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小松原湿原・苗場山・鳥甲山


山域山名:苗場山・鳥甲山(新潟県、長野県)
期  日:2010年7月23日(金)〜24日(土)
参 加 者:CL新井勇 SL大嶋 川辺、逸見、軽石、白根、高橋、滝沢(計8名)

行動記録:
7/23 【小松原湿原】
熊谷市役所(6:30)=塩沢石打IC=黒滝手前ゲート駐車場730m(8:50/9:00)→
黒滝上の橋840m(9:25)→川の徒渉870m→休み(10:10/10:20)→
T字路合流点1115m(11:10/11:20)→小松原湿原下ノ代1339m(12:20/昼食/13:00)→
T字路合流点(13:40/13:50)→黒滝上の橋(14:45/14:50)→黒滝手前ゲート駐車場(15:00)


 総勢8人が車2台に分乗して出発しました。小松原湿原へのアプローチは、津南町大場で車を乗り捨てて、車両交通止めの林道を延々と歩くコースもありますが、今回は案内書に「黒滝コース」として紹介されているコースをとる事にしました。こちらの方が距離が短かくなります。

 津南から秋山郷方面に入り、途中の「太田新田」で左に折れ、細い林道をどんどん詰めます。林道は黒滝手前でゲートで遮られますが、その手前に駐車しました。

 ここから登山を開始しますが、しばらくは林道が続きます。途中森林組合の職員が路肩の草刈りをしていました。聞くとこの人たちも、このコースで湿原に登った事はないそうです。

 黒滝の橋のたもとから登山道に入りました。夏草が背丈以上も茂って、踏み跡を探しながら登りました。しかしすぐに道が無くなって、少し下って所で徒渉になります。大嶋さんがまず渡って、その先を探索しましたが、何とか踏み跡があるようです。沢の幅は3m程。このところの雨でかなり増水しています。踏み石を探しながら何とか渡りましたが、川辺さんは徒渉は無理と判断して、車で待機することになりました。

 この先もしばらくは背丈を超えるワラビ、イタドリの中を踏み跡を探しながら登ります。このルートは登山者も少ないらしく、ほとんど整備されていません。しかしその分だけ花はきれいで、エゾアジサイは各所で濃いブルーの花を付けていて、トリアシショウマの白い花も沢山見られました。その他にはハナイバナ、ツルアリオドシ、ギンリョウソウなどを見ました。ギンリョウソウは丸いつぼみ状のものや枯れ始めているものも見ました。

 T字路合流点では、大場集落上の開拓地からの登山道と合流します。ここからは登山道も広くなりますが、相変わらず樹林の中の登りです。

12:20にやっと小松原湿原・下ノ代に出ました。静かな小さい湿原で、ワタスゲの白い綿毛が目立ちました。その他にツルコケモモ、キンコウカ、トキソウの残り花、モウセンゴケのつぼみなどを見ることが出来ました。

 湿原はこの上に中ノ代、上ノ代と続きますが、我々はここ下ノ代を最終点として、下山することにしました。昼食を木道の上で1列になってとりました。我々以外の登山者は1人も見ませんでした。

 下りはもと来た道をたどりました。駐車場近くには、沢水が勢いよく落ちていて、冷たい水でのどを潤し、顔を洗ってほっと一息つくことが出来ました。

 このコースは花も豊かな咲いていて魅力的ですが、あえて注文を付けると、徒渉の場所に丸太の橋が1本ほしかった。橋があれば随分安心して登山が楽しめると思います。

 宿の「のよさの里」では、早速温泉で汗を流しビールで乾杯、、美味しい山菜料理を楽しみました。


7/24 【苗場山】
参 加 者:CL新井勇 SL滝沢 白根、高橋(計4名)
行動記録:「のよさの里牧之館」(7:00)=登山口駐車場1293m(7:25/7:40)→
5合目手前(8:40/8:50)→苗場山の北斜面取付(9:15)→(9:40/9:50)→
苗場山湿原2000m(10:25/10:35)→灌木の中2050m(10:50/11:00)→
苗場山山頂2145m(11:35/昼食/12:20)→苗場山湿原2000m(12:55/13:05)→
(13:40/13:50)→(14:40/14:45)→登山口駐車場(15:08)

 朝3時半に起きて、鳥甲山に出かける4人を車で送ることになりました。4時過ぎに2台の車で出発、下山する予定の、屋敷温泉上の登山口駐車場に大嶋さんの車を駐車します。ここで4人を滝沢車に乗せて、切明温泉上の登山口をめざしました。道は鳥甲の山麓を南下、登山口を経由して信州・志賀高原方面に続いています。私は、登山口で4人を見送ってから切明温泉によって河原を散策、その後宿に戻りました。

 朝食は6時半、出発は7時です。「のよさの里」を出て林道を上り登山口をめざします。登山口の駐車場は予想以上に拡張されていて、車が百台以上駐車できそうです。下山の時には大型バスが何台も駐車していました。昔の狭い駐車スペースから考えると、大拡張と言えます。

 私が初めてこの登山口から苗場に登ったのは、1991年11月14日のことです。登山道には既に雪が積もり始めていました。この年8月、村越昇先生から呼びかけられて初めてインド・ヒマラヤ・トレッキングへ行って、その総括会議のために秋山郷・「のよさの里」に来て、苗場山に登ったのでした。この日までに冊子『私たちのヒマラヤ旅行』第1号を完成させ、皆さんにお披露目しました。この冊子はその後『私たちの山旅』と名前を変えて、熊トレの報告集として今に続いています。さらに個人的な思い出を述べると、私たちの先輩、須田あきら先生はこの直前交通事故で亡くなり、14日には葬儀が行われたのでした。19年前のことです。

