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聖岳、赤石岳、悪沢岳縦走


【個人山行記録】
高橋 仁(単独行)             
山 域:南アルプス 聖岳3013m、赤石岳3120m、悪沢岳3141m
期 日:2015年09月27日〜30日(前夜発3泊4日)

27日(日)晴
(前夜発)熊谷18:30=畑薙臨時駐車場23:30(車中泊)駐車場8:00=東海Fバス=聖岳登山口8:45/8:55→造林小屋跡10:40/10:55→吊り橋の先12:00/12:38→聖平小屋14:05

◎聖平登山口で下車は二人だけ。急な道を登り始める。聖沢に沿った展望の無いコースだ。滝見台手前で昼食。紅葉に彩られた滝を見て歩くと、沢に沿った緩やかな道になり、聖平小屋に到着。3日前に閉鎖され、自炊棟が冬季用に開放されている。宿泊は3人だけ。


28日(月)晴
聖平小屋4:55→小聖岳5:50/6:01→聖岳6:58/7:27→奥聖岳往復7:57→兎岳9:42/11:12→中盛丸山12:25/12:53→大沢岳13:20/13:30→百間洞山の家14:15

◎上河内岳から光岳への道を分けて、小聖岳で富士山の左から登る日の出を迎える。風が強く雲海が滝のように稜線を越えて流れる。急登を登った聖岳山頂は、赤石岳の雄姿とその奥に荒川岳、中央アルプス、南に上河内から光岳に続く稜線。雲海のかなたに富士山。素晴らしい展望を満喫し、奥聖岳を往復してから、大きく下って兎岳に登り返す。ここも360度の大展望。北岳と鳳凰を除く南アルプスが全部見える。ゆっくりと昼食を取り眺望を楽しんでから中盛丸山、大沢岳に向かう。富士山の両側に赤石岳と聖岳が大きくどっしりと構える。荒川岳、悪沢岳が一段と大きくなり、間ノ岳、塩見岳、甲斐駒、千丈がはっきりと見えてくる。紅葉を見ながら大沢岳を下るにつれて赤石岳が大きくせり上がって来て、百間洞山の家到着。閉鎖されて二階が冬季用に開放されている。宿泊は二人だけ。満月と聖岳のシルエットがきれいな夜だ。


29日(火)晴
百間洞4:00→馬ノ背5:40→赤石岳6:55/7:07→荒川小屋8:35/8:56→荒川前岳10:08→中岳10:26→中岳避難小屋10:35/11:05→悪沢岳(東岳)11:58/12:05→千枚岳12:57/13:16→千枚小屋13:38

◎今日は千枚小屋までの長丁場。百間平で空が赤く染まりはじめる。馬ノ背から山頂への急登は風が強く寒い。アラレがパラパラと当たるが、すぐに収まる。赤岳避難小屋・山頂は誰もいない。素晴らしい眺望をいつまでも眺めていたいが、強風が寒くてゆっくりできないので早々に通過。稜線漫歩して小赤石岳から肩に出ると荒川岳・悪沢岳が迫り、見おろせば大聖寺平から荒川小屋への紅葉がきれいだ。小屋で休んでから、鹿よけフェンスを巡らせた、ザレた急坂を登って前岳、中岳に到着。いつか歩くつもりの前岳〜三伏峠〜塩見岳〜蝙蝠岳〜二軒小屋の稜線を確認する。中岳避難小屋で昼食、悪沢岳に向かう。深田久弥が「東岳と呼ばず、悪沢岳と呼んで欲しい。荒川岳東方にある一峰と見なし・・・荒川岳の続きと見るには余りにこの山は立派すぎる。南アルプスでは屈指の存在である」と書いているが、実際に歩いてみると実感できる。自分も「悪沢岳」と呼ぶことにした。積み重なる岩の上を下り、長かった縦走の最終峰となる千枚岳に着いた。コーヒーを飲み、最後のパノラマを眺めて、余韻に浸ってから千枚小屋に下る。ここはまだ営業中で20人ぐらいが宿泊。生ビールを奮発して伝付峠から笊ヶ岳の山を眺めて至福の時を楽しむ。今夜は星がきれいだ。


30日(水)晴
千枚小屋5:40→椹島8:55/10:30=東海Fバス=畑薙駐車場11:30/11:35=熊谷17:00

◎朝食を済ませて日の出を待つ。昨日は見えなかった大菩薩や富士山が見える。裾野の山中湖が白く光っている。素晴らしい朝焼けから富士山の左に日が昇ると、周りで歓声が上がる。最後まで満足の山行を楽しむことが出来た。あとはコメツガの樹林の中を一気に椹島に下り、バス待ちのコーヒータイムを楽しもう。(高橋仁)