熊谷トレッキング同人 国内山行記録
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平ケ岳 |
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アルバム |
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山域山名:尾瀬、平ヶ岳(新潟県) 期 日:2013年9月13日14日(前夜泊日帰り) 参 加 者:高橋 新井浩 橋本 駒崎 (計4名) 行動記録: 9月13日 江南20:00=花園IC=小出IC=銀山湖=平ヶ岳登山口23:40(テント泊) 9月14日 <天候 曇> 平ヶ岳登山口840m 3:45−(2:20)−下台倉山1604m 6:05−(55)−台倉山1695m 7:10−(1:05)−白沢清水8:15−(1:40)−池ノ岳2080m 9:55/10:15−(30)−平ヶ岳2141m 10:45/11:55−(45)−玉子石12:40−(40)−池ノ岳13:20−(60)−白沢清水14:20−(1:05)−台倉山15:25−(55)−下台倉山16:20−(2:10)−平ヶ岳登山口18:30=銀山湖=小出IC=花園IC=江南(00:10) ※帰路夕食、入浴あり 9月13日 平ケ岳は尾瀬の北に位置しており、百名山にも名を連ねている。登山道が少なく縦走路もないため登りにくい山である。銀山湖側からの登山道は片道6時間を要するため、登るとなると1泊、前夜泊が必要となる。今回4名で平ケ岳登山に挑戦した。前夜泊のため江南に集合し関越道を走り、小出ICで下りた。銀山湖に通じる数キロの元ダム建設用のトンネルを抜け、銀山湖の東側・只見川沿いをカーブまたカーブと走り、登山口に着く。Pに車は10台ほど止まっている。テント設営後3時間の眠りにつく。 9月14日 午後から雨の確率50%なので、出発を4:00とする。星が輝いている。3:45にヘッドランプをつけて出発。15分平坦な樹林の中を歩いて尾根に取り付く。標高差約700mのヤセ尾根を下大倉山まで登る。登山道は高さ数b長さ10mほどの砂岩質の岩場が断続的にあり、注意を要する。狭い道の左右に岩場が急斜面で切れ込んでいる所もある。転落しないようヘッドランプの道を照らし慎重に高度を上げる。尾根筋のため大きな樹木は少ない。ミズナラなども灌木風に繁っている。高木といえば五葉松が見事である。岩場の道を登ると大きな根が張っている。上を見上げると直径数十a高さ10bもある五葉松である。5時を過ぎると徐々に空が白んできた。薄雲が広がっているが周囲の山影が浮き出てくる。南方には燧ヶ岳が聳える。東には二つの稜線が南北に長く伸びる。汗を吹き出しながら下台倉山に着く。ご来光を待っていたのだが、東の稜線上に雲がかかり、歩いているうちに雲の中に太陽が出てしまっていた。下台倉山から台倉山までは、ほとんど標高差のない尾根筋を1時間歩く。標高1600bほどなので里山の樹種の仲間が多い。尾根上であるにも関わらず、檜、五葉松の大木が数多く生えており、登山道にもその根が出ている。道は湿ってはいても、泥沼のような場所は少ない。登山道は全体としてはよく整備されている。左右のササや灌木も歩くに支障のないように刈りはらわれている。水の貯まりやすい樹林内の道は木道が70〜80%敷設されている。 尾根からは東側に只見川源流が見え南方に燧ヶ岳が見える。やや西に平ケ岳が稜線をつないでいる。下台倉山、台倉山はともに山頂としては眺望、容姿ともに平凡で、標柱でその存在を示しているに過ぎない。台倉山から池の岳間は稜線であるが鬱蒼とした樹林帯の中である。数回なだらかに登り下りを繰り返して池ノ岳に登る。初秋の山の花は盛りを過ぎ、少ない。よく見れば、ショウジョウバカマやイワカガミの葉もある。花を見ればすぐに分かるのだが葉だけだと全く地味である。初秋の山での楽しみはキノコ、紅葉と木の実である。樹林内の地面にはキノコが生えている。毒キノコらしいものやイグチの仲間のキノコが生えていた。ナナカマド、ガマズミの仲間の木は既に鮮やかな朱色に葉を染めていて、赤い鮮やかな実をつけていて目立った。春の山と違い、鳥のさえずりもない。繁殖期でないからか。カケスの「ガーガー」メジロの「チーチー」がないのは残念である。尾根の空にツバメが数尾舞うのを見たのみ。白沢清水で小休止して、池ノ岳の急登にかかる。シラビソと思われる常緑樹は背丈ほどのところに紫色の球果を上向きにつけている。標高を上げるにつれ樹木は低くなり、視界が開ける。池ノ岳の稜線が見える。その南に平ケ岳の平らな稜線も見える。このコースでは登山口からの2時間と白沢清水からの1時間40分が急登である。急なため、木道は設置できず、道は雨水でえぐれ、深さ2bにもなる「滝壺」も生じそれを避けつつ登る。岩も大きくなり、頂上かなという雰囲気になり、少し進むと姫ノ池の池塘、姫ノ原である。4人ともに山上の開放感、山上に着いた達成感を味わい、登山道とは異なる頂上の池塘地帯の景色を楽しんだ。池は浅く、トンボ、ミズスマシなどがいる。池の周りの低い草原は茶色く、少し赤っぽくなっている。30分ほどで平ケ岳に着く。ここも姫ノ原と同様な池塘の平坦な頂上である。池塘周辺では草紅葉が始まっているがリンドウ(オヤマ、ミヤマか)が紫の花をつけていた。 頂上の木道、木道広場には8人ほどの登山者がいた。グループは2組で他単独の男性。薄曇りの天気、心地よい風に感謝し、昼食をとる。横になって休憩するなど各自リラックスした。燧ヶ岳が近くに見えるが雲が頂上付近を隠し、なかなか全体を見せない。昼食後、玉子石という風雨の浸食でできた石を見に行った。数bの岩に長径3bほどの玉子型の岩がのっている。不思議な岩である。予定の時間を過ぎてしまったので急ぎ気味に往路と同じルートで帰路をたどる。池ノ岳から白沢清水に戻り、台倉山に着く。途中登りの10人ほどのグループに会う。天気は大丈夫なのか。しかもザックはテント泊の様子。言葉を交わすと雨の予報は出ているという。台倉山から下台倉山に着きくと、これから下る前坂が所々うす茶色の尾根を見せる。やせ尾根には岩場もあり、暗くなる前に下りられればよいと思いつつ下り始める。個人差はあるが10時間にも及ぶ歩行で膝、足、腰を中心に疲れが蓄積してきた。午後4時台が転落滑落の多い時間帯であるという。急いで下り、転滑落し捻挫、骨折しては下山そのものが出来なくなる。ゆっくりでも負傷しないよう慎重に下る。やせ尾根をほぼ下りきった辺りで暗くなってきた。樹木の下では暗いのでヘッドランプをつけた。午後6時を過ぎ、尾根の取り付きまで下山できた。平坦な道を15分歩き駐車場に午後6時30分に到着し今日の山行を無事終了できた。午前3時45分発、午後6時30分着。行動時間は14時間45分、休憩時間を差し引きしても歩行時間は13時間に及ぶ。幾つかの理由が重なり、1時間早く出発したが、2時間遅く到着した。今回の経験を参考に、今後、より実態に近い計画を立て安全な山行にしたい。天気に恵まれ、全員平ケ岳山行ができ、眺望も楽しむことができた。行動時間の長い山行であったが無事、成功の内に終えることができた。 (橋本記) |