国内山行記録    熊谷トレッキング同人

北アルプス・赤木沢
浅見政人


1.日時  2004年8月6日(金)〜10日(月)前夜発3泊4日
2.目的地 北アルプス・薬師岳(2926m)・赤木沢遡行 
3.メンバー 浅見政人 宮田幸男 駒崎裕美
4.日程
8月 6日(金) 埼玉・江南町20:00=立山町25:00

 雷鳴と稲光の中を、予定通り出発。関越、上信越道、北陸道をつないで、北陸道・立山ICで降りる。富山地方鉄道の下段駅でテントを張って仮眠。田圃の中の無人駅であるが、駅の明かりにつられて地元の中学生たちが集まって来たが先客の我々を警戒してどこかに去っていった。

8月 7日(土)立山町5:00=折立7:30/8:00〜太郎平小屋12:15/12:40
        〜薬師峠キャンプ場13:00

有峰林道は6時にゲートが開き、20時に閉まる有料道路である。ちょうど6時過ぎに到着したが、ゲート前は20台ほど渋滞していた。折立のキャンプ場に着くと駐車場はほぼ満車。どうにか隅の方に止めたが路上駐車も多い。今回はテント3泊、しかも沢登り装備もあるので、重荷にあえぎながら、太郎平をめざす。はじめは樹林帯の急登だが1870mの三角点を越えると展望が開け高原状の緩い登りになる。木道が整備されて歩きやすい。途中雨に降られて雨具をつけるがすぐにあがる。太郎平はなだらかな稜線上の鞍部で気持ちのよい所。薬師岳はもちろん、雲の平、黒部五郎、水晶岳などが一望できる。太郎平小屋でビールや飲み物を買い込んで薬師岳方面に約20分の薬師峠キャンプ場に向かう。ここは水場も近く、トイレも清潔で快適な天場である。午後の2時から4時くらいまで太郎平小屋からスタッフが来て、キャンプ代の徴収とビールの販売をしている。到着して場所を探していると夕立が来て、雨の中を急いでダンロップテントを設営した。

8月 8日(日)薬師峠キャンプ場4:30〜太郎平小屋4:50〜薬師沢小屋6:20/7:00      〜赤木沢出合8:15〜ウマ沢出合 9:00〜大滝10:20
〜赤木岳12:20/13:10〜北ノ俣岳13:45〜太郎平小屋15:00
〜薬師峠キャンプ場15:30

3時起床、今日の行程は長い。あわただしく準備をしてヘッドランプをつけて出発。太郎平小屋までの登り返したころには薄明かりで見えるようになる。快晴、期待がふくらむ。太郎平から薬師沢小屋をめざして黒部源流に降りる。雲ノ平方面に行く人が多いからか木道も整備されていて歩きやすい。薬師平小屋で源流の様子を聞く。「黒部川の本流はゴルジュの部分を大きく高巻くと危険なのでできるだけ水線沿いに行くとよい」「赤木沢は大滝の上で右から合わさる1本目の沢を詰めると安全で早い」との事。渓流シューズに履き替えて入渓。
 はじめは単調な河原歩きだが、本流は水流が強い。何度か渡渉しながらすすむが、水量が多い時期は本流遡行は厳しいものになるだろう。本流が狭まり始めのゴルジュは右岸をヘツリ、2つ目は左岸を小さく高巻くと赤木沢出合の大淵に到着する。本流の小滝に挟まれた広いプールのような流れに右から赤木沢が流れ込んでいる。とてもきれいなところで、イワナ釣りをしながらのんびりすごせたら最高だと思う。
 赤木沢はゴルジュから始まる。左岸をヘツル事もできたが泳いで通過する。
赤い岩のナメは滑りやすい。やがて谷は広がり白い岩、透き通る水、両側の草付の緑、行く手に広がる青い空。噂以上に美しく、楽しい沢登りが続く。後続の5人組のパーティーとも笑顔で話しながら登る。「みんな目尻がさがっちゃうねぇ」途中のナメ滝で滝滑りをして釜で泳ぎ、童心に戻る。
 直登できる滝が多いのもこの沢の魅力である。やがて現れた大滝は約30mの直瀑でまず登れそうもない。左岸の草付を高巻き灌木帯に入って木の枝をつかんでぐいぐい登り、滝の上にでる。すぐに右から沢が合わさっているが、時間も早いの赤木岳に直接登れる2つ目の沢を選んだ。ここからは水量も減り、小さな滝を越えながら高度を上げていく。やがて流れも細くなり、水筒に水を詰めて、草原状の斜面を花を踏まないように注意して登り、ハイマツの藪をぬけると赤木岳の山頂に達する。
午後になると曇ってあまり展望はよくないが、快適に縦走路をたどって天場に戻った。この日も4時ごろの夕立があり、当初の予定より早く行動できたので濡れずにラッキーであった。


