熊谷トレッキング同人 国内山行記録
トップ 海外トレッキング 国内登山 山スキー 入会のご案内 お問い合わせ

「谷川連峰縦断」

アルバム

個人山行報告

山域山名:谷川連峰・谷川岳、茂倉岳、武能岳(群馬県、新潟県)
期  日:2011年9月28日(水)
参 加 者:宮田(単独)

行動記録:土合駅660m(5:25)→巌剛新道登山口838m(6:02)→
西黒尾根ラクダのコル1500m(7:24・7:35)→谷川岳1963m(8:27/8:40)→
オキの耳1977m(8:49)→一ノ倉岳1974m(9:33/9:37)→茂倉岳1977m(9:49/10:08)→
武能岳1759m(11:08/11:13)→蓬峠1529m(11:44/11:50)→1544mJP(11:55/昼食/12:25)→
東俣沢出合940m(13:19/13:25)→林道終点(13:46)→土樽駅610m(14:26/15:21)=
土合駅(15:32)
<天候:快晴>

 先週の三国峠〜平標山に続き、また谷川連峰へ。今回は2008年6月の土合駅〜西黒尾根〜谷川岳〜万太郎山〜吾作新道〜土樽駅に続く谷川連峰縦断2本目として、土合駅〜巌剛新道〜谷川岳〜一ノ倉岳〜茂倉岳〜武能岳〜蓬峠〜土樽駅の行程。くしくも両ルートともエアリアコースタイムは、ちょうど同じ11時間30分だった。

 土合駅前に車を駐めて、空が明るくなりかけた5時25分に出発。暗いうちには出たかったが、少し遅くなってしまった。もうヘッドライトはいらないほど薄明るい。気温は9℃と結構寒い。今年からマイカー規制となった林道を歩いてマチガ沢の巌剛新道登山口へ。巌剛新道に来たのは何年ぶりだろうか?確か20年位前か?。息を切らさぬペースを守って登る。標高を上げていくと正面にマチガ沢の岩壁群が、振り返れば白毛門と笠ヶ岳に挟まれたきれいな赤倉沢が見える。いい斜面である、ぜひ。

 鎖場を過ぎて急登を登ると西黒尾根ラクダのコルへ。頭上の西黒尾根を見てもまだ誰の姿も見えない。腹が減ったので間食を食べていると、谷川ゴンドラが動き始めたようだ。秋の移動性高気圧の快晴。富士山は見えないが、八ヶ岳から浅間山まで望める。さぁ、谷川山頂を目指そう。森林限界なので展望を楽しみながら登る。

 谷川岳トマの耳に到着。誰もいない山頂は気分がいい。休日はごった返すほど人人人でしょうが。関東山地から上越国境、越後三山までの大パノラマを楽しむ。小休止の後にオキの耳へ。ここから眺めるトマの耳はお気に入りの景色だ。今年4月に芝倉沢滑降で稜線を一ノ倉岳までシールで歩いた記憶をたどりながら歩く。時々、目も眩むような一ノ倉沢を俯瞰して、写真を撮りながらのんびり進む。沢にはまだ雪塊が残っていた。

一ノ倉岳手前で初めて単独とすれ違う。蓬ヒュッテからか。風が抜けない太陽を背中に受けての一ノ倉岳の急登では汗をかいた。

 夏の一ノ倉岳山頂は笹が邪魔して展望はよくなかった。カマボコ形の避難小屋は定員4人となっていたが、板の床が割れていたので実質2人分のスペースでしょう。山頂道標が北を指す中芝新道を見ると、え?、というほどしっかり刈払いができていて明瞭の道だった。吊り尾根みたいな稜線を行くと茂倉岳山頂。3名の登山者がいてちょっと賑やか。景色を眺めなら間食タイム。初心者の方に山座同定を聞かれて、なかなか出発できず…。

 茂倉山頂をあとに蓬峠を目指す。茂倉岳から武能岳を越えて蓬峠までの縦走路は未踏だったので、今回はここを歩くのが目的だった。しかも、今日のような最高の天気の時に。期待どおりのいい稜線だ。東側には今年春に滑った芝倉沢、好斜面だった。西側には、2008年7月に沢登りした茂倉谷、巨大なスノーブリッジと猛烈な藪漕ぎが大変だったなと。笹平の東側はスパッと切れ落ちていて、この下が雪崩の巣の芝倉沢S字かと納得。正面の武能岳が見事に格好いい。この頂きにも立ちたかった。

 武能岳山頂は、切り立った頂きですこぶる展望がいい。巨大な朝日岳西面、歩いてきた稜線の右奥には万太郎、仙ノ倉が幾重にも連なる。武能岳山頂から蓬峠までは、笹原の広くたおやかな尾根が延々と続く。新井久氏が谷川連峰で一番好きな所と言っていたが、確かにうなづける。土合へと続く水平道もいい感じだ。晩秋に歩いてみよう。

 蓬ヒュッテの昨日の宿泊者は7名と言っていた。平日なのに結構いるもんだ。シシゴヤノ頭に続く1544mJPまで登ることにする。このピークに登れば、白毛門から万太郎山まで縦走路をつながったことになる。あとは万太郎から仙ノ倉の稜線、JPから巻機までは藪が濃いので春にスキーを使うか。2007年4月に土樽から宝川までスキー縦走した時にこのピークに立ったが、完全なホワイトアウトで何も見えなかった。また、スキーでこのエリアに来てみたい。この大展望を見ながら、カッ飛んだら最高だろうな。

 昼食を取って峠へ戻る。あとは土樽駅に向かって下るのみ。つづら折れの道にはいくつも小沢の水場があって、思いのほかいい道だ。最初の沢でノドを潤す。のんびり武能岳斜面を眺めながら下っていると、足下に巨大なヤマカカカシ?にドキっとする。ブナの森を下っていくと東俣沢出合へ。飛び石で渡る。雨が降って水量が増したら濡れるかもしれない。林道終点ではススキの穂が輝いていた。あとは舗装道を下るのみ。振り返る蓬峠稜線が妙にまぶしい。秋の季節は最後まで気持ちがいい。

 久しぶりにと土樽山荘への細い道を辿る。10年前に総会でお世話になった山荘は、スキー場も閉鎖されて土樽駅に止まる電車も1日3,4本と、時代に取り残されたようにひっそり建っていた。下り線ホームから階段を渡って土樽駅へ。駅舎の中には自分を含め土合駅から国境を越えてきた登山者が4名。みんなマニアックな単独ばかりでした。

 15時21分発の上越線に乗車。清水トンネルの中を電車が走る音を聞きながら、これが山旅だな〜と。11分で土合駅に到着。楽しい秋の縦走であった。