熊谷トレッキング同人 国内山行記録
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行くぜ東北! 葛根田川に癒やされる |
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アルバム |
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山 域:岩手県雫石町・葛根田川 山行形態:沢登り 日 程:2014年8月21日(金)〜8月23日(日) 参 加 者:CL浅見 SL宮田 栗原昌、栗原聡、木村(計4名) 8/21 北本3:00=滝ノ上温泉(9:30/10:10)→入渓点(10:50/11:05)→明通沢出合(11:40)→ 御函(12:40)→大石沢出合(13:10)→中ノ又沢出合(13:45)→葛根田大滝(14:20)→ 滝ノ又沢出合(15:10) <天候:晴れ後曇り> 8月前半の北アルプス縦走では4日連続で晴天に恵まれたが、お盆過ぎから天気がぐずつくなか、南八幡平のブナ林の中を流れる葛根田川に勝手に優しいイメージを抱いて東北道をひた走る。初日にできるだけ遡行して2日目、3日目に余裕を持たせたいのでトイレとドライバー交代だけで時間を稼いだ。 盛岡ICで降りて、雫石に向かう。岩手山や三ツ石山の稜線には雲がかかっているものの晴れ間があるので期待が高まる。滝ノ上温泉の駐車場は広くきれいなトイレもある。対岸の斜面からはあちらこちらに噴煙が上がっている。はじめは葛根田地熱発電所の施設を眺めながら川に沿って舗装された林道を歩く。約30分で林道は途切れ入渓。流域面積の広い葛根田の流れは豊かではじめからスクラム徒渉となった。堰堤を越えると、森の中の美しい渓流が我々を迎えてくれているようだ。川幅は広く傾斜も緩いので景色を楽しみながら進む。所々ナメ滝が左右から流れ落ちる。次第に川幅が狭まり「お函」と呼ばれるゴルジュ帯となる。深い流れの両岸に河岸段丘のように一人ずつが通れるくらいのバンド帯がありその上20センチくらいの水量である。これより少ないとつまらないが、これより多ければ遡行は格段に難しくなる、ちょうどいい水量で楽しい。大石沢、中ノ俣沢の出合を過ぎると2段15mの葛根田大滝があらわれる。水量の多い立派な滝である。左岸のルンゼから巻き落ち口へ慎重にクライムダウン。ゴーロ歩き30分ほどで滝ノ又沢出合に到着。左岸水流から2m程上がったハウチワカエデの木の下にテントを2張、今日の宿とする。早速、流木を集めてたき火をする。フランクフルトソーセージを枝に刺してあぶり、ビールで乾杯、至福の時間である。 8/22 滝ノ又沢出合(5:00)→遡行できず→滝ノ又沢出合(5:10)→待機→停滞決定(11:00) <天候:雨> 夜半からの雨で朝の水量が増え、昨日の穏やかな流れが白い飛沫をあげている。不安な気持ちで出発する。テン場周辺は川幅が広いが、出合を過ぎて北ノ俣沢に入ると水流激しく、へつりも徒渉もできない状況。水が引くまで待機しようとテントを張り直す。雨は降り続いている。ラジオで盛岡地方に大雨警報が出ていることを知る。このまま明日まで降り続いたら、食料も休みも足りなくなるが、無理して動くことが一番危険だ。11時にこの日の行動をあきらめる。幸いなことに降り続く雨にもかかわらず、少しずつ水量が減っている。「ブナ林は緑のダム」と言われるように豊かな森林土壌が雨を吸収してくれているようだ。 8/23 滝ノ又沢出合(5:00)→左俣遡行→20m滝(6:50)→関東森1154m(8:45/9:15)→ 1283m湿原(10:15/10:25)→八瀬森分岐(11:55)→小畚山1467m(12:30/12:50)→ 三ツ石山1466m(13:45)→三ツ石山荘(14:10/14:40)→滝ノ上温泉(16:30) <天候:曇り時々雨> 朝、雨も上がり水流も落ち着いた。昨日あきらめた場所を通過でき一安心。すぐに二俣になり、左俣に入る。5m程の小滝が連続するが右岸から巻いていく。関東森の稜線が見える。枝沢で飲料水を補給し稜線歩きに備える。初めは八瀬森湿原にでるつもりでいたが稜線歩きを短縮したいので関東森に突き上げる枝沢を選択する。15mの滝は右岸から巻くが、3mほどの一枚岩がいやらしくロープを出す。トップは確保してもらい空荷で登り、立木にロープを固定してからザックを引き上げた。後続には固定ロープに結び目を作ってゴボウで登ってもらった。稜線に近づいても小滝が連続し、直登したり巻いたりして進む。水流は細くなっても稜線直下まで枯れなかった。ほんの少しの藪漕ぎで関東森の登山道にでた。 ここで沢装備を解くが、大深岳と小畚山を結ぶ登山道に出るまでは、ぬかるみと藪、倒木に悩まされる。小畚山1467mが今山行の最高地点。森林限界を超えているが残念ながらガスで展望はない。三ッ石山に着くころから雨が降り出す。三ツ石山荘で一休みしてからブナの森の中を滝ノ上温泉に降りた。長い行程を終えて安心した後の一軒宿の秘湯は極楽。 不安な停滞の一日はあったが、やはり東北の山は優しい。また訪れたい山域である。 (浅見記) |