山行期日 04年8月20日〜22日
甲斐の白峰 (A隊記録)
白根 幸一
山域山名 南アルプス北岳、間ノ岳(山梨県)
メンバー A隊 CL新井、SL川辺、並木、八木、堀、吉田、宮崎(会員外)、白根
記 録 20日 芦安市営駐車場(7:40)── 広河原登山口(8:34/8:53)
〜白根御池分岐(9:21)〜大樺沢二俣(12:35/12:40)〜白根御池小屋(13:18)泊
21日 白根御池小屋(5:27)〜右俣コース分岐(7:10)〜小太郎尾根(7:30/7:39)〜
北岳肩ノ小屋(8:20/8:30)〜北岳3192m(9:20/9:40)〜池山吊尾根分岐(9:58)
〜北岳山荘(10:51/12:00)〜中白峰3055m(12:35)〜休憩(13:02/13:11)〜
間ノ岳3189m(13:52/1407)〜中白峰(14:59)〜北岳山荘(15:28)
22日 北岳山荘(5:33)〜池山吊尾根出合(6:26/6:35)〜八本歯のコル(6:58/7:03)
〜大樺沢二俣(8:50)〜白根御池小屋分岐(10:25)〜広河原バス停(10:50/11:06)
── 芦安バス停(12:07)
20日 市営駐車場からタクシーに乗りかえ、夜叉神峠のゲートをすぎ、まもなく土砂崩れで立ち往生、小石がパラパラ落ちている。車から降りて見に行く。近くの現場から人がやって来て写真を写し、重機で素早く石・木等を取り除いてくれる。一安心、発車オーライ。
広河原登山口で全員で記念写真(北岳をバックに)、道中長いB隊が先に出発。ゲートをくぐり、野呂川の吊り橋の上で強風にMさん帽子をとばされる。広河原山荘手前を左に広葉樹林帯を登って行く。30分程で白根御池小屋分岐に出る。大樺沢二俣方面に向かう。 数ヶ所沢の流れが登山道にあふれて、水の中を歩く。沢を渡り、石の上で一休み。雪崩の跡を見ながら登る。正面にバットレスの岩稜、後ろに観音岳・地蔵岳が見える所で昼食にする。
大雪渓があると案内書にあったが、今年は猛暑で消えているのか!二樺から右に仮設トイレの脇をとおり、アップダウンの高山植物のある山道を進む。
小屋に早めに到着。受付を済ませて部屋にザックを置き、池の前でティータイム。山行や海外トレッキングに話がつきない。
17:30 夕食 メニュー:カレーライス、スープ、福神漬け、らっきょう
18:15 就寝
21日 4:20 起床
4:55 朝食 メニュー:スクランブルエッグ、ハム、キャベツ、味付海苔、 つぼ漬け、梅干し、味噌汁、ご飯
昨夜は満天の星空だったのに今朝はガスにつつまれ、御池をあとに小太郎尾根までの長い急登にとりかかる。休憩していると宿を共にした団体がやってくる。草すべりから右俣コース分岐へ、下山の人が続々やってくる。
ハイマツに変わり、砂礫の坂を登って小太郎尾根に出ると、風が強く、汗ばむ肌に寒さを感じる。尾根道は展望よいとあるが、あいかわらず視界がきかない。
丸く太った雷鳥が姿を見せる。斜面の高山植物を眺めながら肩ノ小屋に着く。
岩稜の急登を登り、両俣小屋分岐をすぎ、岩の登山道をいったん下って日本第二の高峰の頂上に立つ。峰薄雪草を写し、ガレ場を下り、池上吊尾根分岐をすぎ小ピークまでくると、雲の晴れ間からやや前方に富士山、真下に北岳山荘の赤い屋根が覗く。吊鐘の脇をとおり山荘へ。
お茶・紅茶を淹れ弁当で昼食にする。荷物をサブザックに入れ替えガスの中を間ノ岳に向かう。
16:55 夕食 メニュー:魚の煮付け、カボチャ、切り干し大根、キャベツ、サラ ダ、つぼ漬け、梅干し、オレンジ、お吸い物、ご飯
19:15 就寝
22日 4:17 起床
4:55 朝食 メニュー:玉子焼き(しそ入り)、鯖の焼き物、蕗味噌、昆布の 佃煮、梅干し、つぼ漬け、味付海苔、とろろ、味噌汁、 ご飯
気温13度、今朝も霧と風の中を池上吊尾根に向かう。岩稜の登山道を過ぎると、一面のお花畑。紫色のキタダケトリカブトが目につく(他の花野名前はわからない?)。
前方に地蔵仏・オベリスク、観音岳、富士山もうっすらと見え、眺めの良い所だ。北岳、中白峰、間ノ岳は雲の中。長い丸太はしごの掛かった急斜面を下って、八本歯のコルに着く。コルの前後は、はしごの連続でキケンな場所もある。
数人のクライマーが、北岳バットレスを登っていく姿が見え、雪渓は完全に消えていて、石ころだらけの沢を下る。
二俣の仮設トイレが見えているが、意外に時間がかかった。
広河原バス停でB隊に再会。
