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北アルプス最深部の読売新道を歩く

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域山名:北アルプス 新穂高〜三俣蓮華岳、水晶岳、赤牛岳〜読売新道
期  日:2013年8月16日(金)〜19日(月)
参 加 者:L新井浩、木村、駒崎、高橋仁

 薬師岳と裏銀座コースに挟まれた水晶岳から赤牛岳に延びる稜線、赤牛岳からは黒部ダムに続く読売新道を歩いてきました。終始好天に恵まれて、壮大な尾根歩きが出来ました。

行動記録:
8/15(土)江南(20:30)⇒新穂高温泉(0:40)
8/16(日)新穂高温泉(5:45)→わさび平小屋(7:10)→シシウドヶ原(10:00/10:25)→鏡池(11:15/12:05)→弓折乗越(13:15)→双六小屋(14:45)
<天候:晴れ>
 前日の20:30に江南を出発。順調に走り、新穂高温泉の登山者無料駐車場に0:40着。走行距離263kmでした。200台収容の駐車場はほぼ一杯で、テントを張るスペースの有る端を確保し、早々就寝。

 翌朝4:30起床、朝食を食べ、回送するための車のカギを深山荘に頼んで出発。左俣林道をテクテク歩き、わさび平小屋で休憩。ここの冷水の中に浮いているリンゴ、キュウリはうまそうだ。小池新道に入るころには日が当たって暑い。秩父沢、イタドリヶ原を過ぎてシシウドヶ原休憩し、西穂高岳の眺めを楽しむ。鏡平までをひと登りすると、ご褒美の槍穂高。鏡池に映って最高の眺めに、こんなにいい天気に恵まれたのは日頃の行いの良さと自己満足。昼食休憩後、終始槍を眺めながらの登りで弓折乗越。眼下に鏡平山荘と鏡池、その先に槍穂。この風景を目に焼き付けて先に進む。やがて幾つかの花園を過ぎると、西鎌尾根からの樅沢岳と遠くに鷲羽岳が見えてきて、色とりどりのテント場が見えてくると双六小屋だ。かなり賑わっているようだが、受付をするとなんと個室!4畳の小さな部屋だがラッキーでした。荷物を置き、外でビールで乾杯!夕食は17時からで、天ぷらでした。部屋で一杯やりながら20時就寝。(新井浩記)



8/17(月)双六小屋(6:00)→双六岳2860m(7:30/7:50)→三俣蓮華岳2841m(9:15/9:50)→三俣山荘(10:40/10:50)→鷲羽岳2924m(12:15/13:20)→水晶小屋(15:00)
<天候:晴れ>
 2日目は双六小屋から水晶小屋までの比較的短めの行程。朝方こそ雲が多めだったが、すぐに青空が広がり、絶景を眺めながらの稜線漫歩の一日となった。

 双六小屋を予定どおり6時に出発。ひと登りすると、早速コバイケイソウのお花畑が現れ、足が止まる。今年はコバイケイソウの当たり年のようだ。この辺の稜線は、私と駒崎さんは過去同人山行で三回訪れているが、いずれも大雨で、今回やっと景色を楽しむ事ができた。定番の、槍ヶ岳をバックにした頂上台地の上の西部劇の荒野の様な独特の風景も、やっとカメラに収めることができた。頂上からは、槍・穂高、笠、黒部五郎、薬師、鷲羽、水晶etc.と名だたる名峰群の眺めを楽しむ。赤牛岳までの、これから辿る稜線もすべて見渡すことができた。
 三俣蓮華岳までは大きなアップダウンは無く、1時間程で山頂へ。ここでも360°の絶景を楽しみながら大休止。昨年辿った雲ノ平の景色を懐かしく眺める。山頂から三俣峠まではやや急な下り。この辺りは、まだ残雪のあるカールにハクサンイチゲ・ミヤマキンポウゲのお花畑があり綺麗だった。三俣山荘が近付くにつれ、鷲羽岳の秀麗な姿がだんだん大きくなってくる。今年もこの景色を眺めることができて満足だ。

 山荘で一休止の後、鷲羽岳への登りにかかる。登りの途中で振り返ると、三俣蓮華岳の山容が意外に大きい事に改めて気付かされた。2名は鷲羽池も往復。急登を1時間半ほどがんばると山頂に到着した。鷲羽岳山頂もまたまた絶景。これまた定番の、鷲羽池越しの槍ヶ岳もバッチリカメラに収める。ここまで来ると本日の目的地の水晶小屋まではあと少しなので、昼食休憩を兼ねて大休止を取りながら景色を満喫した。

 ワリモ岳へは急坂を下って、鞍部から登り返す。頂上直下のトラバースは短いながらもイヤな感じで、雨のときなどは特に注意が必要だろう。あとは途中足元に近づいてきたイワヒバリをカメラに収めたりしながら、のんびりと稜線を進み、最後に小屋直下の急登をひと登りすると水晶小屋に到着した。

