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「上越朝日岳」


【個人山行記録】

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山域山名:谷川連峰・清水峠、朝日岳、白毛門(群馬県、新潟県)
期  日:2015年9月30日(水)
参 加 者:宮田(単独)

行動記録:土合駅663m(6:30)→紅芝寮(7:30/7:40)→<新道>→白樺避難小屋(9:10/9:20)→<旧国道>→鉄砲平(10:25/10:35)→清水峠(11:10/11:40)→JP(12:55/13:00)
→朝日岳1945m(13:10/13:30)→笠ヶ岳1852m(14:15/14:30)→白毛門1720m(14:55/15:10)
→土合駅(17:00)
<天候:曇り後晴れ>

 紅葉真っ盛りの上越朝日岳、白毛門を旧国道で清水峠を巡りながら周回してきました。 土合駅前に車を駐めて出発。国道から林道に入ると、西黒沢橋はこの夏の集中豪雨で石に埋まり、隣を流れる湯桧曽川本流も水流は見えず、対岸のゼニレイ沢も渓相が変わってしまったようだ。昨今の集中豪雨の凄まじさを感じる。

 辿っている道は、明治7年、時の政府が湯桧曽から新潟県まで開通させた清水街道。最盛期の明治24年には、上州と越後をつなぐ交易路として往復旅人9,135人も行き交っていたというのだから驚きだ。現代は何人か清水峠を越えるだろうか。芝倉沢出合にあるJR見張小屋には昔の標識や石積みもまだ残っている。芝倉沢出合からの堅炭岩と芝倉沢左岸の岩壁は、この街道のハイライトだろう。今日は、紅葉もプラスして素晴らしかった。ただ、稜線は今秋初めての寒気でしぐれ雲がまだ覆っている。

 白樺避難小屋から武能沢を眺めて、その先の分岐から旧国道に初めて入る。元国道の名前から、緩やかな道を想像すると見事に裏切られる。蓬峠の急斜面山腹に付けられた道は崩落もあって悪路が続き、落ちないように慎重に進む。ほんな少しだけ国道の名残?でホッとする空間はあった。鉄砲平には大きな鉄塔が立つ。ここは東京圏に電気を送る現代でも大切なライフラインの大動脈だ。

 目指す清水峠はまだまだ彼方だ。東側には巨大な船のように朝日岳西面が横たわる。鉄砲尾根から清水峠の間は、穏やかな道が続きペースアップできた。監視小屋が建つ清水峠は、初冬の冷たい強風が吹き抜けていた。小屋の影で昼食を取る。その先の小さな建物の清水峠避難小屋は、2007年4月に土合から朝日岳ナルミズ沢を滑って宝川温泉までスキー縦走した際に1泊したが、今でも5本の指に入る山スキーだった。

 避難小屋からジャンクションピークを目指して急な尾根に取り付く。ここからが紅葉のピークで、素晴らしい景色の中を行く。たおやかな七つ小屋稜線の奥に急峻な大源太山はアクセントになり、巻機山から檜倉山、大烏帽子山にかけては、熊笹の緑に真っ赤なナナカマドが散りばめられ、まさしく錦秋という言葉がぴったりだ。

 草紅葉の朝日ヶ原の奥には、尾瀬や日光の山々。木道を詰めると、ほどなく朝日岳山頂へ。この3月にも山スキーでナルミズ沢を再訪したばかりだ。冷たい強風を避けて休憩するが、笠ヶ岳、白毛門と続く赤い稜線と、谷川岳一ノ倉沢と幽ノ沢の岩壁が素晴らしかった。

 笠ヶ岳に向かって稜線を行く。朝日岳東面は山スキーヤー憧れのナルミズ沢、大石沢、ウツボギ沢と魅力的な斜面満載。唯一未滑降の大石沢の偵察をする。東面斜面は下部に行くほど急峻になり、湯桧曽川本谷の処理が課題だろう。強風の笠ヶ岳山頂からは、今日巡って来た旧国道の全容を眺められた。黄や赤で彩られた白毛門を越えて、急な尾根を延々と下って土合に出た。素晴らしい秋のロングルートを満喫しました。