国内山行記録    熊谷トレッキング同人

年末の上州武尊山報告
浅見 政人



山域山名:上州武尊山(群馬県)
期  日:2004年12月28日(火)〜30日(木)
参 加 者:CL大島 SL南雲 駒崎、浅見(計4名)
行動記録:
12/28 循環器センター(6:00)=武尊牧場スキー場(8:30)…リフト…第1リフト上1170m(9:45)→
 ゲレンデトップ1460m(11:15)→1570m(12:15)→1650m(13:20)→避難小屋1758m(14:10)
12/29 避難小屋1758m(6:30)→1840m(7:40)→鎖場下1950m(8:50)→鎖場上2050m(10:00)
 →頂上直下デポ地2100m(11:00)→武尊山頂2158m(12:05/12:15)→デポ地2100m(12:35)
 →鎖場下1950m(13:30/14:00)→避難小屋1758m(15:20)
12/30 避難小屋1758m(6:40)→ゲレンデトップ1470m(8:40/9:10)→
 ゲレンデ下部1100m(9:50/10:40)=循環器センター(12:15)

12月28日(火)晴
 年末までは暖冬傾向が続き、雪が少ないので山スキーで行くか、ワカンで行くか現地で判断しようと、両方の用意をして武尊牧場スキー場に向かった。幸いスキー場は第1リフトのみ運行、どうにか山スキーが使えそうである。
 第1リフト上から林道を使ってゲレンデトップを目指す。ゲレンデには我々以外誰もいないのに、音楽だけはガンガンかかっていた。1時間半の登りでゲレンデをぬける。ここからは静寂が支配する別世界である。岳樺の疎林をぬけ、サンショウウオがいるという泉を過ぎると見事なブナの原生林になる。緩やかな尾根をシールをきかけて快適に登るとやがて針葉樹林に入る、木につけられた赤布や赤丸のペイントをたよりに夏道をはずさないように歩いた。
 武尊山の避難小屋は針葉樹林に隠れるように立っていて、悪天候時には発見が難しいだろう。冬に入るときはテント必携である。小屋のまわりは50cm位の積雪で簡単に入れた。テントを張るのに充分な広さがあり、他の利用者がいないので小屋内にエスパースを張った。キムチ鍋がうまかった。

12月29日(水)小雪
避難小屋より上は尾根が明瞭になる。まだ積雪が少ないので夏道をはずすとクマザサや灌木にスキーがひっかかって歩きにくい。ラッセルを交代しながら歩くが、南雲さんのパワーに大いに助けられる。鎖場はスキーを背負ってアイゼンで登る。一部凍っていたので正解だった。
 鎖場上で再びスキーを着けて山頂を目指す。雪で視界がきかなくなってきたので赤布を立てながらすすむ。はじめ2144mのピークを目指したが夏道にしたがって南側を巻いていくことにした。雪つきが悪いので夏道沿いが正解である。視界は悪く頂上は見えないが地点登録してあるGPSの数値が小さくなっているので間違いはないようだ。ただ、矢印はあまりあてにならないようである。南斜面をトラバース気味に進み、頂上直下でスキーと荷物をデポして山頂を目指す。雪の急斜面を膝を使ったラッセルで登る。いやになったころシュカブラに覆われた日本武尊の像が現れ稜線にでたことがわかった。ここからは歩きにくい稜線を5分で武尊山頂2158mについた。
 雪とガスで何も見えないので記念撮影を済ませて早々と下山した。あっという間にデポ地に着き、スキーにはシールつけたまま慎重に下山する。鎖場はつぼ足で鎖をたよりに強引に通過。その後もシール付の滑りと歩きで小屋を目指した。途中の急斜面で踵を固定せずに滑ったので浅見が大転倒、針葉樹の下にはまる。こまめに固定したり解除したりすべきでした。

12月30日(木)雪
 スキー場までの下りのみで楽勝のはずだったが、昨夜からの新雪が膝くらいまであり、シールをつけて下りのラッセルである。交代しながら黙々と進む。スキーでのラッセルは左右のスキーのトップをぶつけるような感覚でやや内股気味に蹴り上げるとあまり雪の重みがなく楽である。つまり直前に踏みしめたスキーの上に蹴り上げたスキーを出していくようにすると、まっすぐに蹴り上げるよりも少ない力ですむ感じがする。約2時間で武尊牧場の東屋にでるここで初めてシールをはずしてスキー場内の滑降となる。重荷ながら今シーズン初の深雪を楽しみ、我々だけの静かな山行を締めくくった。