国内山行記録    熊谷トレッキング同人

雪山訓練in谷川岳 山行報告


山域山名:谷川岳・天神尾根(群馬県)
期  日:2004年4月3日(土)〜4日(日)
参 加 者:4/3 CL南雲 SL浅見 石川、木村、白根、須藤、杤原、逸見、宮田 (計9名)
    4/4 つぼ足隊 CL浅見 SL白根 木村、杤原、逸見
        山スキー隊  CL南雲 SL石川

●4月3日の記録(谷川岳の天候:晴れ)
 熊谷市役所(7:00)=花園IC=水上IC=谷川岳ロープウェー山麓駅=天神平(10:40/10:50)
 →宿営地(11:30)…
 訓練(11:40〜16:15)
 ・雪洞掘り(11:40〜14:50) ・ピッケルワーク ・滑落停止 ・ザイルによる確保
 ・アイゼン歩行 ・弱層テスト ・ビーコン操作  ・テント設営

 夕食準備(16:45)−−夕食(18:00)−−就寝(20:00)

 谷川岳ロープウェイ山頂駅は、天神平スキー場のゲレンデ内にある。駅前でアイゼンを装着すると、同スキー場の北辺を辿りながら天神尾根へ出た。そして程なく天神沢を臨む斜面に、今回の宿営地を探した。
 「ヤッケの下は、出来るだけ薄着にして!」の指示を号令に、二班に分かれての雪洞掘りが始まった。当夜の宿泊に備えそれぞれ3人用または4人用の横穴を作ることになったが、それは大変労力のいる作業だった。
 その後の訓練は、滑落停止、弱層テスト、ビーコン操作等。
訓練が終了し、日帰り組がその斜面をスキーで帰途につくのを見送ると、夕食の準備にかかった。夕食には熱燗もつき、満月に近い月を愛でながらと、豪勢であった。
 翌日の水づくりを済まし、就寝。しかし寒さで時折目が覚めた。その度に、雪洞入り口を塞ぐツエルトに何かがぶつかり、細かくカサカサと音がしているのが聞こえた。果たしてそれは降雪であり、翌4日の行動中降り続くことになった。















●4月4日つぼ足隊の記録(谷川岳の天候:雪)
 起床(5:30)−−雪洞(7:30)→熊穴沢避難小屋(8:20/8:30)→谷川岳山頂トマの耳(10:10)
 →肩の小屋(10:25/10:40)→熊穴沢避難小屋(11:25/11:35)→雪洞(12:15)→天神平
 =ロープウェー山麓駅=水上IC=花園IC=熊谷市役所

 朝食を済ましテルモスにお湯を用意し終えると、行動を開始した。不要な物は雪洞にデポし、つぼ足隊はアイゼンを着けた。そして僅かに先発したスキー隊を追うようにトマの耳にむけ出発。熊穴沢避難小屋までは、比較的緩やかな上り下りが続いた。同小屋は深く雪に埋もれ、辛うじて積雪状況を示す目盛り板が顔をのぞかせている。積雪は340cm。
 樹林帯も抜け、ここからは急登が続き風雪が強くなった。頬に吹き付ける雪粒が冷たく痛い。ルートは立てられている旗竿を頼りにした。展望がきかないので俯いていると、雪面を刺すピッケルの金属音とアイゼンのサクサクをいう音のみが大きく聞こえてくる。長く感じた「肩の広場」までの道程も、そこで山頂を折り返したスキー隊と遭遇したことで、元気が戻った。
 山頂では記念撮影だけを済ますと、肩の小屋まで戻り行動食とテルモスから白湯を口にした。風雪はますます強まった。帰路も旗竿を頼りに進んだが、「肩の広場」を抜けたあたりで次の1本が見つからない。それを捜して隊列が2,30m四方にばらけた。お互いの姿ははっきりと確認できるのだが、その他は雪面と中空の境もなく真っ白。正直、途方に暮れる思いであった。しかしそれは物の4,5分であったのだろう、リーダーから指示が出た。隊列を整え、コンパスを取り出したリーダーに続いて歩き出すと直ぐに、捜していた「谷川岳3000回」おじさんの旗竿は視界に入ってきた。
 その後はスキーやスノーボードを携えた多くのパーティーとすれ違いながら、小休止を一度挟み雪洞へ帰った。    (記:杤原)

 <つぼ足隊CL(&テレマーク)浅見さんからの報告>
雪洞が快適でつい寝過ごして出発が遅くなった、雪洞から出ると雪で5センチほど積もっている。山スキーの2人が10分ほど早く出発、小雪のなか天神尾根をたどる。北西の風があり、雪に埋もれた避難小屋を過ぎて、熊穴沢側で風をさけて休憩。
 前日、アイゼン歩行の講習をしたが慣れないとどうしても踵側の爪を引っかけてしまいそうなので、気をつけて歩こうと声をかけた。視界は効かないが快調なペースで登る。西黒尾根と合流するケルンの所で降りてきたスキー隊と声をかけ合う。山頂は何も見えず、記念撮影だけで肩の小屋に降りる。ここからの下山は尾根が広く、ホワイトアウトの状態で尾根をはずさないように注意が必要だが、「谷川岳三千回」と書かれた旗竿が絶妙の間隔で挿してあり助けられた。
 熊穴沢避難小屋の手前でスキー隊から電話が入りロープウエー下の駅にいて、これからテントなど撤収のために雪洞まで上がってくれることになる。つぼ足隊が雪洞についたとき、ちょうど中で二人が休んでいるところだった。ここで浅見はつぼ足隊と分かれ、スキー隊に合流して、直接下山を試みるが・・急斜面、重いザック、へたくそテレマークと三重苦がそろい、悲惨なめに遭った。身の程をわきまえるべきだったと後悔したがどうにか下山することができた。皆さん、お疲れ様でした。