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唐松岳集中登山

同人毎年恒例の夏のアルプス、今年は唐松岳集中登山でした。
8月20日(土) 遠見尾根から3名、八方尾根から13名。唐松山荘に13名、テント泊3名
8月21日(日) 八方尾根隊下山7名、鑓温泉隊5名、五竜隊4名
8月22日(月) 鑓温泉隊・猿倉へ下山、五竜隊・遠見スキー場へ下山
八方尾根を登る


<八方尾根隊>

山域山名:北アルプス・唐松岳(長野県)
期  日:2011年8月20日(土)
参 加 者:CL石川 SL軽石 SL木村 八木、並木、堀、白根、栗原、逸見、高橋武、黒沢、豊島、新井弘(計13名)

行動記録:熊谷市役所(5:00)=八方尾根(8:30)=ゴンドラ=八方駅(10:00)→
八方池山荘(10:37)→小休止(11:15/11:24)→石神井ケルン(11:28)→八方ケルン(11:50)→
小休止(11:58/12:12)→八方ケルン(12:16)→小休止(13:05/13:12)→
丸山ケルン(13:48/13:50)→唐松岳山荘(14:47)

 何で雨なの!9年前、同じコースを歩き撮れなかった写真を、今度こそと思っていたのに、あの時は素晴らしい秋晴れの天気で、白馬三山が八方池の後方に見えていた。一眼レフに300ミリのレンズを付けて、何度もシャッターを切っていた。帰宅後ワクワクしながらカメラを開けると「中は空っぽ」。フィルムが入ってなかったという、情けない思い出がある。

 今回は小さなデジカメだが、あの景色が取れると思っていたのに残念。周りは白く煙り何も見えない。雨具を付けて黙々と歩くこととなったが、山道に咲くたくさんの花に目を楽しませてもらった。まだ雪渓も残っていて、アオノツガザクラ、コイワカガミ、チングルマ等が咲いている。歩いていると汗をかくが、リックをおろして休むと背中が寒くなり、あわててまたしょったりを繰り返しながら、今日の宿「唐松山荘」にたどり着きホットする。

≪20日に見た花≫
  アキノキリンソウ、アヲノツガザクラ、イワショウブ、イワツメクサ、ウメバチソウ、
  ウサギギク、オトギリソウ、オニシモツケ、オンダテ、カライトソウ、コイワカガミ、
  ゴゼンタチバナ、キンレイカ、センジュガンビ、チングルマ、チシマギキョウ、
  ツリガネニンジン、タカネマツムシソウ、ナナカマド、ネバリノギラン、八方アザミ、
  ヒョウタンボク、マツムシソウ、ミヤマホッツジ、ミヤマリンドウ、
  ミヤマコゴメグサ、ミヤマウツボグサ、ミヤマキンポウゲ、ミヤマコウゾリナ、
  ヤマホトトギス、ヨツバシオガマ、レイジンソウ の32種






<遠見尾根隊>


山域山名:北アルプス・唐松岳、五竜岳(長野県)
期  日:2011年8月20日(土)
参 加 者:CL相澤 高橋仁、浅見(計3名)

行動記録:熊谷市役所(4:30)=五竜テレキャビン駅(7:50/8:15)→山頂駅(8:30/8:45)→
地蔵の頭(9:00)→小遠見(10:00)→中遠見(10:25)→大遠見(11:00)→
五竜山荘(12:45/昼食/13:10)→牛首(15:10)→唐松山荘(15:20)

 熊谷市役所から浅見さんの車に浅見・相澤・高橋で出発、花園インター近くのローソンで石川さんと合流する。長野ICから白馬長野道路を五竜遠見テレキャビン駅に向かう。軽トラックとダンプカー3台が前を走り、時間が気になる。下山時の配車を石川さんにお願いして、3人でテレキャビンに乗る。急勾配をぐんぐん登り1530mのアルプス平に着く。準備を整えて植物園の中を歩き出す。相澤・浅見さんともに初めての同行なので「付いて行けるかな?」と、一抹の不安があったが、ペースを合わせていけそうで安心する。地蔵ノ頭から小遠見のあたりまでは、八方尾根や東側の山々が見えたが、登るにつれてガスが出てきて展望がなくなる。大遠見、西遠見までがだらだらと長く感じる。急な登りになり、ちょっとした鎖場を過ぎると白岳に出る。白岳から五竜山荘に下り、休憩と食事を取る。

