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火打山・焼山・金山ワンデイ周回

アルバム  


3山域山名:頸城山群・火打山、焼山、金山(新潟県)
期  日:2014年10月11日(土)
参 加 者:L宮田、木村(計2名)
行動記録:笹ヶ峰1300m(5:20)〜十二曲1790m(6:05/6:15)〜富士見平(6:50)〜
高谷池(7:15/7:25)〜火打山2461m(8:25/8:45)〜影火打(8:55)〜
胴抜切戸2030m(9:45/9:55)〜焼山2400m(10:40/11:15)〜泊岩(12:00・12:05)〜
富士見峠2080m(12:15)〜金山2245m(13:10/13:20)〜富士見峠(14:10・14:15)〜
水場(15:10/15:20)〜杉野沢橋1260m(17:00/17:15)〜笹ヶ峰(17:45)
<天候:快晴>
 3連休は南海上にある猛烈な台風の動きが定まらず、どこに行こうか直前まで迷ったが、今年GWを初め幾度も山スキーで谷を巡った火打山から焼山の稜線をワンデイでトレースしてきました。

 深夜に笹ヶ峰入りしそのまま車中泊。駐車場は思いのほか空いていた。今日は長丁場なので、まだ暗い5時過ぎに笹ヶ峰駐車場を出発。寒気が残っているので5℃ほどと寒い朝だった。黒沢手前で薄明るくなり十二曲途中で日の出、尾根に上がると北アルプスが輝いていた。富士見平の先で焼山が見えたたが、あそこまで行くかと思うと、まだ高谷池は序の口か。

 すでに宿泊者が出発した後の高谷池ヒュッテ前は閑散としていた。先週末の初冠雪で、池の周囲の葉っぱはずべて落ちていた。もう晩秋の装いだ。天狗ノ庭の池で逆さ火打を眺めて稜線に上がると、北側には雷菱と落葉したダケカンバ、南側には惣兵エ落谷とGWにテントを張った影火打南面台地が見える。これでもかときれいに整備された登山道をたどると火打山の頂きに出た。雪のない山頂に来たのはたぶん30年振り?かも。百名山達成の方もいて、とても賑やかだった。さすが百名山。この連休も北アルプスなどメジャーな山域は大変なことになっているだろう。

 喧噪の火打山をあとに焼山を目指す。途端に稜線は静かになり、時々単独にすれ違う程度となった。登山道の管理は火打山周辺に比べれば行き届いておらず、この先にも営業小屋は一切ないが、こんな素晴らしい縦走路を目前にほとんどの登山者は引き返していってしまう。ガイドとグッズ紹介ばかりの登山雑誌全盛の悪影響と言えるだろう。

 右手の北側には何度も滑った山スキーの聖地・焼山北面台地、南側には鍋倉谷、惣兵エ落谷と雪山を自由にトレースした記憶がよみがえる。そして、正面にはドか〜んと焼山が大きく陣取っている。御嶽山の噴火があったばかりで、今日だけはおとなしくしてくれよと念じる。胴抜切戸からの壁はしんどかったが、今年の2回目の焼山の頂きに立つ。日本海から吹く風はとても冷たく、岩陰で昼食を取る。正面には山肌が燃えるような紅葉の雨飾山が見える。標高は低いが名山の威厳を放っているようだ。

 山頂からの下りは溶岩ドームの悪場が長く続く。灌木帯に入ると一段落でさらに下ると岩にトタンに蓋をしたような泊岩小屋がある。戸を開けると、中には真新しい黄色の現場用ヘルメットが10個ほどがぶら下がっていた。下げられた看板を見ると、御嶽山の噴火を受けて、糸魚川市が慌てて準備したようだ。

 富士見峠からそのまま下山してもよかったが、予定より2時間弱早いペースと、まだ余裕があったので(この時は)、金山への縦走路も行くことにする。金山は雪が積もると全山スロープになる山で、東西に広大な谷を拡げている。これらの谷をつなげるルートも楽しそうだ。振り返れば焼山と火打山が高さを競うように並んでいる。絶景の縦走路だが、細かいアップダウンの繰り返しにだんだん疲労が蓄積してきた。最後の急登は足取りも重く辛かった。

 金山山頂には2パーティがいて賑やかだった。秋に雨飾温泉側から登っているので2回目、これで妙高山から金山までの稜線がつながった。あとは雨飾山の間を残すのみだ。山頂をあとに富士見峠まで戻る。時間は午後2時を過ぎているが、下降に使う道はあまりよくないので、杉野沢橋には明るいうちに着きたい。焼山の急坂を延々と下ると、この時期にと思えるような豊富な流水があった。エアリアに水場とある場所だが、地形図を見ると春に切戸まで詰めた沢で、その時は雪に埋め尽くされた広大な斜面だった。

 紅葉の盛りは1600m付近で、西に傾き掛けた太陽の斜光線に照らされて、余計に赤みが増していた。地獄谷、裏金山谷、金山谷と3本の渡渉があるが、いずれも飛び石沿いで問題なく真川源流部を下る。すでに長い距離とかなりの標高差の登下降を続けたので、ふたりとも膝が悲鳴をあげていた。おまけに渡渉のたびにアップダウンがあり、ペースはがた落ちながら、何とか歩を進める。そんな中、夕陽に照らされた焼山の威容がとても素晴らしかった。やっと真川に降り立ち、明るいうちに杉野沢橋に到着。

 休憩してここから40分の林道歩きか…と諦めモードで歩いていたら、笹ヶ峰まで半分くらい行ったところで、真川の下りで抜いていった若者が車を回してくれた。無事に笹ヶ峰に到着。GPSデータでは、距離29q、累積標高差は何と3150mと、ハードなワンデイだった。(宮田記)