参加費用:交通費、宿泊代、入浴料、共同費用 @23,400円
白峰三山縦走記 (B隊記録)
軽石 昭夫
メンバー B隊 3人 L大嶋、軽石(記録)、木村(会計)
記 録 20日(金) 熊谷3:30〜広河原発8:54(2:25) 二股11:19/11:25(2:00) 小太郎山分岐 13:27/13:45(35分) 北岳肩ノ小屋14:20着 行動時間5時間25分
21日(土) 肩ノ小屋発5:34(40分) 北岳6:14/6:20(55分) 北岳山荘7:15/7:30(35分) 中白根 8:05/8:12(58分) 間ノ岳9:10/9:40(53分) 農鳥小屋10:33/11:00(50分) 西農鳥岳分岐
11:5012:00(30分) 農鳥岳12:30/12:45(29分) 大門沢降下点13:14/13:20(2:10) 大門沢小屋15:30着 行動時間9時間56分
22日(日) 大門沢小屋発5:55(35分) 尾根上6:30/6:35(55分) 大古森沢出会7:30/7:35(1:00) 第一発電所前登山口8:35着 行動時間2時間40分
20日、A隊、B隊あわせて11人芦安の駐車場からタクシーに分乗し、広河原に向かった。
夜叉神トンネルを抜けてまもなく、通過寸前に側壁の崩壊があり20〜30分足止めを食らうが、工事現場がすぐそばにありショベルカーによる応急処置で、通行が可能になりホッとした。聞くと他にも崩壊が激しく工事が続いていて、この区間は通行時間も限られている。1時間かかって広河原に着いた。
日差しが強い。北岳の方を見上げるとガスをまとった頂上が意外に近くに見える。これほどの高峰が登山口から見えるというのは、稀有なことだろう。
B隊が先に出発した。大樺沢ぞいを進むと目指す方角にバットレスの岩場が見える。二股からは右俣を進んだ。急登2時間で広々とした尾根に出た。小太郎山の分岐である。高層部分がガスをまとっている為甲斐駒などは見えない。反対に東南の富士や鳳凰三山などは、良い展望である。北岳肩ノ小屋はやはり相当な混みようで、畳一枚に2人の割合だ。
食後、陽が沈むまえ一時ガスがとれ、甲斐駒などが良く見えたとO嶋氏は言う。又誰かがすごいブロッケン現象が見られたと話していた。かくいう私はすでに横になっていたが。
21日は朝から風とガスで視界悪し。5:30出発、北岳も間ノ岳も展望なし、何度も登下降を繰り返し、ひたすら前に進むのみ、という歩き方はなにかある種の苦行に近いものがある。間ノ岳から農鳥方面に下るとやっと前方に視界が開け、稜線に農鳥小屋が見え、その向うに西農鳥岳が立ち上がっていた。左側にあるはずの農鳥岳はガスに包まれていて見えない。小屋の前で大休止。元の計画ではこの農鳥小屋泊まりだったのだが、まだ10時半、当然ながら先に進むことにした。3,000mの稜線に登るとまた視界がなくなる。今日はこの繰り返しのようだ。農鳥岳を下っていくとはるかな先に大門沢降下点の目印がたっている。
案内書にある通り急な下りが続いた。樹林帯に入ったあたりで、左足のふくらはぎがつりそうになりあわててブレーキをかけた。行動時間が長いことによる疲れが原因だろう。2時間近く経ったころ沢に出て、やっと一息ついた。
大門沢小屋に着いたのは15:30.。10人ほどの先客がいたが、肩ノ小屋から来た人はいない。小屋は沢のそばのこじんまりとしたつくりで、下流のほうに開けた一角に富士山が見える、これが唯一の展望だ。昨日に比べゆったりと眠れることがうれしい。
22日は6時前に出発した。9時にタクシーを予約してある。急流のすぐ横にハシゴやパイプでささえられた橋が連続していて、スリルのある所だ。沢から離れ尾根を越えるあたりは、ブナやシラビソ、ミズナラ、カラマツなど見事な樹林帯である。3本の吊り橋を渡り、工事中の堰の横を通って林道に出、30分歩いて第一発電所前に着いた。待つまもなくタクシーが来て広河原に戻った。11時すぎに出るバスを待っていると、A隊の面々が戻ってきた。皆元気そうだ。聞くと、昨日のうちに間ノ岳を往復した由。
芦安に戻ってから、白峰館で入浴と食事を済ませ、帰路、渋滞中の中央道のSAで解散となった。今回はピークでの展望が得られず、満足感がいまひとつなのだが、くたびれた足がある種の達成感を得た思いがする山行でした。
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