熊谷トレッキング同人 国内山行記録
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大展望の蝶・常念⇔大天井岳縦走 |
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アルバム | ||||||
山域山名:北アルプス・蝶ヶ岳、常念岳、大天井岳(長野県) 期 日:2009年9月13日(日)〜14日(月) 参 加 者:宮田(単独) 行動記録: 9/13 三股P(6:00)→蝶ヶ岳(9:45/昼食/10:35)→蝶槍(11:10/11:30) →2512ピーク(12:50/13:00)→常念岳(14:25/14:50)→常念乗越(15:30) (天候:晴れ、稜線風強し) 当初は土曜日から入山しもっとロングコース縦走をと目論んでいたが、土曜は大荒れ必死だったので回避し、2日間の縦走となった。 6:00雨上がりの三股手前駐車場発。歩き出してすぐに本沢を囲むようにを綺麗な虹が架かっていた。6:10登山指導所がある三股で計画書を提出。登山道は本沢左右岸を縫うように進む。増水時には尾根手前吊り橋から常念登山道に登り返すとあった。7:30まめうち平は針葉樹に囲まれた平坦地。少し進んだ蝶沢左俣出合いからの常念岳はとても立派だ。標高上げていくにつれて気温が低がり、2300m付近からは体が寒さを感じるようになる。気温は5℃。三股からの登山道は非常によく整備されていて、上高地の半分で主稜線に立てる快適なルートでした。 9:45蝶ヶ岳山頂着。強風の山頂だ。槍穂高連峰は日本海からの冬雲に覆われている。寒くて休んでいられず、小屋に逃げ込む。蝶ヶ岳ヒュッテの昼食を頼んだら、喫茶は11時からと聞き、カップラーメン500円を注文。到着がちょっと早すぎたか。 10:35ヒュッテ発。防風用に雨具上着を着て歩き出す。小屋から蝶槍までは遮るものない大展望稜線が続く。槍穂稜線は見えないものの、その分東面のカール群の大きさが一際目立つ。足下には色づいた草花がちりばめられて、初秋の山に浸りながらゆっくりと歩を進める。蝶槍で長く休んでいると槍穂高稜線のガスが切れて槍山頂が姿を現す。皆、シャッターを切っていた。反対側の安曇野は、いなほの黄色がまぶしく光っていた。 11:30蝶槍発。急坂を下ると樹林帯のアップダウンがしばらく続く。風がないため今度は日差しで暑い。12:502512mピーク。ここから見る常念も立派立派。白い巨岩の威容だ。ここから一旦下って常念岳の急登へ。この登りでバテバテになってペースダウン。山頂までが長かった。 14:25常念岳山頂着。槍穂高は残念ながらまたガスの中。あとでネットで調べたら、この頃から3千m稜線では雪が降り始めたらしい。明日トレースする横通岳から大天井岳稜線をしっかり眺める。先日の岐阜県警ヘリ墜落事故の検証か、午後からたくさんのヘリが飛んでいた。前日にも悪天候の吊尾根で遭難があり2人が亡くなったとのこと。 14:50山頂発。眼下に見える常念小屋まではすっきりとした稜線を下る。足下には雷鳥親子が歩いていた。15:30常念乗越着。小屋でキャンプ受付(600円)を済ませ、テント設営。テントの中は暖かい。缶ビール2本飲んでまったり。今晩のテントは9張りと少なめでした。夕方になるとガスが取れて、槍から穂高稜線がくっきりと姿を現す。テントの外に出て、大喰岳に沈む夕陽をのんびり眺める。それはそれはきれいでした。 9/14 常念乗越(5:00)→横通岳手前ピーク(5:20/5:50)→大天井岳(7:25/8:05) →東大天井岳(9:00/9:10)→横通岳(9:55/10:15)→常念乗越(10:35/テント撤収&昼食12:00) →前常念(13:00/13:15)→三股P(15:30) (天候:快晴のち霧) 寒さに何度も目を覚ます。あとで小屋に聞いたら、今朝の最低気温はマイナス3℃!初氷だったらしい。テントフライもバリバリに凍り付いていた。5:00まだ暗い常念乗越発。空は三日月に満点の星空に天の川、槍穂高稜線には小屋の灯りが点々と見え、安曇野側は大運海の上に浅間山と八ヶ岳がくっきりと頭を出していた。