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「天狗岳周回&本沢温泉野天風呂」

アルバム
【個人山行記録】

山域山名:北八ヶ岳・天狗岳(長野県)
期  日:2011年10月26日(水)
参 加 者:宮田(単独)

行動記録:稲子湯唐沢橋P1670m(8:20)→シャクナゲ尾根→ニュウ2351m(10:05/10:27)→中山峠(11:06)→東天狗岳2640m(11:48)→西天狗岳2645m(11:58/12:35)→
東天狗岳(12:48/12:53)→根石岳2603m(13:10/13:20)→夏沢峠(13:42)→
本沢温泉2100m(14:15/15:05)→しらびそ小屋2040m(16:00/16:27)→唐沢橋P(17:11)
<天候:快晴>

 谷川岳周辺に行きたかったのが、冬型の天気だったので上越国境は諦めて、確実に晴れる北八ヶ岳天狗岳に向かった。稲子湯上林道の駐車場に止まっている車はない。さすがに晩秋の平日だ。シャクナゲ尾根に取り付く。一旦林道に出て200mほど歩いて再び尾根を登る。針葉樹の尾根筋ははっきりしない尾根なので、聞いていたが積雪期に迷いやすい地形だ。時々、樹間から雲海上の富士山が見える。途中からシャクナゲの林になる。落ち葉が斜面を敷き詰めていて、登山道がはっきりしない。赤布を見つけながら登る。白樺尾根に合流すると、道ははっきりした。ひと登りで巨岩が重なるニュウだ。

 ニュウ山頂の岩に上がって、奥秩父、富士山、天狗岳、北八、槍穂高の大展望を満喫。北アルプス北部や浅間山、上越国境はやっぱり雪雲の中だ。中山峠まではうっそうとした針葉樹林の道。大きな霜柱が立っていて、日陰は本当に寒い。中山峠からの硫黄岳は何ともデかい。天狗岳に登るのはいつ以来だろうか。大きな岩は登りづらい。東天狗に着いたが、休憩は西天狗岳ですることにして、一旦鞍部に下って再び急坂を登る。

 西天狗岳山頂を吹く西風はさすがに冷たい。西天狗は主稜線から外れているので、八ヶ岳連峰の大展望台だ。赤岳と阿弥陀岳、南アルプス、中央アルプス、御岳、乗鞍、槍穂高をおかずに、コンロで温かい即席そばを食べる。再び東天狗岳へ。ここはなぜか西天狗岳より風が強かった。あまりに寒いので、記念写真だけ撮って縦走路を南を進む。

 根石岳から眺める西天狗と東天狗をつなぐきれいな吊り尾根の景色は、八ヶ岳の中で一番のお気に入りである。風を避けて、しばし眺める。中山峠の小屋はみんな閉まっていた。10月連休を過ぎれば、南八ヶ岳はオフシーズンなのだろう。峠から一気に急坂を下る。思ったよりいい道で快調だ。硫黄の匂いがしてきたので、本沢温泉間近か。野天風呂に入るためには、記念入浴券を買わなくてはならないため、下にある本沢温泉小屋まで行かなくてはならない。

 本沢温泉の受付で600円払って、再び5分ほど登り直す。「標高2150m、日本一高い」という野天風呂へ。先客が1名いたので聞くと、「ちょっと温いよ」とのこと。脱衣所も何にもないので、ザックの上に服をおいて、乳白色の温泉へ。極楽、極楽、この上ない幸せだ。頭上には硫黄岳の噴火口、沢の対岸には、夕方の斜光に照らされてカラマツが黄金色に輝いていた。本沢温泉でこんな晩秋の一日をやりたかった。

 あんまりのんびりしていると、暗くなってしまうので出発。分岐でみどり池へ向かう登山道へ入る。ここも湿原や小沢があってなかなかいい雰囲気だ。この晩秋の時期は北八ツがいい。

 ミドリ池の畔にあるしらびそ小屋にも、前から来てみたかった。コーヒー飲めるか聞いてみたが、奥から女将さんが「もう夕飯の準備してるからできないよ」との返事、ちょっと残念。今日の泊まり客は5人で、外にいた山好き風な女性と話す。今日で3回目の宿泊とのことで、「アルプスにはない、この飾らない家族経営の小屋は、この場所に来ると、あ、帰ってきたなと思えるんですよ」とのこと。そう、この雰囲気は確かに素晴らしい。次回は是非、しらびそ小屋に泊まることにしよう。着いた時には霧で見えなかった天狗岳がすっかり姿を現して、池の水面にきれいに映っていた。

 さぁ、急がないと暗くなる時間だ。下り初めてすぐに軌道跡のレールを発見。昭和36年頃まで使われていた八ヶ岳森林軌道みどり池事業線のトロッコレールである。所々、枕木とレールが完璧に残っていて、苔むした枕木が永年の歳月の経過を物語っていた。こういういにしえの雰囲気が大好きである。昔の登山道は台風15号の大雨で通行できず、ほとんどは小屋のブル道を下る。林道を2回ほど横切って、唐沢橋を渡ると駐車場に出た。

 のんびりと、晩秋の山を歩き、遠くの山々を眺めて、温泉に浸かって、楽しい一日だった。