熊谷トレッキング同人 国内山行記録
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尾瀬小淵沢遡行

アルバム  


山域:尾瀬
日程:2013年9月29日
メンバー:L木下、SL宮田、福田、菅谷

記録:
大清水駐車場7:50→奥鬼怒林道→小淵沢右岸の林道→小淵沢入渓地点9:20→小淵沢を遡行→13:40登山道→14:20小淵沢田代→15:20長蔵小屋→三平峠→17:30大清水




 早朝の大清水には駐車車両はたくさんあるものの人気は無かった。大方が小屋泊だろうか。一之瀬へ向かう林道からすぐに奥鬼怒林道が分岐しており、ここをテクテク歩いて行った。空は明るく晴れあがり沢日和だが気温が低いのが気になる。間もなく小淵沢の右岸に付けられた林道が現れた。急に荒れ始めた道を辿っていくと、沢を左岸に渡る橋が架かっており、ここが入渓地点だ。ここまでのアプローチで約1時間半の林道歩きであった。

 ハーネスをつけて、プルージックなどのロープワークを簡単におさらいしてから沢へと降りた。秋にしては思った以上に水量があり立派な沢だ。気温が低いため、水に足を入れるとかなり冷たい。遡行を始めるとすぐにナメが現れた。その後も小さなナメが続き目を楽しませてくれる。10メートル程の滝で左岸側を上る際に最初のロープを出した。経験者のみなら不要と思われる。その後もナメ滝をヒタヒタ登ったり、ちょっとした釜をへつったりと沢登りの楽しさを味わいながら、快適な遡行を続けていった。再び10メートル位の滝があり、ここでも念のためにロープを使用した。徐々に水量が減り、そろそろ源頭の領域かと思い始めたころ、険しく切り立った滝が現れた。ここは早々に登攀を諦めて左岸の壁から巻く。ここで、後ろから追いついてきた単独の登山者が我々を抜いていった。沢の中で人に会ったのはこれが最初で最後であった。

 間もなく1対1の分岐が現れた。左が広く明るい雰囲気であったが、地形図より右と判断しこちらへルートを取った。結果としてこれが間違いで、小淵沢田代に出るつもりが、藪漕ぎをして抜けたところはかなり東にずれた登山道であった。ここで靴を履きかえて少し歩くと草紅葉の小淵沢田代に出た。人気のない静かな景色を楽しんだ後は、ひと山越えて尾瀬沼湖畔の長蔵小屋へ。連休最終日の遅い午後、さすがの尾瀬も人影はまばらであった。あとはひたすら登山道を下り大清水の駐車場へ向かった。

 小淵沢はマイナーながらも、ナメの綺麗な秀渓であった。楽しく泳げそうな淵もあったので、今度は暑い時期に再訪したいとおもう。 (木下記)

 


≪水と戯れて≫

 ジャブジャブと沢の中に足を入れて上流へと登っていく。この感覚は、何やら幼い頃の水遊びを楽しんでいるかのような感覚がしてならなかった。沢靴というのはたいしたものだ。フェルトが靴底にはってあるだけで、案外滑らずに歩けるものだと実感させられた。多少の勢いの流れにも負けてはいない。さすがに数メートルの滝となると、事故を避けるためにロープを張って確保してもらいながらになるが。

 普段は靴を濡らさないように歩いているのに、濡れて当たり前とわりきることで、こんな楽しみ方もあるのだなと感心させられた。沢靴をはいて歩くのは人生50年にもなろうとしているのに、初めてのことである。20年前近くになるであろうか。地下足袋にわら草履を履いて水の中をちょっと歩いた記憶だけは多少残っているのだが、それっきりになり続けてしまっていた。

 今回、同行させて頂きありがたく思う。危険が想定される箇所では、上手にルートをとり、先行して上部からロープをチーフリーダーが垂らしてくれる。サブリーダーにシュリンゲの結び方を教えてもらい、私は安全を保証されながら登ることができる。源流にたどり着き最後の詰めとなったのは薮こぎだ。背丈以上にうっそうと生い茂る中を果敢に突き進むメンバーがいる。私は何の役に立っただろう。唯一、下山後の温泉、戸倉の「玉泉」に電話をして手配したくらいですね。皆さんに感謝するばかりです。

 皆さんのおかげで、一つ念願が叶いました。せっかくの沢靴を一回も履かずにそのまま飾っておくだけでは申し訳ない思いがしていたのです。沢靴があるから沢登りにいかなくては。村越先生のおさがりの山道具が一つ現役復活しました。 (福田記)