期日 2002年2月23日〜24日(土日)
形態 幕営及び小屋泊 定着往復
参加者 CL大嶋 SL安藤 SL中野 SL豊島 SL青木 石川 軽石 安井 吉田 八木 栗原 逸見 駒崎 川辺
行程 23日 5:00熊谷市役所=花園IC=横川SA=佐久IC=渋御殿湯駐車場9:00着 10:00登山口発〜唐沢温泉分岐先尾根上・昼食11:15/11:42〜12:45黒百合平着 小屋手続き、テント設営。14:00〜15:00ヒュッテ付近にて雪上訓練 17:00〜18:00夕食 21:00小屋消灯
24日 天狗班 7:20 黒百合平(幕営地)発 中山班 7:30 黒百合平発 7:40-7:45 中山峠手前 8:10 中山山頂
8:10-8:15 尾根2470m付近 8:13-9:05 中山展望台 8:30-8:45東天狗岳 10:02黒百合平着
9:02-9:15西天狗岳 9:40-9:50 尾根2450m付近 10:07 黒百合平着 合流後 10:10〜10:50 テント撤収 11:10黒百合平発〜唐沢分岐昼食11:55/12:40〜13:12登山口着 渋御殿湯入浴 14:32渋御殿湯発=佐久IC=吉井IC=熊谷18:55着
行動記録
23日 絶好の日和の2日間であった。登山口には多数の車がありすでに出発済み、我々と相前後してスタートする人、それにタクシーで到着して登山する人が次々と来る。我々14人もスタートした。SLのA氏の先導で樹林帯をゆっくりと歩く。黙々と歩く人の列、雪を踏みしめるキュッキュッという音だけが聞こえてくる。足元に注意を払いながら歩き、その間一寸目をやると、頭上に、まわりに、ダケカンバ、オオシラビソ、コメツガ、ブナ、ヤマザクラの木々がある。常緑樹には雪がついている。高度が上がるに従ってかぶる雪の量が多くなっていく。この中を修行僧のように黙々と歩を進める。追い越していくパーティーが数隊。尾根に出ると太陽がキラキラと輝き足元を照らす。空はピーカン。
予定より早く黒百合平に到着。しかしゆっくりとしたペースで歩き通したので疲れは少しも感じなかった。リーダーの方々の細心の配慮の賜と思い感謝しています。
2時から地図の読み方。前もって地図で承知しておいて、その場に立つことの必要性を聞いたあとに、雪上歩行の練習、アイゼンをつけての歩行練習。説明を聞くと、正に理屈にあったものだ。より滑りにくい状態がつくれるものだと改めて感心した。
小屋泊はかなりの混雑であった。100人程が宿泊したその熱気と薪ストーブの熱が上昇したのと双方の影響か、汗ばみながらの一夜となった。
(幕営班は、追悼と称して夕食前からアルコールが進み、小屋に追加を買い出しにも行き、早起きも手伝って夕食後にはすぐに寝入ってしまう人、物足りない人もいましたが、人数に対してゆったりしたテントのおかげか、朝方は久しぶりに寒くて目が覚めました。
24日
中山班
昨日同様ゆっくりと先導してくれたので、景色を見ながら雪上をキュッキュッと歩く。中山山頂付近では立ち枯れた木々が目立った。全山が枯れているのではなく、2〜3割程が枯れている。酸性雨のためなのか、はたまた何故なのか。中山展望台は雪のため平坦に近く広い場所だ。360度の展望が利く。すぐ前の天狗岳では登頂している人の姿が見える。遠く雪をかぶった山々を見ながら言っている人がいる。「あれが御岳、乗鞍、穂高、槍」方向を変えて「松原湖、蓼科…」。それらを見入りながらのコーヒーは格別なものであった。この場所で『東京野歩路会』の旗のもと20人ほどの一団はツェルトの使用法、雪洞掘りなどの雪上訓練をやっていた。同じコースをゆっくりと下り、天狗班と合流して帰路についた。
(川辺記)
天狗班
快晴、微風の中、アイゼンを装着して、中山を目指すグループと共に出発。踏み固められたトレースを順調に進む。山頂まで、いくつものパーティーが登っていて、夏山のようなにぎわいだ。特に危険な箇所もなく、東天狗、続いて西天狗山頂に着き、360度の展望を楽しんだ。すぐ近くに、硫黄岳、横岳、赤岳、阿弥陀岳など八ヶ岳の山。遠くに、北西から、白馬、杓子、白馬槍、唐松、五竜、鹿島槍、針ノ木、表銀座、槍、キレット、北穂、奥穂、乗鞍、御岳、千丈、甲斐駒、北岳、金峰、上州の山々、浅間(富士山は硫黄岳?に隠れて見えませんでした)。帰りは、東天狗の下部をトラバースし、往路をたどって予定通り黒百合平に着いた。
