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野口五郎岳〜水晶岳〜赤牛岳


アルバム8月23日  24日 25日 26日

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山域・山名:北アルプス 水晶岳、赤牛岳(読売新道)
登山形態:一般登山/縦走 小屋泊まり
日  程:2013年8月23日(金)〜26日(月)
参 加 者:CL宮田 SL福田 石川
行動記録
8/23金 花園IC 4:00=7:00七倉=高瀬ダム7:20/7:45〜11:28烏帽子小屋

8/24土 烏帽子小屋7:20〜三ツ岳〜野口五郎小屋9:35/10:20〜野口五郎岳10:42〜11:09真砂岳(竹村新道分岐)〜12:38水晶小屋

8/25日 水晶小屋5:40〜6:12水晶岳〜8:52赤牛岳〜13:38奥黒部ヒュッテ

8/26月 奥黒部ヒュッテ7:00〜平ノ渡場8:45/10:20=平ノ小屋10:33/11:09〜黒部ダム14:34/15:05=扇沢15:20=(タクシー)七倉=20:05花園IC



 よほどの健脚でない限り、麓から1日では行くことができない北アルプス中央部の水晶岳。以前から気になる山だったが、同行者の助けを得、念願叶って山頂を踏むことができた。




8月23日
 前日に天候悪化の予報のため、富山県の有峰林道終点折立からの予定を長野県大町市七倉からの入山に変更した。

 一般車が通行できる最終地点である七倉山荘前の駐車場に到着する頃、雨がポツポツとフロントガラスを濡らし始める。手早く身支度をして登山届けをポストに入れ、タクシーに乗り換えてロックフィル型の高瀬ダムへ向かう。ダム堰堤上(1270m)でタクシーを降り、トンネルを抜けると北アルプスの通称裏銀座縦走路の出発地点であるブナ立て尾根の登山口となる。雨も本降りになってきて、雨具を着け傘をさして出発する。その時トンネルで出会った4人の熟年パーティーも、我々と同じ烏帽子小屋に向かうと言うことだったが、再び小屋で会うことはなかった。悪天候で引き返したようだ。

 最初にダム湖の吊り橋を渡り、さらに上流の河原に架けられた丸太橋を渡ると12番の登山標識がある。ブナ立て尾根の登り口である。ここから0番の烏帽子小屋まで日本三大急登の一つと言われる登りとなるが、よく整備された登山道であり登り易い。雨は本降りというより雷を伴う豪雨となったが、標識の番号を拾いながら樹林帯の中を傘をさしてひたすら登る。終盤に近づく頃には雨脚も収まって昼前には烏帽子小屋(2551m)に到着した。この日はキャンセルも多かったらしく、20人ほどの宿泊者でした。



8月24日
 午前中は雨、昼近くから回復するとの予報で出発を7時に決める。我々と同ルートの水晶小屋方面に向かう人たちが6時頃から出て行くのを見送る。ゆっくり準備をして誰もいなくなった小屋を出る。

 今日は一日稜線の縦走路で、最初は開花の最盛期を過ぎたコマクサの広がる砂れきの道を行く。三ツ岳(2844m)付近は特に展望がいいらしいが、雨のためそのまま通過。野口五郎小屋に着く頃には青空も見え、一瞬日が射すようになる。

 野口五郎小屋の食堂で飲み物を注文し、のんびり時間をかけて昼食をとらせていただく。ストーブがあり、濡れた衣類を乾かせるのでありがたかった。

 小屋を出て野口五郎岳(2924m)に着く頃、雨も上がる。視界も広がりアルプスの縦走路らしい山歩きとなって、順調に真砂岳(2862m)、東沢乗越(2734m)を通過。この頃には雨具を脱いで気分も軽くなり、先行していたパーティーを追い越して、烏帽子小屋からは一番で水晶小屋(2900m)に着く。

 この二日間の悪天候のため、土曜日ながら宿泊者は25人で布団一枚に一人が割り当てられた。夕食は大鍋で供されるカレーだった。夏ばて気味で、山行前から胃腸の具合が今ひとつ良くなかったが、ついおかわりをしてしまい、後悔することになる。



8月25日
 体調は今ひとつで、明け方から雨。今日は長丁場なので4時に起きる。一番で朝食を頂き、雨仕様で出発する。念願の水晶岳(2986m)では雨風に見舞われ、感慨に浸るまもなく次へ。赤牛岳(2864m)に近づくにつれ、雲が晴れ視界も効くようになる。左手には高天原の湿原と山荘が見下ろせる。右手は一昨日から歩いてきた裏銀座の稜線がくっきりと浮かび、実際に歩いた感じよりもアップダウンが少なく見える。

 赤牛岳はその名の通り赤茶けた花崗岩でできたなだらかな山体で、昨年の立山登山のときは一ノ越から南方によく目立っていた山だった。

 徐々に青空も見え始める。雨具を脱ぐ。読売新道は赤牛岳から奥黒部ヒュッテまで水平距離は5.3kmだが標高差1350m程を下る。上から8/8から0/8の標識があり、なかなか次の標識が遠い。登山道には木の根やぬかるみも多く歩きやすいとは言えず、慎重に下る。奥黒部ヒュッテの方の話では昨年3人が下山中に骨折などの事故があったという。この日のヒュッテは水晶小屋からきた我々ともう2人の男性パーティー計5人だけだった。



8月26日
 10:20の平ノ渡の乗船時間に合わせ、余裕を持って7:00にヒュッテを出発。疲労がだいぶたまっていたが、体調も戻り、天気がよいので気持ちがいい。ヒュッテから針ノ木谷の渡し場まで、丸太でできた桟道、梯子による高巻きが連続する。特に急な梯子を下りるときは緊張する。

 対岸の平ノ小屋で、五色ヶ原に向かうこれまで同ルートだった2人を見送り、少し早い昼食をとる。小屋の奥様の話では、ここから水晶小屋が見えるのだと言う。こぢんまりしたログハウス風の小屋で天然のイワナ料理が名物らしい。いつか泊まってみたいと思う。

 この後、黒部ダムまで中ノ谷、御山谷と2度ほど大きく巻いてほぼ水平な道を歩き、ダム脇の涼し過ぎるトンネル道へ入る。ダム堰堤上を渡り、平日だというのに超満員のトロリーバスに乗って扇沢に向かった。 (石川記)