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浅間山山頂登山

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山域山名:浅間山(長野県、群馬県)
期  日:2010年7月19日(月)
参 加 者:宮田(単独)

行動記録:峰の茶屋1400m(4:15)→小浅間分岐1560m(4:38)→東前掛山2450m(6:06/6:10)
→浅間山山頂2568m(6:27/6:35)→東前掛山2450m(6:51/7:05)
→小浅間山1655m(7:58/8:17)→峰の茶屋1400m(8:41)

 せっかく梅雨が明けたので、当初は7/18,19で北沢峠→アサヨ峰→鳳凰三山とテント1泊で縦走する予定だったが、先週から引きずっていた夏風邪が回復せず、この炎天下に丸2日間歩き通せる自信がなく、出発朝に断念。3連休すべてを静養しても芸がなく、肉体も気持ちもなまってしまう…。という訳で、体調今ひとつながら短時間でしかも森林限界上を一気に登って下れる浅間山に行ってきました。

 ちなみに、峰の茶屋コース、もちろん噴火口付近は登山禁止なので、決してお勧めはしません。入山口の登山カードにもあらかじめ、「目的の山は小浅間山」と印刷されています。登山道入口の看板はどうも微妙な言い回しなのですが、当然ながらあくまでも自己責任です。

 4時15分に峰の茶屋を出発。空が白々し始めた程度で、まだ薄暗い。小浅間山分岐の本峰登山道入口にはトラロープと町・警察の禁止の看板があった。最初は鬱蒼とした灌木の中を上るが、50mもすればすぐに森林限界となる。ちょうど日の出の太陽が昇ってきた。浅間山東斜面が美しく染まる。登山道は山頂まで延々と砂礫が続くが、観測用機器を運搬するためか、東前掛山までキャタピラの跡が残っていた。

 明け方直後とあって、登っている最中はずっと山頂から吹き降りる風で、‘息をする’冬型の季節風と違って常時10m以上はあった。まともに逆風なので、踏ん張って登る感じだ。浅間山は2007年2月に山スキーで登っているが、その時は山頂直下2510mで異臭を感じて本当の山頂には立っていない。今回は山頂に立って火口を見てみたい。

 6時に東前掛山へ。真夏といえでも強風のおかげで、視界は最高にいい。金峰山の上に大きく聳え立つ富士山の雪渓まではっきり見える。逆に関東平野はすでに靄が立ち込めている。あまりに風が強いので長袖シャツを着る。これだけ風が強ければガスも飛んでしまうので山頂は大丈夫でしょう。一旦鞍部に下りると、少し硫黄臭い。窪地に立ち入ると危ないので高い場所を歩く。意識がしっかりあるのを確かめるため、ラジオの音量を最大に上げ、鈴の音を聞きながら山頂ドームを登る。(いざ、毒ガスを吸ってしまうと意識も何もないと思いますが…)

 来ました浅間山山頂です。山頂に立って恐る恐る噴火口を覗き込む。スゴイ!という言葉しか出ない。至る所から硫黄と小さい煙が吹き上がり、火口全体が火山性ガスの影響か霞んでいる。火口壁もすべて垂直となっている。硫黄臭も強く、何となく?熱いような気もする。活火山の噴火口はこうものなのか。地球のエネルギーを直かに、目の前で見られて感動しました。50mほど縁を南側に歩く。冷静に見てみると、火口の奥に北アルプスがずらりと並んで、絵になる景色だった。

 火口から沸き上がる灰色のガスが目視できたので、そのガスの方向が下山路から逸れたのを確認してから山頂を後にした。東前掛山から南斜面の弥陀ヶ城岩を見下ろす。高速からよく見える浅間山南面の大きな窪地状の沢だ。上部は超急斜面で、積雪量、雪質、天候といい条件は希だと思いますが、山スキーで滑降できたらきっと豪快でしょう。景色を楽しんだらあとは砂礫の斜面をひたすら下るのみ。明け方の吹き降りる強風はすっかりおさまり、気温が上がって生暖かい上昇気流となっていた。

 分岐からひと登りで寄生火山の小浅間山へ。ここからの浅間山東面の眺めは素晴らしい。靴を脱いでしばし休憩。8時41分に峰の茶屋着。帰路の旧国道18号線は、大観光地軽井沢に向かう渋滞が中軽井沢駅前から始まっていた。      (宮田記)