 唐松山荘へのコースは、30年くらい前に歩いたのだが、ほとんど覚えてない。尾根をひたすら歩く。途中で八方尾根隊に携帯で連絡を試みるが「圏外」表示で繋がらない。大黒岳は気付かないうちに通過して、牛首の岩場に差し掛かると、五竜に向かう数人のパーティの一人が、顔面を負傷して手当をしている。牛首を通過したところで転んだという。10分ほど様子を見て、浅見さんが「時間、距離、後の下山を考えれば、唐松山荘に戻った方がよいのでは」と勧めたが、「牛首の岩場を引き返すのは無理だから五竜に向かう」と言うので、我々は唐松に向けて出発した。無事に行き着くことを祈るしかない。気を抜かずに牛首を越えると、唐松山荘が見えて来た。予定より早い到着で、八方コースの仲間に会える。浅見さんは木村・石川さんとテント泊。私は30数年ぶりの山小屋泊りだ。
                                  (高橋仁記)


<唐松岳から五竜岳隊>


山域山名:北アルプス・唐松岳、五竜岳(長野県)
期  日:2011年8月21日(日)〜22日(月)
参 加 者:CL白根 SL逸見 高橋武、黒澤(計4名)

行動記録:
8/21 唐松岳頂上山荘(6:30)→唐松岳頂上(6:55/7:00)→唐松岳頂上山荘(7:15/7:25)→
牛首(7:40)→五竜山荘(10:05/11:50)→五竜岳(12:55/13:05)→五竜山荘(14:05)

 ザックを小屋に置いて唐松岳へと出かける。小屋を出るとすぐにトウヤクリンドウが咲いており秋の気配を感じる。コマクサも咲き残っていた。今日も天気予報は雨、降ってはいないがガスが濃い。それでも一瞬ガスが切れ、白根氏がカメラを置いてきたことをぼやく。その後は視界が利かず、2等三角点のある頂上で記念撮影をするうち雨が降り出す。下る途中、八方尾根下山隊とすれ違いエールを交わす。

 小屋に戻り、いざ五竜へと出発。足元にハクサンフウロ、タテヤマウツボグサ、オヤマリンドウが咲くのを喜んでいるうち岩場の連続となる。岩は濡れていて滑りやすいし、雨は吹き上げる感じの時もありで大変、でも岩場では1パーティとしかすれ違わなかったので良かった。これが最盛期で登り下りが交代して通るのではかなり大変そう。鞍部からはだらだら登りとなり、やがて五竜山荘に到着。時間は早いが受付をしてくれ部屋に入れてくださる。いわゆる蚕棚でなく2階の個室に通される。はやくも乾燥室はしっかり稼働中で濡れたものをいったん全て持ち込む。部屋でしばし休憩。

 小降りになったところで空身で五竜岳へと出かける。トウヤクリンドウがたくさん咲いていた。青空をバックに凛として咲いているのもきれいだが、今日のように霧に濡れてほんのり白く浮き立って咲いているのも趣がある。ハクサンフウロ、ウサギギク、タカネツメクサなどを愛でつつ登るうち、また岩場に出る。頂上近くで岩場を見上げるとやけに大きいウサギギクが一輪、霧の中からこちらを覗き込むように咲いていたのが印象的だった。ほんとに大きかった。標識が立っており、いよいよ頂上かと思ったらあと3分との標識、ほんのちょっと先に頂上が見える。今回の山行の最高点五竜岳に立ったが展望も利かないこともあり早々に下る。途中、ライチョウと出会う。早くも下側が白くなっていてとても目立つ。今年は天候不順で6月から暑くてその後気温が下がった時期があり、ライチョウも季節を間違えたのかしら?

 夕方、雲の合間に夕焼けが見える。明日に期待。


8/21 五竜山荘(6:15)→白岳(6:20)→西遠見池(7:50/8:00)→大遠見山(8:30)→
中遠見山(9:05/9:10)→小遠見山(9:30/9:35)→地蔵ノ頭(10:25)→
アルプスだいらゴンドラ上駅(10:45/10:55)=ゴンドラ下駅(11:01/11:20)=熊谷(16:30)

 天気予報はあまり芳しくない。雨具をしっかりつけて出発したが薄日が差し、上着だけはずす。白岳では昨日登った唐松岳がしっかりと出ている。五竜岳も見えるがそこまで。あとは展望利かず。残念! 西遠見池には晴れていれば鹿島槍が写るとか、思いをはせるだけ見えず。このコースは展望が良いと聞いていたのに残念でした。

