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飯豊連峰縦走

アルバム  


山  域 飯豊連峰 三国山~飯豊山~大日岳~北俣岳~朳差岳
目  的 飯豊連峰縦走
期  日 2014年8月12日(火)〜16日(土)
参 加 者 新井(浩)、駒崎
5日間で飯豊を堪能してきました。穏やかな山容、お花畑、なかなか出来ない長期の縦走、そして中3日間のメインの縦走路が天気よくて大変満足のいく山行となりました。
行動記録:
8/12(火) 熊谷駅(8:13)=郡山=野沢駅(11:45/12:30)=デマンドバス=弥平四郎登山口680m(13:30/13:50)→祓川山荘(15:40)
<天候:小雨>
 入山と下山が違うため電車による移動の手段をとった。行きは熊谷~郡山まで新幹線、磐越西線で野沢駅まで。そこから西会津町のデマンドバスにて登山口の弥平四郎まで5時間半の移動時間を要した。バス待ちの間に野沢駅前にて西会津野沢宿えちご屋味噌ラーメンをすする。テレマーク靴の若者と一緒になる。ショートスキーをザックにつけており石転び沢を滑るらしい。この人とは3日間同じ行程を踏むことになる。バスを降りるとあいにくの小雨。5日分の自炊食料が詰まった重いザックを背負って弥平四郎の集落から林道を傘を差して1時間半程歩き、登山道へ入り25分ほどで祓川山荘に到着。水は山荘内に引かれており、トイレもきれいだ。2階建てで古いが十分な山小屋だ。後からテレマークの若者と2人連れ2組で今宵は計7名。空間をぜいたくに使い夕食(ジフィーズ+麻婆春雨)としました。

8/13(水) 祓川山荘750m(5:10)→疣岩分岐(8:40)→三国岳1644m(10:00/10:40)→切合小屋(12:30/12:50)→草履塚(13:35)→本山小屋2102m(15:30/16:10)→飯豊山2105m(16:25)→本山小屋(16:45)
<天候:晴れ/曇り>
3:00起床、朝食(ベッピントマイタメ)後5:10分出発。歩き始めは明るいガスの中。登るにつれ青空が広がってきた。しばらく穏やかなブナ林を登るが、尾根に上がる直前は厳しい登りが続く。自転車をかついでいる人に会う。物好きな人が居るものだ。以降2日間同じ行程を踏むことになる。槍も山頂まで担ぎあげたそうで、百名山を目指しているとのことでした。尾根に上がると日差しを遮るものが無くなりとても暑い。疣岩の分岐からははるか先に三国小屋が見えるようになる。やがて左手に御西岳から大日岳の尾根が見え飯豊に来たんだと実感する。残念だが大日岳は雲の中。三国岳の山頂の三国岳避難小屋に着く。数人が休んでおり、コーヒータイムで休みながら管理人と雑談する。赤とんぼが非常に多く飛んでおり、小さな虫を食べてくれるので虫が居ないとのこと。また、深山車花の名前を教わりました。遠く眼を凝らして見ると本山小屋が見える。ここからは快適な稜線歩き。夏の花の代表であるタカネマツムシソウが多くみられるようになる。多少のアップダウンはあるが先々まで見渡せるようになり、御西岳~大日岳の尾根を見ながら歩くと、切合小屋に着く。ここでも多くの人が休んでいる。小屋前にはホースから水がたっぷり出ている。穏やかなお花畑が続く稜線を進む。チングルマ、ツガザクラ、ハクサンオミナエシ、ハクサンコザクラ、ヒナウスユキソウ等。山小屋までの穏やかな登り。草履塚、御秘所、御前坂を越えるとテントが数張り。本山小屋のテント場の一ノ王子と呼ばれるところ。少し下ると水場がある。小屋に入り受付。小屋の中は混雑している。管理人一人で受付、場所割をしていて手が回らない様子。今夜は混みそうだったが、ひとり1畳程度でそうでもなかった。落ち着いてから飯豊山に向かう。風が強くなり寒い。15分程度で飯豊山の山頂。大日岳まで続く穏やかな稜線、北股岳方面もよく見える。明日も天気が持ってくれるだろうか。寒いので早々に引き揚げ、水を汲みに行き小屋に戻る。気温15℃。夕食は外でスパゲティーとサラダ。夕食後狭い管理人の部屋で雑談をする。毒舌な人で、山小屋の管理人は苦労が多いようだ。20時就寝。

