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南アルプス 北岳、間ノ岳、農鳥岳縦走

アルバム  

             
山 域:南アルプス 北岳3193m、間ノ岳3190m、農鳥岳3026m
期 日:2015年07月26日(日)〜28日(火)
参加者:L高橋 仁  相澤建二

行動記録 
25日(土)晴 熊谷18:00−奈良田駐車場22:00(車中泊)

26日(日)晴 奈良田駐車場5:30=バス=広河原6:15/6:50→二俣9:04/9:20→2400m10:00→二俣10:25/10:35→小太郎尾根分岐13:15/13:50→肩の小屋14:40

27日(月)晴 肩の小屋5:30→北岳山頂6:20/6:30→北岳山荘7:45→中白根8:40/9:00→間ノ岳10:15/10:30→農鳥小屋11:20→西農鳥岳12:20→農鳥岳12:50/13:25→ 大門沢降下点14:20→大門沢小屋16:30

28日(火)晴 大門沢小屋5:20→大古森沢出会7:05→休憩小屋8:05/8:15→第一発電所8:50→奈良田駐車場9:35=熊谷16:30




25日 台風12号が消滅して、下山まで好天が期待できそう。奈良田に到着すると、すでに入山している登山者の車がほぼ満車状態。一番奥のスペースに駐車して仮眠するが、パラパラと車が到着して、あまりよく眠れない。朝方までに何台かが、空きスペースに車を突っ込んで増えていた。奥の第二駐車場に向かった車も何台かいたようだ。


26日 5時30分の始発バスは増発して2台で広河原へ。北岳、千丈、甲斐駒の入山者でごった返している。野呂川越しに北岳の山頂が良く見える。広河原山荘で入山届をして登り始める。素泊まりの装備でザックが結構重い。大樺沢に沿った登山道は、雪渓が消えるにしたがって上下に幾筋かの道が出来ている。下の道を歩いていたため、二俣分岐やトイレに気付かず、そのまま八本場のコルに向かって進んでしまい、引き返したが1時間近くのロスになってしまった。右俣コースは、北岳バットレスを仰ぎ、シナノキンバイが咲き誇るお花畑を眺めて登り、小太郎尾根分岐に付くと、千丈岳と甲斐駒ヶ岳が目の前に飛び込んできた。奥には北アルプスや八ヶ岳、東に眼をやれば鳳凰三山の白い山並み、振り返れば雲の切れ間に富士山が見える。疲れが吹き飛ぶような景観に暫し身をゆだねる。一時間半遅れで肩の小屋に到着。案内された素泊まり用の大部屋は4人しかいなくて、貸し切り状態なので思いっきり体を伸ばして休む。


27日 起床して日の出を待つ。4時45分、薬師と観音の間、奥秩父の甲武信ヶ岳あたりから真赤な太陽が「ポッ」と昇って来た。それが、テント場を赤く染め、富士山の雲を染め、北岳を染めて行く。日の出を眺めて30分遅れの出発。今日の長丁場を頑張らなくっちゃ。平日とは言え北岳山頂は結構にぎわっている。日本第二の高峰に立てば、富士、鳳凰、八ヶ岳、甲斐駒、北アルプス、千丈、中央アルプスが迫ってくる。これだから、また登らずにはいられない。北岳山荘へ下る途中、写真を撮っている人に、珍しい「チョウノスケソウ」が咲いていると教えてもらった。北岳山荘を過ぎると登山者はほとんどいなくなり、静かな稜線だ。振り返れば北岳の端正な姿が見える。中白根も眺望抜群でいつまでも眺めていたいが、先を急がないと。稜線を登り返して間ノ岳に到着する。広い山頂は、岩礫が石畳のように広がり茫漠としている。塩見岳、蝙蝠岳、西農鳥岳が見える。塩見の左に遠く高い山々は荒川岳だろうか?ジグザグの岩畳を下り、農鳥小屋に着くと、雑誌で見たことのある、小屋の深沢さんが「こんな時間にのんびりしてないで、さっさと行け!」と追い立てる。一方的な物言いに少しむかつくが、遅れているのも事実なので素直に従うことに。西農鳥から農鳥は、北岳では少なかったキタダケソウやチングルマ、ミヤマダイコンソウなどがたくさん咲いている。農鳥で遅い昼食を取り、あとは大門沢小屋までの下りが長い。ひたすら下って小屋に着く。受付を済ませてから、少し遅れた相澤さんを迎えに行く。


28日 稜線は雲があるが、天気は良い。大門沢に沿ってまた長い下りだ。支流や、本流を何度か渡渉を繰り返し、導水口から道路(ダム)工事のためにつけられたう回路を登り返して休憩小屋に出る。この先は林道を歩いて発電所に付く。大門沢はここで野呂川と合流して早川となる・・・ そんなことを考えていたら、目の前を広河原→奈良田のバスが発車して行った。チョット惜しい気もしたが元々歩く予定なのでのんびりと駐車場まで歩いて、白根三山の縦走山行を締め括る。

地図を見ると、野呂川は甲斐駒、千丈、間ノ岳、北岳の水を全部集めて広河原を通り、鳳凰三山の水も集めて、更に農鳥、広河内の水を集めて早川になる。そして身延で笛吹川と合流して富士川となって駿河湾に流れる。今回の縦走路の分水嶺は、(間ノ岳から農鳥の西面を除けば)左右のどっちへ流れてもすべてが早川に帰結すると云う事に気付いた。ずいぶん歩いたが、釈迦の手のひらの孫悟空のような気もする。山は大きい!(高橋仁)