8月 9日(月)薬師峠キャンプ場5:45〜薬師岳山荘7:00〜薬師岳8:15/9:00
        〜北薬師岳9:30/10:20〜薬師岳10:50/11:20
        〜薬師岳山荘11:55〜薬師平キャンプ場12:30

 山スキーの偵察を兼ねて薬師岳をめざす。天場から樹林帯の急登を越えると高原状の薬師平にでる。チングルマやイワカガミのお花畑になっている。猛暑で花が早かった今年はチングルマも綿毛になってしまっていたが、一カ所だけ花が残っている場所があってうれしかった。薬師岳山荘から上はガレ場の登りで、避難小屋(単なる石積みの囲い)のある東南稜の分岐にでる。この場所と山頂の間が中央カールで山スキーには最高のスロープになる思われる。
 山頂には薬師如来像と鐘のある祠があって信仰の山らしい。山頂から北薬師岳をめざし、金作谷カールも偵察する。中央カールよりも険しい。スキーには厳しいかもしれない。
 往路を戻り。午後は天場でのんびりする。この日も夕立あり。

8月10日(火)薬師平キャンプ場5:30〜太郎平小屋5:50
〜折立8:10=循環器センター16:00

天候に恵まれて全ての予定が消化でき、気持ちよく折立に下山した。亀谷温泉の大山荘で風呂に入り(500円)、魚津で寿司を食べて満足し、魚津ICから北陸道に乗った。

5 食料係雑感
 今回は、軽量化を重視してアルファ米とジフィーズを多用した。
 @7日夜、イワシの缶詰、焼き鳥の缶詰、回鍋肉のジフィーズ、
      豚角煮丼のレトルトパック、アルファ米、カボチャのスープ
A8日朝、ラーメンおじや。チキンラーメンと前夜の残りのご飯をまぜ、               乾燥ワケギねぎを入れた。チーズ。
 B8日夜、ビビンバ丼(ジフィーズ)。アルファ米。わかめスープ。
 C9日朝、ラーメンおじや。チーズ。
 D9日夜、エビピラフ(ジフィーズ)、スパゲッティー(ジフィーズ)
      コーンスープ。海藻サラダ。
 E10日朝、五目ご飯。チキンラーメン卵スープ入り。梅干し。
     
朝は時間短縮のため、ラーメンや茶漬けなどが便利で食べやすい。
 缶詰の空き缶はろうそくを立てるのに便利。チキンラーメンは卵スープと混ぜるとうまい。 海藻サラダは山でうまい。梅干しは食欲がでる。長い山行には携帯用のフライパンがあると 何かと役に立つ。


赤木沢山行感想          駒崎裕美

 赤木沢はとても椅麗ですばらしい所と聞いていましたが、私にはハードかなと心配でした。北アルプスの沢なんて難しくないとは言ってもスケールが違うのでは? いつも以上に入渓するときは緊張でドキドキでした。入ってすぐは足元ばかり見ていて、景色を見る余裕はありませんでしたが、水の椅麗さ、イワナ、時折り見上げたときの空の青さ、沢を囲む両岸、背景の山、自然の造形美にうっとりです。ナメ滝が続いたり、沢が狭くなってもすぐ両岸にお花畑、進んでも進んでも飽きることのない美しさが続き、想像以上にとてもすばらしい所でした。天候に恵まれたこと、赤木沢に行けたことに感謝します。