8/14(木) 本山小屋(5:10)→飯豊山(5:25)→御西小屋(7:00/7:10)→大日岳2128m(8:25/8:35)→御西小屋(9:45/10:05)→烏帽子岳2018m(13:00/13:25)→梅花皮岳(13:45)→梅花皮小屋(14:05/14:30)→北股岳2025m(15:00)→門内岳1887m(16:00)→門内小屋(16:05)
<天候:曇り時々晴れ>
 3:00起床、朝食(ジフィーズ五目御飯+味噌汁)5:10出発。気温11℃。天気予報を管理人に聞くと明日は天気が悪いらしいので、天気のいいうちに先に進もうと本日の宿泊を梅花皮小屋からその先の門内小屋に変更する。長丁場となる一日の始まりだ。
天気は曇っているが高曇りで視界はいい。北股岳大日岳は雲の中だ。昨日山頂を踏んだ飯豊山を通過し御西小屋に向かう。タカネマツムシソウの紫色や色とりどりの花が咲き乱れる穏やかな草原を進む。イイデリンドウが数多くあるが、日中にならないと花は開かないようだ。数人が休んでいる御西小屋に到着。自転車野郎の自転車が置いてある。水汲みに行ったらしい。持ち主がいない間に自転車の話に花が咲く。管理人まで出て来て数人で自転車を持ちどれくらいの重さかを量るが10kg未満との答えが多かったが、持ち主が戻ってきて聞くと13kgとのこと。ザック以外に運んでいるのだから苦労が多いだろう。ザックを小屋に置き、サブザックで大日岳に向かう。大日岳までの尾根が見渡せる。北アルプスの三俣山荘から見る鷲羽岳のようにまっすぐに続く尾根と左右に尾根を広げている。ここも穏やかなアップダウンの草原のお花畑の中を進む。最後の登りは少し急だが1時間15分で山頂に到着。今日進む先々の尾根が見渡せる。烏帽子岳、北股岳。今日はあの先まで行かなくてはと果てしなく続く尾根筋を眺める。写真を撮り御西小屋へ戻る。途中イイデリンドウが開き始めており写真に収める。小屋に戻りガス缶が心もとないので売ってないかと聞くが無し。その時にいた人から、今日下山だからと使いかけのガス缶をもらう。ここから遠大な尾根を烏帽子岳まで進む。途中にはもちろんお花畑が散在し、雪田や池などもあり変化が有り飽きない。順調に烏帽子岳、梅花皮岳を通過し、梅花皮小屋に着く。門内小屋の水場が良くないらしいので、ここで水を満タンに補給。それぞれ真水を5kg。非常に重くなったザックを背負い北股岳を登る。短い登りだがきつい。石転び沢の雪渓を眼下に見ながら一気に山頂へ。北股岳の山頂から遥かかなたに門内岳、門内小屋、梶川尾根、そして朳差岳の頭が見える。笹原、ハイマツ帯、草原、お花畑を黙々と歩き、門内岳に。山頂からは門内小屋の屋根が見える。長い一日の歩きが無事終了。小屋の受付をして、小屋に入る。ちょっと混んでいるようだが、2階を合わせて25人程度か。管理人は温厚そうな人だ。イイデリンドウを模した学校の校章のようなバッチを買う。これも今回の山行の目的のひとつでした。焼きナスをつまみに一杯やりながら小屋の雰囲気を楽しみ、夕食(ジフィーズ+親子丼、中華丼)後19時就寝。(新井浩記)

