日 程 05年5月28日〜30日
行 程 5/28 中房温泉8:15合戦小屋11:24/11:50燕山荘13:35
5/29 燕山荘6:05大下りの頭6:55/7:00喜作レリーフ8:30/8:38大天井岳
9:22/942大天荘9:50/10:00常念小屋12:45
5/30 常念小屋6:15常念岳7:14/7:25常念小屋8:10/8:30一の沢11:00
念願だった燕〜常念のコースを単独で歩くことになり、中房温泉の登山口に立った。
そして静かな登山道に足を踏み出した。第3ベンチを過ぎると雪が現れ、富士見ベンチのあたりからは本格的な残雪の道となった。合戦小屋から尾根にのぼりつめ、山荘を見ながらの歩きが結構長い。山荘に着き少し休んだ後、燕岳の頂上に立った。誰もいない。しばし独り占めし展望を楽しんだ。この日の宿泊者は20人程と静かである。
翌朝、6時過ぎ出発。早朝は良かった槍穂高の展望もかすんできた。縦走者は見当たらぬ。30分進んだ所に大岩が現れた。蛙岩だ。安全な冬道で通過する。大下りの頭を過ぎ
小さな上り下りを繰り返し、喜作レリーフのあるクサリ場で昨夜の同宿者に追いつかれた。
この人は連泊のつもりだったが、急に常念に行きたくなって今朝変更した由である。結局
この東京モンとは常念小屋まで同行することになった。大天井岳へは冬道の直登ルートで
登る。槍穂高の稜線はイマイチだが涸沢のカールが真っ白なのは良く見える。頂上直下の
大天荘はまだ雪に閉ざされ静寂に包まれていた。この時期こんなにも他の登山者と出会わないものなのかと、妙に感じ入りながら南下した。東天井岳から横通岳の先まで稜線の西側に道がついており、樹林が無いため雪もなく明瞭で歩きやすい。横通岳を巻くと眼下に
常念小屋が見えてきた。常念乗越までの樹林帯にはたっぷり雪が残っており、トレースがないと苦労する所だ。この日の泊まりは単独行の4人のみ、展望もなく暇な午後いっぱい
ビールを飲んではごろごろして時をつぶした。
3日目、寝坊をして4時半頃カーテンを開けると、朝焼け寸前の槍ヶ岳が目に飛び込んできた。隣はすでにいない。少々あせったが食後に登ろうと気持ちを切り替えた。他の2人はともに蝶ヶ岳を回って三股に下る計画だそうだが、きのう小屋の人に事故や遭難が出ていると聞いてビビっている。その彼らと前後して空身で常念岳に向かった。乗越から見上げると大きな山体だ。槍穂高は明瞭だがガスが出る気配もある。1時間かかって着いた山頂は360度の大展望である。風が冷たい。中腹では望めた鹿島槍や立山がかすんできた。蝶ヶ岳方面のルートは中ほどの樹林帯あたりが、雪庇もあってネックなのだろうかと
蝶行きの宇都宮在と話し、無責任だが頑張って行ってらっしゃいと言って下山した。
一の沢への下山は夏道が雪で埋まっているが、ルートをつけた直後なので心配ないとのこと。案の定急坂なのにスイスイ行ける。一の沢出会いに出ると、長大な雪渓を下るのだが、足元が適度に硬いためスピードが乗って楽しい。山スキーをやる人はこの何倍も楽しいのだろう。沢伝いの道に変わっていくつもの枝沢を渡り、雨に降られたりして一の沢口
に着いたら、1時間前には下山した例の東京モンがタクシー待ちしていた。こっちのほうが雪のせいでかなり早く着けたようだ。これから中房温泉に泊まりに行くという彼と別れ帰路に汗を流すべく、しゃくなげ荘に向かった。
一昨年来阻まれていた常念岳を、大天井岳とともに5月に縦走できたのは幸運だった。天候もまずまずで満足すべき山行だったと思う。
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