 池の周りではチングルマ、ツガザクラ、アオノツガザクラが目を楽しませてくれる。小遠見山まで下ると遊歩道の展望台となっていてこんな天気でも結構登ってくる人がいる。やがて植物園、やたらと人がいて雰囲気が一気に俗世に戻る。リフト駅があり喜んで早々によって行くと、「これは観覧用のリフトでゴンドラ駅より下に出てしまい、ゴンドラに乗るにはかえって遠くなりますヨ」との説明、残念でした。植物園のなかは直線の石畳、両側には花名を書いた看板つきの植栽、山道では見られなかったエンビセンノウをちらりと横目で見、疲れていたのであとは一路ゴンドラ駅へ向かう。

 ゴンドラで降りて、近くの十郎の湯に入り、そこの囲炉裏の周りで蕎麦をいただき、あとは一路熊谷へ。平日の早い時間なので渋滞にもはまらず帰ってこられました。お世話様でした。                               (高橋武記)


雷鳥の家族(不帰ノ險付近)
<唐松岳から鑓温泉隊>

山域山名:北アルプス・唐松岳、五竜岳(長野県)
期  日:2011年8月21日(日)〜22日(月)
参 加 者:CL軽石 相澤、高橋仁<小屋泊>、石川、木村<テント泊>(計5名)

行動記録: 
8/21 唐松山荘(6:25)→唐松山頂(6:35/6:45)→不帰ノ險・二峰(7:35)→天狗の頭(10:50)
→天狗小屋(11:10/昼食/12:00)→鑓温泉分岐(12:35)→鑓ケ岳山頂(13:05)→
鑓温泉分岐(13:30)→鑓温泉小屋(15:10)


不帰ノ險 その1





 期待した天気の回復は望めず、最初から雨具をつけて出発。唐松山頂を越えて不帰ノ險に向かう。気が引き締まる。昔、「不帰ノ險」という名前を見て「行けない所」と決めつけていたコースだ。60歳を過ぎてこんな機会に恵まれるなど、思いもよらなかった。誘いの声をかけて頂いた軽石さんには本当に感謝々々!




不帰ノ險 その2


 不帰ノ險二峰(南、北)から一峰は鎖と梯子の連続で、雨でぬれているから気が抜けない。しかし晴れていたら下が見通せてなおさら怖いかも? 一つひとつ慎重にクリアして通過。今度は「天狗ノ大下り」を登り返すのだが、冷たい雨と風で体力が消耗。厳しい登りだ。「早く天狗山荘について温かいうどんが食べたい」などと考えながらひたすら登ると、天狗ノ頭に到着。少し下った天狗山荘で一息入れる。「鑓ケ岳はカットして鑓温泉に向かおうか」という話が出たが、未踏頂の軽石、相澤、高橋は登り、テント泊の石川、木村は先に下ることになった。未練を残しながら五竜コースに変更した逸見さんのことを思うと、きっちりと登っておきたいという気持ちもあった。分岐にザックを置き、空身で鑓ケ岳山頂をピストン。景色は何も見えないが記念写真だけ取って降りる。白馬鑓温泉への分岐



 分岐から石川、木村組を追ってひたすら下る。大出原にはチングルマが群生している。花はすでに終わっているが、赤紫色の綿毛をクルリと巻いたチングルマ(稚児車)が、あたり一面に群生している。こんなにすごい群生地は初めて見る。花の時期は感動ものだろう。鎖・梯子の岩場もあって変化の多い下りを過ぎると、温泉小屋が見えてきた。2100mの高所にある鑓温泉に浸かり、疲れた体を休める。ふろ上がりには、足湯に浸かりながらビールで乾杯!



















8/22 鑓温泉小屋(6:40)→小日向のコル(8:25)→猿倉駐車場(10:00)着=ぽかぽかランド美麻(入浴)=そば蔵(昼食)=花園IC(15:00)

 小雨が降ったり止んだり落ち着かない。露天風呂をバックに記念写真を撮って出発。烏帽子沢の大きな雪渓を見ながら下り、板の橋が架かった鑓沢と杓子沢を渡る。杓子沢の雪渓が、流れの上に大きな口を開けている。サンジロ沢を通り尾根を乗越すと小日向のコル。大きな葉を広げた水芭蕉が茂った地塘がある。樹林帯に変わり、小雨の中を黙々と歩く。さすがに足が疲れてゴロ石や木の根を踏むとふらついてしまう。指先が靴に当たって痛くなってきたころ、いきなり林道に飛び出す。猿倉の駐車場はすぐそこだ。

 三日間ずっと雨模様で展望には恵まれなかったが、歩きながら青春時代の山行を思い出し、今後の山行に思いを馳せ、名前はわからないが花を眺め、岩場のスリルを味わい、仲間の皆さんとの語らいがあり、充分に楽しい三日間でした。      (高橋仁記)