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盛夏の富士山〜5歳児のチャレンジ〜


【個人山行記録】



◎山域山名:富士山・吉田ルート(3776m/山梨県富士吉田市など)
◎期日:2014年8月2日(土)〜3日(日) 晴れ
◎参加者:7人(CL金子、金子の娘(5歳)、会員外男性2人、女性3人)
◎行程 ※―交通機関、…山中の徒歩
【2日】
新宿駅・西口バスターミナル12:30―〈高速バス〉―富士スバルライン5合目15:10〜〈入山料支払い/「5合園レストハウス」で夕食〉〜16:25(スタート)…佐藤小屋(2230m)16:55(ゴール)〜ミーティング17:20〜就寝18:20          ※1日目行動時間30分
【3日】
佐藤小屋・起床23:45〜朝食0:00〜1:25(スタート/12℃)…6合目・登山指導センター2:00〜2:10…2585m付近2:45〜2:50…7合目・トモエ館(2710m)3:15〜3:25…7合目・東洋館(2910m)4:00〜4:10…太子館(3040m/ご来光)4:45〜5:05…8合目・白雲荘(3200m)5:40〜5:55…本8合目・富士山ホテル(3350m)6:30〜6:40…御来光館7:10〜7:20…9合目7:40…吉田ルート山頂部(3710m)8:15〜9:00…〈お鉢巡り〉…剣ケ峰山頂9:50〜10:00…山頂部・東京屋前10:40〜11:15…〈下山道〉…8合目分岐11:45〜12:00…下山道トイレ(2630m)12:40〜12:50…5合目14:00(ゴール)〜14:30(バス班2人)/14:50(タクシー班5人)―河口湖畔・山岸旅館(合流)15:30〜〈入浴〉〜16:50―河口湖駅前17:00〜〈「ほうとう不動」で打ち上げ〉〜18:40―〈高速バス・中央道/渋滞あり〉―新宿駅前22:00   
 ※2日目行動時間12時間35分/2日間計13時間5分

 昨夏、CL金子の小学2年の息子を含む10人パーティーで富士山に登った。今年は幼稚園の年長、5歳の娘を連れて行くことを思い立った。そのために春から高水三山、大菩薩、平標、三頭山とトレーニングに連れて行った。靴は20センチ以下のサイズを出すモンベルを選んだ。運動能力、体力は息子に負けず、性格は我慢強い。高度順化さえできれば、問題ないと考えた。富士山は初めての5人の大人たちも、ともに複数回のトレーニング登山を積んで臨み、有酸素運動と水分補給の重要性を繰り返し説いた。結果として、全員が大きなトラブルなしで登頂を果たした。3年連続でこうしたビギナー登山を実施してきたが、歩きの順調さはベストのパーティーだった。ご来光も過去の経験でも有数の美しさで、雨は一滴も降らなかった。唯一、ガスに巻かれた山頂が残念だった。

 猛暑の新宿を高速バスで脱出した。他の手段と比べれば安価で、乗ってしまえば登山口というアプローチはありがたい。心配した渋滞の影響も少なかった。

 まずは5合目のレストハウスで早い夕食。土産物屋は中国系の観光客でごったがえしている。登山道の入り口では、入山料千円を7人分支払った。スタッフに聞くと、「払うのは6割ぐらい」。過剰な人気の現状を考えれば徴収には賛成したい。ただし、使途を行政がわかりやすく明示することが求められている。

 7月に発生した泉ケ滝の崩落現場を過ぎるころ、救急車が佐藤小屋方向に向かっていった。けが人が出たという。これとは別に、後日には「登山道が混雑しているから」と下山ルートを通っていたツアー登山者が9合目付近で落石に遭った。オーバーユースのひずみだろうが、ガイドの判断は疑問だ。佐藤小屋では、予約していた個室に入った。夕方に就寝する計画のため、1部屋2千円で得られる快適な環境は欠かせない。

 日付が2日のうちに起床。昨夏に息をのんだ天の川は今年は見えなかったが、風もなく絶好のコンディションだ。順調に高度を稼いでいくと、空が白み始めた。日の出は去年とまったく同じ太子館の前で迎えた。オレンジ色のリングに続き、くっきりとした円が顔を出した。過去の山とも比べても、屈指のご来光だ。空気が澄んでいて、はるか遠くには北アルプスの尾根も見えてきた。

 ところが、8合目のあたりから、眠気が襲ってきた。娘も眠さを訴えた。5歳児は仕方ないとしても、自分の不調はおかしい。会装備のパルスオキシメーターを持参していたが、80台前半を示す。後で同行者に聞くと、「顔色が悪そうだった」という。日々の疲れが原因なのか、軽い高山病のようで、不覚だった。

 登り始めから7時間弱で山頂部に着いた。9合目までは伊豆大島も見えていたが、山頂部はガスの中で、冷たい風が吹く。お鉢巡りをして剣ケ峰に至ったが、結局濃いガスは晴れなかった。

 即席ラーメンで体を温め、すぐに下山に入る。同行の女性が足の痛みを訴えていたが、我慢して歩いたもらった。なお、この女性は「実は数日前に飲み会で記憶を失って倒れ、体を強打していた」と下山後に告白。9月から海外赴任が決まっており、送別会続きだったという。事前に把握できなかったのは、リーダーとして残念だった。

 下りは3時間足らずで、5合目に無事に到着。重心が低いからなのか、5歳児は下りになると快足だった。7人と中途半端な人数だったので、大人はタクシー、自分と娘は路線バスにと分乗した。バスは満員で、自分はずっと立ちっぱなしだった。河口湖畔で合流し、温泉入浴に続いて、定番の「ほうとう不動」で打ち上げ会。帰りの中央道は渋滞に巻き込まれたが、寝ているうちに新宿に着いた。
〈記・金子〉