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雨の岩場の八海山
〜登山届の重要性を再認識〜


【個人山行記録】



◎山域山名:八海山(1778m/新潟県南魚沼市)
◎期日:2015年9月6日(日) くもりのち雨
◎参加者:4人(大人3人、小学1年1人)※CL金子以外は会員外
◎行程 ※―交通機関(A車)、…山中の徒歩
川越駅:7:05―〈A車〉―川越IC―〈関越道〉―六日町IC―六日町八海山スキー場9:05〜9:40―〈ロープウエイ〉―山頂駅9:55(S/18℃)…八海山遥拝所(1150m)10:00…女人堂の先(1380m)11:00〜11:05…千本檜小屋11:55〜(雨具装着など)〜12:25…不動岳12:45…〈八ツ峰〉…摩利支岳14:00…大日岳14:25…巻道合流点15:10(折り返し)…千本檜小屋15:55〜16:05…女人堂16:40…山頂駅17:10(G)―〈ロープウェイ〉―スキー場駐車場17:30―上の原高原温泉・龍虎18:20〜(入浴)〜17:30―六日町IC―川越IC―川越駅21:40(解散)―都内の自宅23:20     
※単純標高差約680m/行動時間7時間20分(休憩含む)

 参加メンバーの一人と9月下旬に穂高岳登山を計画していたので、岩場のトレーニングとして八海山を選んだ。全員ヘルメットを用意。小学1年生も連れて行ったのは、岩場の身の軽い身のこなしを五竜で見ていたからだ。岩場では終始、簡易ハーネスをつけて8mmロープ20mのアンザイレンで行動した。
 雨が予想され、中止もやむなしかと迷ったが、直前の予報が午前中は降らないと伝えていたので決行した。その通りの天候となった。ところが、CL親子が都内の自宅を出る時間が遅れ、川越でのメンバーとの合流・出発が予定より30分遅れた。この30分が後に大きく響くことになった。
 八海山スキー場に着き、登山届を出した。「車のナンバーも書いて」とあったので、その場で書き加えた。ふとしたこの行動も後に影響を与えることになった。
 ちょうど新潟の地元の高校生が学校登山で来ていたので、前半のハイキングコースが渋滞した。出発の遅れを取り戻そうと、集団を抜かしながら千本檜小屋に向かった。小屋に着くと雨粒が落ちてきた。目の前にはこれから入る八ツ峰がそびえる。風は強くなかったので、このまま進むことにした。
 八ツ峰は岩場というよりは鎖場だった。穂高などは、難易度が高いルートと言っても、岩のホールドを頼りに歩くことができる。ところが、八ツ峰は岩の形状から手がかり・足がかりがない場所が多く、完全に鎖に体を預けて登り下りをする場面が相次いだ。しかも雨で濡れて、つるつると滑る。小学生は確保しているので問題なかったが、同行者2人は肝を冷やしながら歩いていた。
 事前の情報通り、大日岳のピークからの下りが最大の難所だった。事実上、垂直だ。大人2人にも簡易ハーネスをつけ、CLによる肩絡みで確保しながら下りてもらった。20mロープがめいいっぱい伸びたころに安全地帯に下りていた。ここから千本檜小屋に巻道を戻るのだが、ここも片側が切れ落ちているなど歩きにくい。結局、コースタイムは2時間程度の千本檜小屋から八ツ峰の往復に約3時間半もかかってしまった。
この時点で午後4時。ロープウエイの最終は午後5時。しかも、山頂駅までのコースタイムは甘めの設定とはいえ1時間40分とある。運行会社に電話をして事情を伝えようとしたが、圏外で通じない。後で考えたのだが、目の前の小屋には管理人がいたため、連絡を頼めばよかった。雨も降り、道がぬかるむなか4人で一心不乱に駆け下りた。午後5時を過ぎたころ、携帯がやっとロープウエイ側につながった。すると「金子さんですね。待っていますよ」、と。午後5時を過ぎても戻ってこない車が駐車場にあり、登山届を調べるとこの日は小屋泊まりのパーティーがいないことから、1組はまだ歩いているだろうと判断して、営業終了を延長してくれていたのだった。記載していた携帯番号にもかけていたそうだが、我々が電源を切っていたこともあって、うまく連絡が取り合えなかった。小屋にも連絡を取っていたという。音信が不通のままであれば、遭難騒ぎになりそうで、危ないところだった。
結果的には山頂駅までは1時間10分で下り、無事にたどりついた。もし営業が終わっていたら、1時間半近い道のりの下山を強いられた。悪天候で行動の時間がかかることの見通しの甘さを強く反省した。と同時に、車のナンバーも含めて書いた登山届を提出する重要性をあらためて認識した。
(記・金子)