熊谷トレッキング同人　国内山行記録
トップ 海外トレッキング 国内登山 山スキー 入会のご案内 お問い合わせ

紅葉の鳥甲山
アルバム　　





山域山名：秋山郷・鳥甲山（長野県）
期　　日：２０１３年１０月２３日（水）
参 加 者：Ｌ宮田､福田（計２名）





行動記録：切明登山口1020ｍ(6:00)→小水の頭1437ｍ(6:50/7:00)→
白嵓1944ｍ(8:10/8:25)→鳥甲山2037ｍ(9:20/10:00)→赤嵓1675ｍ→
屋敷山鞍部1460ｍ(11:00/11:10)→屋敷登山口860ｍ(12:20/12:35)→林道→
途中から地元の軽ﾄﾗｯｸ＝切明登山口(13:10)＝切明温泉「雄川閣」＝紅葉観賞ﾄﾞﾗｲﾌﾞ＝
湯沢駅前蕎麦屋「中野屋」＝湯沢IC(18:55)＝東松山IC(20:10)＝北本(20:40)
＜晴れのち曇り＞

　季節はずれの台風の接近と刺激を受けた前線の雨雲が広く日本列島を覆い、全国各地で不安定な天気となっていた中で行われた山行でした。しかし、当初の万太郎山の計画を変更して、熟慮の上訪れた秋山郷・鳥甲山は気持ちのいい晴天でした。それに加え紅葉は真っ盛り、久しぶりに心身の洗濯ができたように思います。それにしても、リーダーの宮田さんの様々な情報を駆使しての山行計画は、紅葉にも負けず劣らず毎回見事であることに感服させられます。

　前夜２１：３０に北本を出発。関越道を進めていくにつれ、雨が次第に強くなってきました。それが不思議なことに、関越トンネルを抜けるとそこは星空が広がっているんです。雨雲も群馬・新潟の県境を越えることができなかったようです。切明登山口に翌日となる深夜１：００に到着。誰もいない駐車場にテントを張り、やすいけれどそれなりの味の発泡酒「麦とホップ」を「柿ピー」をつまみに一杯ひっかけました。その後４：３０過ぎまで爆睡したのはいうまでもありません。

　さあ出発です。太陽が昇ってきます。快晴無風、それほどさむくもありません。ただ、いきなり急な登りが続きます。今回は荷物が少ないことがありがたかったです。小水の頭の稜線に出ます。さらにクサリ場が設置されている細い尾根をアップダウンしながら進めていきます。二百名山に名を連ねる鳥甲山の東面・屋敷山の南面が燃えるように一面の紅・黄葉に染まっています。

　鳥甲山山頂で早めの昼食。３６０度のパノラマが爽快です。志賀高原の稜線からは帯となって、滝雲が流れ出てきています。台風の影響でしょうか。いざ、絨毯のような中に付けられた登山道を下り始めます。ここで初めて、今回唯一単独の登山者とすれ違いました。静かな、それはもう静かな、この世の極楽のような山行です。深まりゆく秋を感じながらも、心は春になっての山スキーのルートをも見極め、楽しみを一つ新たに見つけながらの帰路でした。

　無事下山口に到着し、これから、いよいよ約４㎞の車道歩きが始まる、何とも言えない気持ちです。途中写真撮影しながら、とぼとぼと歩いているときでした。気の毒に思われたのか、一台の軽トラックが停車し、地元のご年配のご夫婦が声をかけます。何と、荷台に乗っていけと言うんです。厚意を甘んじて受けることとなり、颯爽と駐車場へと引き返すことができました。別れ際に、この先道を進めるとさらに美しい紅葉が見られるとのことを教えて頂きました。


　地元の方がわざわざ出向くというのは・・・。温泉に入ってから覗きに行くことになりました。それにしても、嬉しい限りです。素性も知れない、ヘルメットをかぶり途中転んで泥が付いた薄汚い私たち（私だけ？）を荷台とはいえ乗せてくれるのだから。いい思いをしていって欲しいと願う地元の方の言動に、世の中すてたものではないと元気をもらったように感じます。お返しをする物もないので、精一杯車が見えなくなるまで手を振り続け見送りました。心が温かくなる出来事でした。

　さあ、まずは、野趣あふれる露天風呂のある切明温泉へ。中津川を挟んで対岸には、自然の湯船作りをしている人たちが見られます。温泉は疲れた身体に実にいい。

　帰路とは逆の長野へと抜ける紅葉が見事だと勧められた道を行きます。確かに凄い。カメラのシャッターがどんどん押されます。さらに、さらにと気が付けば、時間にして１時間も、帰路に逆行することとなりました。自然の美しさは疲れた心にも実にいい。

　心尽くしの食事も、空いたお腹に実にいい。へぎそば（初めて食べたのですが、大きな四角い器に小分けされた３０ものそばが盛られている。これで３人前。）と舞茸の天ぷらに、二人で舌鼓をうちました。

　どれをとっても全てよし。同じ事をまた、来年もしたい。そう思えるほど、素敵な時間を過ごしてきました。相棒の宮田さんには毎回深く感謝しています。おかげさまで身体も心もリフレッシュしています。何をするのも億劫でやる気が出ない病に悩まされた時期が続きましたが、物事に対して意欲がわくようになるまで回復しています。やはり、肝心なことは、人の温かさに接したり、素敵な仲間を持つことだと感じさせられます。

　帰宅後の２階のベランダ。残念ながら星は見えなかったけれど、村越先生も大好きだったインドのたばこ、ビーリーを吸い空を眺めながらの思いです。（福田記）