山スキー記録    熊谷トレッキング同人

雄山山頂から御前谷カールを舞う!
 立山 御前谷

アルバム

 
山域山名:立山・御前谷(富山県)
期  日:2006年5月21日(日)
参 加 者:CL宮田 SL木下 浅見、井上(計4名)

行動記録:扇沢(7:30)=室堂2410m(9:30:10:15)→一ノ越2705m(11:05/11:20)→
 雄山山頂3002m(12:15/13:15)〜御前谷2250m〜境界尾根2150m(13:45/14:05)〜
 タンボ平〜黒部湖西岸1450m(14:25/14:45)→黒部ダム(15:00)=扇沢

(天候:快晴)
 例年以上に残雪が残る扇沢からアルペンルートで室堂に向かう。11月下旬の初滑りから半年ぶりの室堂は、まだ16mもの雪の回廊があった。GWを過ぎると、室堂も山ヤより団体ツアー客の方が優勢だ。それも東アジアの観光客が多い。

 快晴の室堂を午前10時15分に出発、歩き出すと汗が噴き出すくらいに暑い。御山谷に向かう山スキーヤーで賑あう一ノ越でアイゼンを脱ぎ、雪の消えた夏道の稜線は浮き石だらけで結構気を使う。さすがに主稜線は風が強い。標高を上げるにつれて、槍ヶ岳から先々週に巡った黒部五郎と薬師岳、五色ヶ原は残雪で真っ白だ。午後0時15分に3003mの雄山山頂に到着。スキー板を担いでいるのは我々のみ、他にボーダーが2名登って来ただけで、この雄山山頂だけは10数名いる雪山登山者の世界だ。目的の御前谷カールをのぞき込むが、あまりの急斜面でカール底しか見えない。先行者のシュプールが3本あったが、岩が迫った斜面なのでシュルンドが見える。出だしの急斜面は注意しよう。

 雄山神社で無事の滑降を祈願して神社脇からGo!滑り出しは軽く40度超(45度くらいはあったかも)、でも軟雪のため不安はない(ちょっと腐れすぎたと思うのはちと贅沢か)。皆、蝶のように舞いながら200m下のカール底に集合する。見上げる斜面が逆光に照らされ、何とも荘厳ではないか。滑った感覚より、見上げた方がとても急に感じた(周囲が岩峰に囲まれていたからかもしれない)。

 カール底からも、ものすごいスケールのU字谷が延々と続く。今度はロングターンでクルージングだ。右手に2274mの岩峰が迫って来た、タンボ平との境界尾根に向かうトラバース開始地点だ。先行者のトレースに従い2250mからトラバース開始。小尾根を3本横切り、4本目上から雪壁をつぼ足で20m登ると、タンボ平が眼下に見える2150mの境界尾根上に出た。すぐ下には、送電線の鉄塔が見える。背後には垂直に聳える立山東面がグルッと囲み、素晴らしい景色のなか長い休憩を取る。赤牛、水晶岳の裾野を流れる東沢が正面に見える。この夏の沢登りで遡行しよう。

 さあ、黒部湖まではまだ700mも滑れるぞ。大雪によるタンボ平の大デブリを避けるように樹林帯沿いに滑降して黒部平へ、あとはブナ林の中斜面を滑りきると、午後2時45分に1450mの黒部湖西岸夏道に到着する。黒部ダムまでは15分の歩き、ダム上で木イチゴのソフトクリームを食べながら、皆で立山の岩峰を見上げた。   (宮田記)