつれ周囲の山々の素晴らしい景色が広がってくる。特徴のある苗場山を中心に、2000m級の山々の頂きは雪で白く覆われている。平標山ノ家裏から見る景色はすばらしい。ヨーロッパアルプスの草原が広がっているようである。トイレ休憩をして平標山山頂を目指す。この登りも整備された木道の階段であるが、昨日の風雪で雪が凍って木道を覆っている。滑らないように一歩一歩慎重に足を進める。登山道脇の木の枝に着いた樹氷はどれも片方向に一定で、昨日の天候の激しさを感じることが出来た。幸い今日は無風快晴である。その上、我々のパーティがこのコース一番乗りのようだ。他に足跡はない。雪を頂きにまとった山々は山麓に向けて山肌が三色に分かれている。山頂から見るこの一瞬だけのすばらしい景色は偶然が重なった超自然の産物である。仙ノ倉山への縦走路もとても良く整備されている。綺麗な景色を見ながら安心して歩く事が出来た。

仙ノ倉山からエビス大黒の頭までは急なアップダウンが続く為、6本爪アイゼンを装着した。ダブルストックでバランスを取りながら、滑り落ちないように急斜面を下る。外気温もまだ低く0℃前後である。鞍部まで下るとエビス大黒避難小屋がある。昨日の吹雪を想像しながら、恐る恐る入口の戸を開ける。狭い避難小屋の中には誰もいない。ナナカマドに着いた氷の塊は少しずつ溶け始め、登山道を濡らし始める。大きなエビス大黒へは湿った土の登りが続く。上部は荒い岩の塊で、北西面に着いた登山道はまだ凍っている。乗越してエビス大黒の頭に着くと、今度は太陽の光が良くあたった万太郎山へのたおやかな縦走路が顔を出す。アイゼンを外し昼食を取る。ここからもまだアップダウンの長丁場が続く。登山道のコンディションも刻一刻と変わる。両側には谷川連峰の深い谷がいくつも大きく広がる。雪が着いたらどんなスロープになるのかと、スキーを想像してみる。CL宮田さんから谷川連峰の山スキーの体験談を伺った。険しさは相当なものであろう。毛渡乗越を越え避難小屋を過ぎると万太郎山への最後の上りが始まる。振り返ると平標山からの長い縦走路を見渡す事が出来る。相変わらず天気は快晴で景色も良い。

およそ8時間で万太郎山まで来る事が出来た。気分は壮快。今日は会長の大嶋さんの誕生日である。頂戴したゆずの香りたっぷりの手作りゆべしで、誕生祝いと無事の山行を皆で御祝した。万太郎山からは吾作新道を2時間半でおよそ1200m一気に下る。井戸小屋沢の頭を過ぎ、大ベタテ沢の頭までは遮るものがない尾根道で景色がとても良い。ただし足元は湿っている為とても滑りやすい。樹林帯に入ると、紅葉を再び楽しむ事が出来た。やはりこちらも黄色の葉が多く、赤色は少ない。落ち葉の陰に隠れた木の根に注意しながら吾作新道入口に下山したのは、登山開始からおよそ11時間経っていた。下山口にデポした木村さんの車に乗り込み、暗くなる前に登山口の元橋平標山登山口Pに戻る事ができた。途中、猿ヶ京温泉で汗を流し赤城高原PAで夕食を取って帰路に着いた。