(石川記)
初級冬山に参加して (山行の感想 駒崎)
冬山と言えるところへ行ったことのない私にとって、今回の山行に参加できたこと、その上またとない好天気に恵まれたことにとても感謝しています(これが冬山だと思うなよ、という声が聞こえそうですが)。参加山行がまだ少ないので他と比べられませんが天候のおかげもありとても余裕のある、ゆったりとした山行でした。また、夏の山小屋しか知らなかった私にとって、冬の小屋もこんなに混んでいるとは思いませんでしたし、とても賑やか(夜、宴会が各パーティーでおこなわれていた)なのにはびっくりでした。
それからアイゼンの有無の雪面のとらえ方の学習が出来たのはとても良かったです。学習はこれからも続けていってほしいと思います。ピッケルの使い方やザイルなどや、他パーティーがおこなっていたのですが、風のある時のツェルトの張り方や、雪洞掘りなど、今後天候に左右されると思いますが実体験出来る学習が出来たらよいと思います。
総評 安藤
10数年前、私の大学ワンゲル時代、クリスマスの冬合宿は毎年この黒百合平でした。雪を見たこともない南国出身者もおり、指導者の乏しいサークルにとって、好天の確率が高く、登れば展望もよく、小屋もあって安心できて、アルペン的に満足できる天狗岳もある黒百合平は、正に雪山入門の場所に最適です。
今回は本当に天気が良すぎる位良くて、訓練としてはちょっとは荒れたほうが良かったかなと言う声もありましたが、山行としてはとっても満足できるものでした。初日の小屋までは出来るだけゆっくりと歩き、何度か他パーティーに先行させましたが、このときも皆さんすぐにきちんと道をあけて、登山のマナーもしっかりしていました。小屋に到着設営後の歩行練習では、天狗の奥庭に上がる小屋前の斜面が絶好の訓練場所になっていて、他パーティーもこぞって訓練をしていました。やっておきたかったアイゼンをつけずにキックステップで登り下りする練習も、ここなら安心して出来ました。適度に固く斜度があり、キックステップもアイゼン装着後のフラット歩行もしっかりできました。他パーティーがやっていたピッケルによる滑落停止訓練はいつかやっておきたいことですが、訓練でピッケルで怪我をすることもあるので、もう少し慣れてからの今後の課題にしたいと思います。練習最後に展望の利くところまで登りましたが、この時は晴れているものの風が強く、目出帽の有用性を実感できたのではないでしょうか。
翌日はさらに天気が安定していました。天狗班は条件が良ければ行くとしていた西天狗にもあっさりと登れました。前日まで気温が高く、東側の雪面が適度に柔らかく歩きやすかったからです。もしこれが荒天と低温が続いていたらあそこはガチガチのアイスバーンで、アイゼンの歯も立たなかったでしょう。また下山路にとった東天狗のトラバースもさらに危険であり、今回のこの天気とこのメンバーでなかったら通らなかったでしょう。この日の条件ならば西天狗も中山班でも登れたとも思えます。でもその時はきっと帰りは東天狗へ登り返していたでしょう。
中山班も展望の良い場所でゆっくりとお茶をして、充分に山を堪能できたようです。講習、訓練としては足りないかな?とは思いますが、雪山にまた行きたい、と思える山行になったならば充分価値があったと思います。山頂で「東京登歩路(のぼろ)会」がやっていたという講習、参考になります。今後検討しましょう。
また今回は全ての人に役職を持って貰うようにしました。結果的に仕事がなかった人もいますが(無くて良かった医療など)、皆さんその役割を理解して行動していただき、おかげさまで大成功の山行になったと思います。ありがとうございました。
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