国内山行記録    熊谷トレッキング同人

権現岳・ツルネ東稜

山域山名:八ヶ岳権現岳(山梨県、長野県)
期  日:2007年11月3日(土)〜4日(日)
参 加 者:L浅見、栗原

行動記録:
11/3 美し森P1490m(12:35)→砂防ダム1750m(13:45/14:00)→出合小屋1840m(14:30)

<天候晴れ>行動時間2時間、累積標高差+370m/-20m、消費カロリー560kcal

 7:40に自宅鴻巣発。8:20に日高ステーキのどん着。荷物を積替えて8:40出発。すぐに圏央道に乗るが、渋滞情報が出ている。八王子JCTから下りの渋滞に引っかかる。小1時間ほどのろのろ運転が続くが、相模湖を過ぎた辺りから流れ始める。長坂ICで降り、八ヶ岳の東側に進む。紅葉真っ盛りのその名の通り美しい森の中のドライブを楽しんだ後、美し森駐車場に到着。準備した後、駐車場から50mほど登った美し森山で昼食をとる。赤岳と権現岳の間に明日登るであろうツルネがちょこんとある。車に戻りザックを担いで12:30いざ出発。

 林道の静かな道を紅葉を楽しみながら30分ほど歩くと分岐があるが、そのままゲートをくぐって直進する。ここから先はハイキングコースにもなっておらず、さらに人気がなくなる。唐松の黄色が太陽に照らされてきらきらひかっている。いい天気にも恵まれて最高のアプローチ道だ。唯一すれ違った人に話を聞くと、我々の他に学生パーティと単独行とすれ違ったので今日は小屋は満員だろうとのこと。

 さらに30分ほど歩くとそろそろ林道からはずれ、沢沿いに行く分岐があるはずで、地図とにらめっこしながら進んでいると、ご丁寧に標識があった。その後も赤布やペンキが印されているので、小屋まではまず迷うことは無い。砂防ダムを越えたところで小休止。その後いくつかの砂防ダムを越えて、少しの藪漕ぎをしたあと、あっけなく出合小屋があった。ここまで2時間ちょうど。

 小屋の中は先客がひとりいるだけで、ほっとする。学生パーティは先に行ったらしい。小屋は積めれば20人ぐらいは寝られる位の大きさで、地元の山岳会が建てたものらしい。土間には使い古されたストーブがある。また近くには川が流れているので水にも困らずなかなか使える避難小屋だ。さっそく水と薪を集めて夕食の準備をする。火を点けようとするが、これがなかなか点かない。しょうがないので持ってきたガスストーブである程度燃やすことにするが、けちって使い古しのガスを持ってきたの火力が足りず、これでもすぐに消えてしまう。結局単独行の人の助け舟で、その人のガソリンバーナーで一旦炭を作り、それを炉に入れてようやく点いた。久々にアルファ米ではなく、普通の生米を炊いてご飯を作り、生肉と生野菜でキムチ鍋という贅沢な夕食をとる。19時頃就寝。

11/4 出合小屋1840m(6:15)→ツルネ東稜取付1900m(6:40)→2040m(7:00/7:10)
 →2390m(8:00/8:10)→ツルネ2550m(8:45/8:55)→旭岳2672m(9:25)
 →権現岳2715m(9:45/10:10)→ツルネ2550m(10:55/11:05)
 →出合小屋1840m(12:40/13:05)→美し森駐車場1490m(14:45)

<天候:晴れ>行動時間8時間30分、累積標高差+1170m/-1420m、消費カロリー2700kcal

 4:30起床。さすがに11月ともあって夜は寒かったが、眠れないほどではなかった。使い古しのガスで何とか湯を沸かし、朝食をとる。泊まり用の装備とピッケルは小屋に置いて6:15小屋を出る。今日もいい天気だ。

 沢沿いをしばらく歩くと二股に別れているが右手・北側へ進む。すぐにまた二股に別れているがその間にある尾根がツルネ東稜だ。取付きポイントを探すが、上の権現沢側にまたご丁寧に標識があったので迷うことなく尾根に取付く。急登をひと登りの後2040mピークに到達。ここで小休止。その後すぐに熊笹の藪漕ぎが標高にして100mほど続く。熊笹にうんざりしてきた頃藪を出て、樹林帯の広い尾根の登りがしばらく続く。緩すぎず急すぎずの適度な登りだ。この辺りもところどころに赤布が巻いてあるので、変な尾根に取付いたり、沢に入り込まなければ迷うことはまず無い。バリエーションルートというよりも地元御用達の廃れた登山道といった趣だ。2400m付近の痩せ尾根に入ってすぐの展望が利くところで小休止。北側には赤岳、中岳、阿弥陀岳が並んで見える。赤岳の山頂付近だけ所々白くなっている。目指すツルネももうそこまで来ている。写真を撮った後出発。痩せ尾根の少しきつめの登りが30分ほど続いた後傾斜が緩くなり、ようやくツルネに到着。

 稜線に出て一気に展望が開ける。西側のふもとの森も赤々と染まっており、まるで赤潮の海のようだ。遠くには北アルプスがはっきりと見える。立山辺りは既に真っ白だ。ここから先は登山道を通って権現岳を目指す。旭岳までの岩場の登りのあと少し下って、最後に長い梯子を上りきると権現岳だ。最高点のスリル満点の岩の上に立って記念撮影。この辺り他の登山客も多く、山頂は記念撮影の順番待ちになっていた。富士山と南アルプスの山々が見える。十分に堪能した後下山する。

 復路は往路とほぼ同じ。ツルネで軽い昼食を取り、また東稜に入り、登りと同じルートを忠実に踏んでいく。2450m付近の間違えやすい尾根の手前で、登りでは気づかなかった標識があった。唯一登りと異なるルートを通ったのは100mの藪漕ぎの後、東稜取付き近くの2040mピークを通らず北側の沢に下りていったことぐらいか。まあ、程なく取付きの案内標識のところまで出たが、この道間違いで下ったことが今回一番のアドベンチャーな行程で、後は普通の登山とあまり変わらなかった。出合小屋まで無事戻り、デポしていた荷物を再パッキングして岐路に着く。また綺麗な森の中の林道を写真を撮りながら歩く。下りは1時間40分で駐車場に到着。

 帰りはふもとの温泉に入って汗を流し、高速に乗るがまたまた渋滞の案内。しかも今度のは深刻みたいだ。急遽一宮御坂ICで降り、奥多摩経由で帰る。R411の延々と続く峠道を越えて19時30頃ようやく日高に到着。浅見氏行きつけのラーメン屋で夕食を取って21時ごろ自宅に帰る。

 今回のルートは一般登山道でない分ひと気も無く、かといって難しいところも特別無いので晩秋の静かな山歩きを楽しみたい方にはおすすめです。        (栗原記)