山域山名:北アルプス黒部川源流東沢谷・野口五郎岳・鳥帽子岳(富山県)
期 日:2006年8月17日(木)〜20日(日)
参 加 者:CL浅見 SL宮田 木村、駒崎(計4名)
行動記録:
8/17 北本(4:OO)=扇沢(8:40)=黒部ダム(10:OO)→御山谷出合(11:OO)→
平の渡し場(13:30/14:05)=対岸(1412)→奥黒部ヒュツテ(16:1O)
(天候;晴れのち曇り)
台風の動きが心配されていたが予定通り出発。扇沢でトロリーバスに乗るが登山者はほとんど見かけない。ツアーの観光客が多い。ダムから歩き始めるがダムに沿っての道は崩壊個所が多く、そこは丸太の木の長いはしごで通過。登ったら降りるといったことを繰り返すようになり、ちょっときつい。毎年作り直される所が多いと聞くとありがたく思わなくては。平の渡し場では待つように書かれていたが、すぐには来る訳はなくお昼をとり待つこと30分。いつものパフオーマンスか船頭さんは釣り竿をたらして舵をとり、着くころには大きな虹鱒が釣れていた。
ダム反対側も丸太の長いはしごが多いのにはちょっとうんざり。雲行きがあやしくなり雨が降り出すと同時に小屋につき、セーフといった感じ。小屋は私達の他4人位しかいなく思いがけないお風呂もありなかなかよい感じ。でもこの雨は激しくなり夜まで続き明日の沢の増水が懸念される。食事の後、小屋のおじさんが東沢について話してくれるには、三ノ沢まで行くのが大変、行けない時は増水の危険があるのですぐ逃げられる休勢で、と言われる。
8/18 奥黒部ヒュツテ(7:20)→一ノ沢(1O:20)→1650m地点(1O:55)→ニノ沢(11:20)→
三ノ沢(11:50)→1900mビバーク地点(14:1O)
(天候;晴れ)
すっきり晴れ渡り出発。少し行き読売新道と分かれ沢に入るが、上から見る沢はやはり流れが激しく大丈夫かなといった感じ。三ノ沢上部に4時までにはつこうということで徒渉開始。徒渉ではいつも感じるが背の高い方が断然有利だと思う。一ノ沢まで7回ほど徒渉するがなかなか手ごわい。浅見さんトップでザイルをはってくれ駒崎、木村さん、カラビナを通し徒渉。必死で濡れながら渡る後を宮田さんは楽そうに渡る。ザイルをつけ流れを飛び越す。幅はそれほどなく飛べそうだが重いザックに飛べず岩にぶつかったり(駒崎)お助けロープ120p×2で流されるのを引っ張ってもらったり、駒崎ほどはないが木村さん、宮田さんまでも流される。浅見さん本当にご苦労様。
日もまだ深い谷にはささなく、びっしょりでぶるぶるふるえる。どうにかニノ沢を通過するころには日もさし河原が多くなり徒渉も三ノ沢まで1〜2回と徒渉はあまりしなくていいかなあとちょっと安心。三ノ沢過ぎたころ12時ということでお昼。右岸によい感じのビバーク地がありそこでとる。
それまで景色を見る余裕はなかったが、日が差し、立山御山谷が谷間にきれいに見えると、北アルプスの沢だと実感する。この調子だと予定のビバーク地まで行けそう。三ノ沢を過ぎ、まだ時間も夕立も大丈夫。程なく歩いていくと左岸1900m地点の広いビバーク地に着く。きっとここが白い石の大地だろうということで今夜はここでビバークすることにする。
まだ日は高くのんびりツェルトをはったり干し物をしたり、釣りや焚き木を拾ったりと過ごす。夕食のマーボー茄子と味噌汁おいしかったです。夕立が必ずあると思っていたが、夜は焚き火を囲み満天の星、流れ星、夏の大三角形と木村さんの9月の学習の予行練習となる。お酒のせいか寒くはないと思ったが夜中さめたときには寒くてなかなか眠れなかった。かまぼこ型だったがダーブ型の方はさぞかしもっと寒かったでしょう。
8/19 ビバーク地(7:35)→2300m(12:O0/13:1O)→2400m(13:40)→東沢乗越(15:OO)→
野口五郎岳(17:10)→野口五郎小屋(17:30)
(天候;晴れ)
今日も晴れ。水量もだいぶ減ってきて徒渉には苦労しなくなるが、バランス感覚ない駒崎、石をピョンピョン飛ぶことがうまくできず苦戦する。でも水面に朝日がさし、水が澄んでいてとてもきれい。だんだんと沢上部がひらけてきて両岸が草むらとなって源頭部に近づく。12時、水もだいぶ少なくなってきたので(雪が残っている)ソーメン(これはとてもよい)、海藻サラダのお昼をいただき、程なく水がなくなるというところで水を汲む。がれ場もなくなりライチョウの親子に会ったり両側お花畑となる。雪が遅くまで残っていたようで初夏の花アオノツガザクラ、イワカガミ、チングルマ、クモマグサなど咲いている。さらに広大なお花畑(シラネニンジン、ハクサンフウロ、ムカゴドラノオ、クルマユリ)とハイマツをなるべく踏まないようやぶこぎ、東沢集越に出たのは3時、水晶岳はやめにして野口五郎小屋へと向かう。すいているだろうと期待しながらおそくに着くと小屋はなにやら騒がしく26名百名山登頂ツアー御一行様の夕食時間でした。ちょっとがっかりしたが夕食はてんぷらなどでおいしかった。
8/20 野口五郎小屋(6:05)→鳥帽子小屋(8:40/9:OO)→鳥帽子岳(9:35/9:55)→
鳥帽子小屋(1O:30/10:50)→2050m(12:O0/12:30)→高瀬ダム(13:38)
(天候;晴れ)
この日も天気はよく烏帽子岳までコマクサ咲く稜線を満喫。昨日までと違うのは登山者に多く出会うこと。烏帽子岳を往復し、後は無駄のない下りをひたすら降り、ダムに着く。タクシーもすぐに乗れ無事4日間終了。みなさんお疲れ様。お世話になりました。リーダーありがとうございました。増水により沢が無理な可能性が高く、サブコースもたてていただいたりしましたが、台風の影響もなく本当に天候に恵まれたと思います。感謝します。沢歩きは登山の中でも一番自然を感じると思います。自分ではどうにもならない自然の力、美しさを…。 (駒崎記)
他に出会った花 ミソガワソウ、ミヤマトリカブト、ミヤマガラシ、トウヤクリンドウ、イワギキョウ、ミヤマリンドウ、ミヤマアキノキリンソウ、ウサギギクなど
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