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「上信越国境 白砂山」


【個人山行記録】



山域:群馬県中之条町:白砂山(2140m)
期日:2015年09月12日(土) 晴
参加者:高橋仁(単独)

行動記録
熊谷5:00=関越道渋川IC=長野原=野尻湖→白砂山登山口駐車場(8:00/8:25)→
ハンノキ沢渡渉点8:30/8:55→地蔵峠9:15→水場9:55→堂岩山10:30→猟師の頭10:55→
白砂山11:35/12:40→猟師の頭13:20→八間山分岐13:35→黒渋の頭14:25→
八間山15:00/15:10→八間山登山口15:50→池の峠→駐車場16:10=往路を戻る=熊谷20:00

 梅雨時のような天気がようやく回復したので、前から考えていた白砂山に登ることにした。吾妻渓谷に沿って長野原へ。六合村に入り白砂川に沿って野反湖へ。終点バス停の登山口駐車場に到着。数台の車がある。草が濡れているのでスパッツを付けて出発する。少し登ってハンノキ沢に下ると、橋が斜めに傾いて、対岸の方に流されている。何人かの登山者が渡渉ルートを検討して右往左往しているが、あきらめて引き返す人、八間山コースをう回する人、靴のまま強引に渡渉する人、素足でズボンの裾を捲くりあげて渡渉する人、それぞれの判断で行動している。水が膝上までくる深い所は2メートル位で、その先は傾いた橋や岩につかまって通過できるのを確認して、靴・靴下・スパッツをザックに括りつけて、足がしびれるほど冷たい水の中を慎重に渡渉する。

 ハプニングで時間を食ってしまったので、ピッチを上げて再スタートだ。地蔵峠で秋山郷からの道を合わせ、水場の広場、堂岩山とアップダウンを繰り返して八間山の分岐に出ると、明るい稜線の先に、端正で堂々たる白砂山が見える。次のピークの猟師の頭は、腰を下ろすスペースも無いが、360度の展望が開ける。岩菅、鳥甲、白砂、谷川、赤城まで展望する。リンドウ、キリンソウが咲き、ゴゼンタチバナ、カメノキが赤い実を付け、ナナカマドも少し紅葉が始まっている。猟師の頭から大きく下って登り返すとようやく白砂山頂に到着。

 正面には、来月登る予定の岩菅山が近い。その右には、ここ数年間で登った鳥甲山・佐武流山・苗場山が見える。10人位が昼食を取りながら「ハンノキ沢をどうやって渡ったか」「靴の中を濡らして気持ちが悪い」「下山コースはどうするか」などと、旧知の仲間の様に話が盛り上がった。

 白砂山の山頂は正確には、上・信・越の三国境では無く、上・信の二国境にある。上信越三国境は白砂山から佐武流山に向かって少し下って、小ピークを越えた先の鞍部だ。せっかくなので笹やぶを漕いで往復してみた。獣道とさえも言えないほどの微かな踏み跡が、笹やぶとハイマツを縫って続いている。別に三国境に何があるわけでもない。標柱があったとしても捜し様もない。藪の中で「このあたりが三国境だろう」と納得して白砂山に引き返すと、山頂から眺めていた人たちが手を振っている。物好きな変わり者にエールを送っているのか? それとも、佐武流山への道がどんな具合かを見守っているのか?

 下山は「流された橋」の事もあるが、八間山までの稜線を歩いておきたいので、一時間長い八間山コースを廻ることにした。堂岩山手前の八間山分岐を左に入る。稜線は東(左)側の笹原を延々と歩く気持ちの良いコースだ。長い稜線歩きの先の八間山山頂には、名物「避難できない避難小屋」が、まだ形を保っていた。三年前に登った時に屋根が半分破れていたのに、よく潰れずにいたものだ。一休みしてから一気に八間山登山口まで下り、道路を歩くのも嫌なので、池の峠をひと登りして駐車場に下りる。白砂山から、直接下山した人がいたので、「ハンノキ沢の水は減っていたか?」と聞くと「水は減ってないが、橋は修復されていて渡れた」と言う。観光地の山は対応が速い。