2005年9月10日(土)〜11日(日)
A―1隊
コース: 巌剛新道〜西黒尾根〜肩ノ小屋
メンバー:軽石昭夫 駒崎裕美 花森正雪 栃原茂樹 木村哲也 浅古剛
市役所に全員集合。隊ごとに車に分乗して出発。関越道を水上ICで降り、巌剛新道の登山口付近に車を停める。下山時に備えて、車を1台土合駅へ回送する。その間、パッキングを整え、準備体操をして体を解す。
天候は曇り。急登を考えると、このくらいが丁度良いくらいか。登り始めの道は、数日前に降った雨の影響で水流と一体となり、涼しさを感じる反面、歩きにくかった。足元の悪い、樹林の中の登山道を着実に進んでいき高度を稼ぐ。標高を上げるに従って、見晴らしも良くなる。樹林の切れ間からは、白毛門が正面に見える。マチガ沢の雪渓も見えた。景色の良いところでは迷わずに写真タイムをとりながらも、着実に歩みを進める。途中、鎖場も何ヶ所か通過したが、特に危険ということもなかった。ほぼコースタイム通りに西黒尾根との合流地点に到着。少し長めの休憩をとる。登山道を見上げると、所々に先を行く登山者の姿が見える。ここから先も傾斜はキツイ。
ゆっくりと着実に登っていく。登山道は岩が剥き出ていて滑りやすく、歩きにくい。途中まで登ったところで振り返ると、西黒尾根との合流地点に到着したA−2隊の姿を確認できた。傾斜が緩くなり、開けた場所へ出た少し先に分岐があった。昼食をとってから、山頂を目指すことにして、先に肩ノ小屋へ回る。
体力回復と後続のA−2隊を待つ意味で、たっぷりの休憩時間を過ごす。必要最小限の荷物を持ち山頂(トマの耳)へ。山頂でA−2隊と合流し記念写真をとる。雲行きがあやしくなってきた。軽石、駒崎、花森、木村の4名はオキの耳のピークを踏むべく、先へ向かった。雨がぽつぽつと落ちてきたので、足早に小屋まで戻る。小屋は広くて小奇麗で快適である。16時の定時交信で沢登りのB隊と連絡。B隊が小屋に着くのは日が暮れてからになりそうだ。こちらは快適な小屋の中で温かいお茶をいただいている。
B隊が無事に到着。みんな揃っての夕食を囲む。
9月11日(日)
行動記録: 肩ノ小屋5:45・・・熊穴沢避難小屋6:35/6:50・・・天神平ロープウェイ駅7:30 /7:50・・・土合駅9:05
天気は雨。朝食後にリーダー会議が開かれる。天候回復が見込めないことから、下山ルートの変更を決定。全員一緒に天神尾根を下ることになった。
雨具を着て小屋を出発。雨で濡れた岩や木の根で滑らないよう慎重に下っていく。雨は降ったり止んだりを繰り返していた。このような天候ではあったが、近場の山並みは見える程度の視界はあった。水上の街を眼下に見ながら、天神尾根を下っていく。
熊穴沢避難小屋で休憩をとる。歩いていると蒸し暑いが、立ち止まると体が冷えてくる。再び歩き出し、40分天神平駅に到着。ロープウェイは架け替え工事のため全面的に運行休止。ロープウェイ下の単調な道を下る。
土合駅に着いたところで行程を終了。天候悪化により当初の予定は変更になったが、満足のできる合宿であった。 (浅古 剛記)
A−2隊
コース:厳剛新道〜西黒尾根
メンバー:CL白根 SL逸見 大嶋、逸見、並木、吉田、高橋
行動記録:熊谷市役所(5:10)=花園IC(5:48)=水上IC(6:40)=登山口(7:10/7:35)→小休止(8:00/8:05)→第一見晴(8:30/8:45)→休水場(9:20/9:30)→休(10:05/10:20)→ガレ沢のコル(10:30)→休(11:00/11:20)→休(12:10/12:35)→トマの耳(13:10/13:15)→肩の小屋着(13:20)