 受付を済ませた後、小屋前で野口五郎岳や明日辿る水晶〜赤牛の稜線を眺めながら今日一日に乾杯。小屋は一畳に二人の割り当てだったが、噂に聞いて想像していたほどの混雑ではないように感じた。明日はいよいよ読売新道だ。(木村記)





8/18(日)水晶小屋(4:40)→水晶岳2986m(5:17/5:40)→温泉沢ノ頭(6:48)→2742m付近(8:00/8:20)→赤牛岳2864m(9:25/10:02)→2578m付近昼食休憩(10:57/11:55)→奥黒部ヒュッテ(15:06)
<曇り後晴れ>
 朝4時に起床、朝食のお弁当を持って行く。ガスに包まれ、風も強めで寒い。長袖にヤッケ、手袋、ヘッドランプをつけて出発。ガスの中、40分程で水晶岳頂上に着く。降りるところのピストンツアー客と他3名の先客。狭い頂上だが岩陰に風をどうにか避けて朝食をとる。

 寒いので早々に引き上げ赤牛岳へ向かう。時折薄日が差し始め、ガスのおかげでブロッケン現象を何度も見ることが出来る。温泉沢ノ頭を過ぎ、休憩を何度か入れて、花崗岩のガレ場や砂地を進む。稜線上歩きは寒いが、東側斜面になるとお花畑で暖かです。

 山頂付近の雲はなかなか取れませんが、それでも左手に立山薬師の稜線、右手に裏銀座縦走路をみながらの気持ち良い尾根歩きです。次第に赤っぽい砂利道になり、登りきると赤牛岳山頂です。着く頃には晴れわたり大展望です。薬師岳の3本のカール、黒部湖、野口五郎岳、烏帽子岳、槍ヶ岳が良く見えます。

 十分楽しみ、北東に延びる尾根をたどる長い下りに入ります。2578m付近に「読売新道6/8」の標識、この先樹林帯に入るので、黒部湖を見ながら昼食休憩をとる。「5/8」右手奥にロボット雨量計が見え、ここから先は樹林帯の中で展望はなく、まじめに下ります。「2/8」で休憩を入れさらに下ります。そして奥黒部ヒュッテに到着。着きました。読売新道を無事に歩くことが出来て嬉しかったです。 小屋は以前着たときよりもきれいになっていて、利用者は3組位。お風呂にはシャンプー、ボディソープもありました。(駒崎記)  



8/19(月)奥黒部ヒュッテ(3:45)→平ノ渡場(朝食)(5:45/6:20)→平ノ小屋(6:35/6:45)→御山谷渡渉点(9:30/9:50)→ロッジくろよん(10:35)→黒部ダム(11:05/11:35)→トロリーバス=扇沢(11:55)
<曇り後晴れ>

 4日間の山行も最終日となった。3時起床で小屋の弁当(朝食)を持って出発。まだ暗く星空がきれいだ。ヘッドランプで東沢谷の渡渉橋を探して渡る。まもなく黒部川に合流して、右岸に付けられた梯子や橋が頻繁に出てくる、アップダウン道を進む。5時頃には空が明るくなって来て、黒部川の対岸上部に朝日に照らされた立山が見えて来た。針ノ木谷への分岐を河原に下ると平ノ渡場だが、木組みの階段があるだけで桟橋も何もない。時間は充分あるので弁当を広げて朝食にする。船のエンジン音が聞こえて、ほどなく白い船体の「しらとり号」が青い湖面をゆっくりと滑るようにやってきた。乗客は私たちの他に男性が一人だけ。

 平ノ小屋からは、黒部湖左岸の梯子や橋のアップダウン道をダムに向かう。木々の間から烏帽子岳や針ノ木岳が見える。中ノ谷や御山谷は沢に沿って大きく迂回して、広い河原の木組みの橋を渡る。これだけ大量の木組み階段や橋を、毎年雪消え、梅雨明けを待って掛け直すのだそうだ。費用も手間も大変な作業だろう。ありがたいことだと感謝しながら歩く。日が昇り暑くなって来た頃、ロッジくろよん到着。あとはダムへのコンクリートの遊歩道だ。進むにつれてすれ違う観光客が増えて来た。静かな山歩きから、一気に都会の喧騒に巻き込まれるように黒部ダムに到着。昨日歩いた水晶〜赤牛の稜線を眺め、しばし感慨に浸る。トロリーバスで扇沢に下り昼食を食べる。さて、回送を頼んでおいた車は〜?と探すが見当たらない。アルペンC・Sが勘違いして七倉ダムに回送してしまったとのこと。読売新道を下る人は少ないので、裏銀座コースを下ると思い違いしたらしい。仕方がないので、レストハウスで時間つぶしをして車を待つ。大町の上原の湯(わっぱらのゆ)で汗を流して帰路に着く。

 今回は初めての山域で、歩いたコースは好天に恵まれて新鮮で、素晴らしい山行でした。展望も、花々も、メンバーとの語らいや食事も楽しく、長丁場も元気に歩けて、充実の4日間でした。感謝!!(高橋仁記)