荘厳なる風景となこんな景色をいうのだろう。5:20横通岳手前ピークで朝焼けを眺める。ちょうど浅間山の上から太陽が上がった。朝日に染まる槍穂高に感動のひと言です。もうこれで、今夏の鬱憤は晴らした気分です。 5:50ピーク発。横通岳の巻道から東天井へ向かう。途中で猿の群れに遭遇。20匹はいた大集団だ。8月の白馬朝日岳直下でも遭ったので、もう主稜線にも猿は普通に生息しているらしい。上高地では、そろそろ追い払いも検討し始めたと聞いた。サクサクと立派に成長した霜柱を踏みながら歩く。一ノ俣谷源頭部は広く穏やかで素晴らしい。東天井岳を巻くと、剱立山、白馬方面がばっちり見える。尖ったピークのすぐ奥が大天井岳だ。 7:25大天井岳山頂着。誰もいない静かな山頂でのんびりコーヒーを飲みながら大展望を楽しむ。眼下にはまだトレースしていない燕から東鎌尾根に続く表銀座コースが見える。高瀬ダムに水は真っ青だ。結局、山頂をあとにするまで独占でした。 8:05山頂発。常念乗越までの帰路はゆっくりと山スキールートの偵察をしながら歩く。 9:00ちょっと寄り道して東天井岳山頂着。中山への稜線には踏み跡があったが、残雪期に横尾方面の下山ルートとして利用されているらしい。9:55またまた寄り道して横通岳山頂着。一ノ沢方面の地形を観察する。 10:35常念乗越着。張り放しのテントは自分のみ。天気もいいので、フライ、本体とひっくり返して干す。テント撤収して常念小屋で昼食タイム。今日はカレーライス900円にありつけた。小屋番から常念岳周辺の山スキールート、一ノ俣谷の廃道や二ノ俣谷の情報を聞いた。 12:00常念乗越発。前常念岳巻道への標識がなかったが道はしっかりある。分岐の石に小さな×があったが、通行止め?とも頭をよぎったがそのまま巻道へ。数年前に歩いていたが、それよりさらに道が荒れていてブッシュもひどかった。一部、崩れているところもあって、最近はまったく整備されていない感じだ。この急傾斜だと雪崩や雨でしょっちゅう崩壊があって、登山道整備が大変なのだろう。無事に前常念岳すぐ上の合流点へ、こちらはやっぱりロープが張ってあり通行止めの表示があった。この巻道もすぐに廃道になってしまうだろう。(2009年版エアリアマップには整備不良で通行不可でした) 13:00前常念岳着。安曇野側の谷はガスが沸いて展望はない。2207mまでは砂礫と巨岩、浮き石だらけの下りで少々歩きづらい道。樹林帯に入るとつづら折れで歩きやすくなって一気に標高を下げる。15:25三股着。駐車場まではあと10分足らず。今回もよく歩きました、満足な山行であった。 <常念岳周辺の山スキールート> ・4月末の小屋開けから一ノ沢ヒエ平まで車で入れるので、常念乗越まで約4時間。常念岳のみなら日帰りで十分可能。 ・この山域の山スキーヤーはGWでも少数であるが、ほとんどが日帰りです。 ・GWの常念小屋は結構混雑するので、小屋利用なら5月第2週がベストでしょう。雪が多い年なら中旬までOK。 ・常念山頂下から北西の沢状斜面は超急斜面、ほとんどは中腹からの滑降らしい。 ・反対側の北東ルンゼも滑降可能だがこちらも超急斜面、積雪が多いので雪崩要注意とのこと。 ・ちょっと足をのばして、東天井岳南面に広大に拡がる一ノ俣源頭は間違いなく飛ばせます。この地形は山スキー天国です。一ノ俣を滑り、出合いからちょっと登り返せば常念乗越に戻れます。 ・東天井岳南西尾根から一ノ俣谷は標高差400mの急斜面1枚バーンでしょう。 ・東天井岳から二ノ俣谷側も広大な斜面です。ただし、滑った斜面を登り返すので体力勝負になります。 ・東通岳南東沢も滑降可能、下山時のアクセントになります。 ・春なら、常念乗越から一ノ俣谷経由(またはコルから二ノ俣経由)で横尾まで滑降可能だそうです。滝も埋まっているか、または斜面トラバースで。 ・蝶ヶ岳北東斜面も山スキー向きです。特に蝶沢か左岸尾根がいいでしょう。厳冬期に林道ラッセルすれば、超粉雪パウダー間違いなしです。 来シーズン計画します。是非、行きましょう。 |