登山口に着くが、ガスが立ち込め上部は見えない。駐車場は既に一杯になり、かろうじてスペースを見つけ止める。歩き始めて10分程で、沢沿いの道は冠水した。水流の中を足場を見つけながら進む。台風15号の遠い影響で暖湿流が流れ込み、滝のような汗で全身ずぶぬれ。長く山登りをしていて、こんなに汗をかいたのは初めてとの悲鳴。景色は全然見えず、わずかに足元のキンコウカ・イワショウブ・トリカブト・リンドウ等の花になぐさめられた。
終始マチガ沢の沢音を聞きながら、第一見晴に着き一休みしていると、ガスの切れ間から突然振り仰ぐ位置に、岩壁が見え、かすかに雪渓も見える。思わず歓声をあげる。水分を補給してもあとから、あとから流れ落ちる汗に、次第に疲労が重なり、バッタリとペースダウン。景色は見えず、滑りやすい岩稜は一枚岩や滑岩には鎖が付いているが、気の抜けない道をやっとの思いで登る。山頂に着き記念撮影をしていると、程なくポツリ、ポツリと雨が落ちはじめたので、早々に小屋に引きあげた。 (吉田 享子記)
B隊
コース:ヒツゴー沢
メンバー:CL浅見 SL木下 南雲、宮田
行動記録:谷川温泉(7:30)→入渓(9:20)→逆くの字滝下(10:00)→トイ状滝上(14:30)→肩の小屋(17:15)→谷川岳トマの耳(17:25)
湯テルメ谷川の奥に入ったところにある無料駐車場に車を止め、登山の準備をした。ここから寂れた登山道を歩き始める。中ゴー尾根といわお新道に向かうこの山道は、所々で沢床に降りるため、増水すると通行が厳しそうである。沢の中の方が歩きやすそうだったので、予定の登山道分岐点より少し手前で渓流靴に履き替えて沢に入った。
ヒツゴー沢の出合は貧弱な流れであったが、少し登ると水量が増してきた。一本目の滝、20メートル程度の逆くの字状の滝を超えるとゴルジュに入った。そこからは滝の連続で、いずれも登攀可能なものばかりであった。釜を持つ滝が多く、釜の側壁をへつりながら滝に取り付いた。泳いでも良かったのだが、もう少し暑くないとためらってしまう。しかし、シャワークライムのために結局はずぶ濡れになってしまうのであった。とにかく、次から次へと滝が現れて飽きさせない。時には思い切ったムーブでよじ登ってみるが、落ちても釜にドボンなら問題ない。所々、ナメ状の滝が現れ、美しい姿で目を楽しませてくれた。ナメ滝の滑らかな岩盤の上を水が走っていく。それだけの事なのだが、どうしてこんなに魅力を感じてしまうのだろうか。ザイルは念のために3箇所ほど使用したが、それほど厳しい箇所はなかった。
午前中は日が差していたが昼過ぎから怪しくなり、上部のゴーロ帯に出た頃からポツリポツリと始まった。遠くの方では雷が鳴っているようである。遅れを取り戻すべく、足を速める。しかし、雨足から逃げる事はできず、雨の中を黙々と源頭部へ詰めていった。
16時に縦走隊と無線で交信する。雨が強くなってきた。普段は水流の無い源頭部だが、足元を濁った水が流れ落ちていく。下のゴルジュの中は今頃、増水しているだろう。無事に抜けていて良かった。沢を忠実につめていくと、藪漕ぎもなく国境稜線へと出た。肩の小屋でビールの誘惑を振り切り、疲れた体に鞭打ってトマの耳の山頂へ上がる。こうして合宿初日の沢登りは終了したのであった。
メモ
・比較的大きい滝が多いが、中級者以上なら技術的には問題なく登攀可能。高度がある場面もあり、ザイルは用意した方が無難である。ザイル処理のスピードアップが必要と思われた。
・雨が降ると一気に増水しそう。ゴルジュもあるので、天候には注意が必要である。
・稜線へのつめは沢を忠実に辿ると藪漕ぎ無しで出られる。
・ヒルが居る。私(木下)はやられた。
(木下 宏文記)
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