8/15(金) 門内小屋(5:45)→胎内山(6:08)→地神山(6:47)→頼母木山(7:48)→頼母木小屋(8:08/9:07)→大石山(9:33)→鉾立峰(10:10/10:20)→朳差岳(10:50/11:13)→頼母木小屋(12:57)
<天候:晴れ後風雨>
 4時に起床、今日は6時間の道のりなのでゆっくりめです。昨夜食べ切れなかったご飯を雑炊にして朝食です。昨日出会った、数知れずこの山に登っていると言う地元の方が、お昼までは良い天気かも~と言っていたが、気になる天気はと言うと、雲が多いながら、朝日がまぶしいです。
 小屋で一緒だった大学ワンゲルグループ、自転車百名山、テレマークスキー青年(石転び沢はあきらめた)達は梶川尾根を下り、丸森尾根を下る方も数名います。我々はその先を目指します。視界はとても良く、遠くの山々が連なって見える様子は、墨絵のようできれいです。
 地神山まで来ると朳差岳が見えてきます。そこを少し下るとすばらしい展望で、朳差岳への稜線が一望できます。緩やかな小高いピークのあるグリーンのカーペットに小さな赤い屋根の頼母木小屋、その上に朳差岳の大きな山容が見えます。朝日を浴びてとてもきれいです。さらに進み、丸森尾根分岐を緩やかに下ると草原になっていて、草が風でなびいて輝いています。あちらこちらにイイデリンドウが咲いています。少し登って頼母木山を越えると頼母木小屋に到着。小屋には水が引かれていてたくさんの水があふれ出ています。女性の管理人さんは幸手市に住む飯豊胎内山の会の方、会の方達がここと門内小屋を管理されているそうです。トイレはバイオトイレ、朳差小屋のことを聞くと、トイレは自然でその下が水場なのでここの水を持っていった方が良いとのこと。ではお昼には早すぎるが、少しでも背負う水を減らそうということで、パスタ(お湯を入れるだけですが以外に美味しいです)とコーヒーにする。小屋からの展望はとても良くて朳差岳を見ながらゆっくり食事、ここにずーっと居たい気分になります。ここから朳差岳を往復して来たという話も聞こえてきます。そこで我々はというと、まだ8時半過ぎ、明日は雨、今日行って来てしまえば、水を背負い上げることもない、明日の行程も短くなる。決まりです。今日のお宿は頼母木小屋。サブザックで往復です。緩やかに下りお花畑の中を行きます。シラネニンジン、マツムシソウ、ツリガネニンジン、ハクサンフウロ、タカネナデシコにアザミ、まだ初夏に咲くハクサンイチゲが見られ、つぼみもあるのにはおどろきです。明日下る足の松尾根の分岐ある大石山を越え下って登りかえすと鉾立峰、ここまで来ると朳差岳は目の前です。ここで青年二人連れに会う。少し下って、お花畑を通り上ると小屋が現れ、山頂に到着です。視界はとても良くて飯豊本山から歩いて来た山々が重なるように見えます。パンなど食べてしばらく休憩。日本海も反対側の小国町も日が差して明るく見えますが、山の上のほうに雲がかかり始めたので下山します。風が出て雨が降り出してきたので朳差小屋で雨具をきます。雨は直ぐにやみましたが、風は次第に強まってきて、木の無い稜線歩きは西風をまともに受けるとよろけそうになります。えぐられた登山道のところは風が避けられほっとするくらいです。大石山分岐に着くと、出会った二人連れが休憩中でこのまま下りるとのこと、そうか今日中に帰ることも出来るんですね。急いで頼母木小屋に戻ると小屋近くでトレイルランの若い女性二人に会う。これから朳差岳を往復するという。風がかなり強いと話す。小屋はがらがらでここの山の会の方のザックが3つ置いてあるだけです。まだお昼過ぎなので、コーヒーを飲んだり、昼寝をしたりのんびり過します。雨音がするようになり、14~15時過ぎ頃、びっしょりになった登山者が入ってきます。ザックカバー、帽子、めがねが飛ばされ大変だったとのこと。トレイルランの女性たちも大石山まででもどってきました。
小屋は他に単独の方5人と3人組み合わせて15人です。今日は最終日カレー力うどんとサラダ、他残っているものをつまんでゆっくり夕食を頂きました。(ビール350ml700円)ラジオの天気予報、雨と聞きながら19時頃就寝。


8/16(土) 頼母木小屋(7:50)→足の松登山口(12:10/13:00)=奥胎内ヒュッテ(13:10/14:05)=中条駅(15:05/16:02)=熊谷駅(18:20)
<天候:雨>
 今日は下りるだけです。心配していた風はなく、霧雨です。権内尾根、丸森尾根を行く方もいます。我々はバスの時間が午後1時まで無いので遅い出発です。昨日歩いた大石の分岐まで行き、そこから足の松尾根を下ります。岩場や木の根が多く、滑らないように注意していきます。雨は小雨になったりやんだり、時には強く降り登山道が沢の様になる場所もありましたが、時折ガスが切れて現れる山々を見ながら下りました。
 足の松登山口から奥胎内ヒュッテへのバスの時刻まで時間がありましたが、歩くと50分、同じになるなら待つことにしてお茶を入れて時間つぶしをしました。後から小屋で一緒だった山の会の一人の方が下りてきて、バスとお風呂の後、中条駅まで乗せていただきました。タクシーを呼ぶ予定でしたので、助かりました。中条から新潟行き特急自由席は120%乗車率で座れませんでしたが、熊谷までの新幹線は座れました。
 地元の方に大石山のハクサンイチゲの見頃が6月下旬頃と聞きました。そのころ頼母木小屋にまたぜひ泊まりにいきたいです。(駒崎記)

食料計画(実績)
 8/12 夕→ジフィーズ、麻婆春雨
 8/13 朝→パン、ベッピントマイタメ 昼→パン 夕→スパゲッティ、サラダ
 8/14 朝→ジフィーズ、さんまのうま煮 昼→ラーメン 夕→ジフィーズ、親子丼、中華丼
 8/15 朝→玉子雑炊 昼→スパゲッティ 夕→カレー力うどん、サラダ
 8/16 朝→ジフィーズ、さんまの味噌煮 


 <交通機関運賃、小屋代等>
 JR 熊谷~野沢(新幹線特急券含む)  9,070円
 西会津デマンドバス 野沢~弥平四郎  300円
 祓川小屋                無料
飯豊本山小屋            2,000円
門内小屋              1,500円
頼母木小屋             1,500円
乗合タクシー 足の松~奥胎内ヒュッテ 300円
お礼 奥胎内ヒュッテ~中条駅    1,500円
JR 中条~熊谷(新幹線特急券含む)  9,120円
                計 25,290円