国内山行記録 　　　熊谷トレッキング同人

年末山行・仙丈ケ岳

山域山名：南アルプス仙丈ケ岳（長野県、山梨県） 期　　日：２００７年１２月２８日(金)〜３０日(日) 参 加 者：CL南雲 SL浅見 駒崎､木村（計４名） 行動記録： 　当初年末の冬山は会津駒ケ岳の予定であったが、強烈な寒気が年末にかけてやってくるとの情報を得、会津駒に入山するのは自殺行為と判断。日程を一日早め、場所も仙丈ケ岳に変更した。 12/28　戸台駐車場(9:50)→1155ｍ(10:45/11:05)→1310ｍ(12:00/12:20) 　→丹渓山荘(13:10/13:25)→1700ｍ(14:20/14:30)→1880ｍ(15:20/15:35) 　→大平山荘(16:00)→長衛荘(16:30) 　戸台川の河原の駐車場に着くと予想に反して車は我々の他に２台のみ。ほとんどの人は明日以降の入山なのだろう。準備を整え出発。しばらくは河原を黙々と歩く。天気は高曇り。正面には雪をまとった稜線がみえており、形からすると甲斐駒への稜線にある双児山・駒津峰だろうか、今回天気はあまり期待できないので今のうちに景色をカメラに収める。 　堰堤をいくつか越えると踏み跡もはっきりしない河原の中を歩くようになる。テープがびっしり付けられていて迷うようなところはないが、荒れていて少々歩きづらい。側壁からは常時小石が崩れ落ちる音がしていて気味が悪いので足早に通過する。八丁坂への取り付き口も旧来の道は川の左岸をつたって登るようになっていたようだが崩れていて右よりの岩場にロープが垂らされていた。（後で山小屋で話を聞くと、今年の台風の影響で戸台川はだいぶ荒れてしまったようである。） 　八丁坂は確かに急登であったが道はつづら折についており、岩がごろごろしていた河原よりよっぽど歩きやすい。地面が凍りついていることが多くなった1700ｍ付近でアイゼンを装着する。この後すぐに雪道に変わり、グッドタイミングだった。1800ｍ付近の平坦地を過ぎ、最後の登りを頑張ってやっと北沢峠に到着した。 　テント泊の予定であったが、疲労困憊の我々は長衛荘の煙突から出ている煙に誘われるまま山小屋の中へ。中では大きな薪ストーブが焚かれていて暖かく天国のようだ。長衛荘は明日からの営業で今日は開業準備で開けているそうだが素泊まりなので問題なし、予約してあれば食事つきも可とのことだ。夕食時には漬物のサービスまでしていただいた。 12/29　長衛荘(9:35)→2195ｍ(10:20)→四合目(11:35)→大滝ノ頭2519ｍ(12:05/12:30) 　→長衛荘(13:55) 　６時出発の予定で４時半に起床するが、外は何と雨。この時期この標高で雨とは…。テント泊にしなくてよかった。小屋のおばちゃんもこの時期の雨は記憶にないとの事。とりあえず朝食を済まし、雨が雪に変わるのを待つがむしろ雨足は強まる気配。雨が弱まるまで小屋でごろごろして、幾分弱まった９時過ぎから準備を始める。 　とりあえず2195ｍピークまで行ってみてその後の行動を判断しようということで出発。交代でラッセルをしながら進む。樹林の中なので雨はさほど気にならない。2195mまで予定通りに来れ、雨も雪に変わり始めたので、森林限界下までを目標にさらに進む。ここで自分の体調がおかしい事に気づく。体が重く足が全然上がらずみんなに付いていけない。今朝から若干体のだるさを感じていたが疲労によるものだと思っていたが、どうやらかぜをひいてしまったようだ。それでもなんとか５合目の大滝ノ頭までたどりつけた。 　このすぐ上が森林限界だが、この先ラッセルがさらに厳しくなることが予想され、時間的にも限界なので今回はここまで。行動食を摂り、記念撮影をして、自分は駒崎さんに風邪薬を処方してもらい、下山を開始する。登るときは付いていくのに精一杯で分からなかったが結構な急勾配だ。１時間半ほどで無事長衛荘に下山できほっとした。 　このあとは小屋で長いティー＆アルコールタイム。今日は小屋開きということでお刺身とお酒のサービスまであり、大満足でした。 12/30　長衛荘(7:10)→1700ｍ(8:10/8:15)→丹渓山荘(8:50/9:00)→戸台駐車場(11:20) 　小屋のおばちゃんに今日帰っちゃうのはもったいないと言われながら見送りを受け長衛荘を後にする。1800ｍあたりは昨日の雨でだいぶ雪が融けた感じだったが、下るにつれていよいよ寒気がやってきたのか雪がかなり降り出す。上で雨に降られ下で雪に降られるのではあべこべだ。戸台川の河原がみるみる白くなっていく中、滑りやすくなった丸木橋を恐る恐る渡り、進んでいく。これから登る人たちと結構すれ違う。自分はまだ体調不十分だったが、とにかく下山しなければと歯を食いしばってなんとか駐車場までたどり着くことができた。 　寒いので着替えもそこそこに車に乗り込み温泉へ。伊那まで戻り、夏のアルプスでも使ったみはらしファームで風呂と食事を済ませ、帰路に着いた。　　　　　　（木村記）