 登山口出発は7:40。始めから登山道は険しく、苗場山北斜面は遙か遠くに見えます。先日のNHK「ためしてガッテン」で、楽に登山するためには「演歌」を歌いながらゆっくり登るのがコツ、とのことだったので、鼻歌を歌いながらゆっくり登ります。北斜面にとりついてからはさらに道は険しく、何カ所もロープ、鎖が垂らしてあります。

 途中マイヅルソウ、ゴゼンタチバナ、モミジカラマツ、ヨツバムグラ、オオバミゾホオズキ、ニガナ、ミツバオウレン、ホツツジ、ハクサンシャクナゲ、エゾアジサイ、トリアシショウマ、ツルアリドオシなど沢山の植物が見られました。

 標高2000mでやっと山頂の湿原に着きました。高層湿原の原は平らに広がり、その代わり日陰はありません。日差しは強いです。湿原に出たところに木道のステージがあって、10人ばかりの登山者が休んでいます。そのグループの1人は、ハモニカを吹いて歓迎してくれています。一曲終わる毎に誰もかも大拍手です。

 これ以降は木道をゆっくり歩きながら、写真を撮り、湿原植物を楽しみながら行きます。湿原には、ワタスゲ(実)、キンコウカ、モウセンゴケ、タテヤマリンドウ、イワカガミ、イワイチョウ、ネバリノギラン、シナノオトギリ、コバイケイソウ(残花)、チングルマ(花は少々、殆ど実)、トキソウ(残花)、ニッコウキスゲ(蕾)などが咲いていました。

 山頂をしっかり確かめて記念撮影。三角点は一等三角点の石標でした。すぐ近くの山小屋は最近閉鎖され、山頂の小屋は1軒だけが営業しています。小屋の下の広場で昼食にしました。木道のベンチには昼寝をする中年男もいます。確かに最も贅沢な昼寝かもしれない。

 下りは木道をゆっくり下り、登山道はもと来た道を下ります。駐車場に到着すると、大型バスが何台か待機していて、車のスペースはかなり空いていました。林道を下って里に出てから鳥甲山グループと連絡をとると、彼らは既に津南町まで先行していました。
                 (滝沢記・花の名前は高橋さんによる)

7/24 【鳥甲山】

参 加 者:CL大嶋 SL軽石 逸見、川辺(計4名)
行動記録:「のよさの里牧之館」(4:00)→屋敷登山口(4:30)→狢平標高1020m(4:50)→
白ー(8:20)→鳥甲山頂2037m(10:10/10:45)→屋敷山手前(12:30)→
屋敷登山口860m(14:30)→小赤沢楽養館→熊谷(18:30)

 前日小松原湿原を歩いた後秋山郷の「のよさの里」に泊まる。午前3時30分に起床し、4時に宿を滝沢車と共に出発。屋敷登山口にパジェロをデポし、滝沢車に乗り替えて狢平に4時45分に着いた。急いで出発する。樹林帯の急登を登り万仏岩の尾根に出ると展望が開ける。その後尾根沿いに登り、白ー(標高1944m)に8時20分頃に着いた。その後標高差で100m位下り、カミソリ岩と呼ばれる難所を越え午前10時10分に標高2037mの山頂に着いた。山頂は歩いて10分ほど奥まった所にあり、展望はなかった。山頂手前で昼食をとる。10時45分に下山開始。10分ほど戻り、今度は尾根を左に屋敷へ向かって下る。途中赤い岩の「赤ーの頭」「赤ーの肩」を越え、屋敷山手前(標高1440m)から一気に下り、14時30分に屋敷登山口に着いた。結局標高差1250mの登りと1505mの下りで、歩行時間は9時間であった。また他の登山者には全く合わなかった。その後小赤沢の楽養館の湯に浸かり、熊谷に18時30分頃に着いた。この山は6月の初めまたは9月頃が良いと思う。                          (大嶋記)



 今日もよい天気だが、その代わり暑くなりそうだ。滝沢先生に狢平まで送ってもらう。登山道は、エゾアジサイが咲き下草も刈ってあり、道幅も広く歩きやすいが、けっこうきつい登りだ。時々吹く涼風に助けられながら歩くが、すぐ顔中が汗だらけになってしまう。健脚の3人に必死についてゆく。朝食に大きなおにぎりを水で流し込んで食べ、また黙々と歩く。コオニユリ、アザミ、オトギリソウなどいろいろな花が咲いているが、急登と暑さで、ただ 横目で眺めて通り過ぎる。白ーノ頭で一休みするが、まだ先は長い。岩場も鎖場もあり細心の注意が必要だ。何とか3人に5分遅れで山頂に着いたときはホットした。 記念写真を撮り、お湯を沸かして昼食。やはり食欲がない。味噌汁にパンを少々。後は水分だけが欲しい。お湯と水で2リットル、ゼリーとジュースを何本か持ってきたが、残量が心配になる。結局、最後は軽石さんに分けてもらった。
 下りは楽かと思ったが、やはり急坂だった。だんだんペースが落ちる。ただただケガをしないように気をつけて歩いた。無事下山が出来てよかった。大変な山行だったが、山頂を二分して白と赤の珍しい地層の山に登れ、小赤沢温泉の赤湯にも入れた。また一つ楽しい思い出が出来ました。皆さんにはいろいろお世話になりました。有難うございました。
                                  (逸見記)
◎出会った花
  エゾアジサイ、ママコナ、ツリガネニンジン、ウツボグサ、コゴメグサ、コオニユリオトギリソウ、ゴゼンタチバナ、シモツケソウ、ニッコウキスゲ、タカネナデシコ、マツムシソウ、イブキジャコウソウ、ヨツバヒヨドリ、ヤマブキショウマ