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スイスアルプス ハイキング旅行記


【個人山行記録】


期日:2014年6月26日(木)〜7月9日(水)
山域:スイス

 サンモリッツ周辺

6/27 アルプグリュムからラーゴビアンコ
6/28 ハイジフラワートレイル

 ツェルマット周辺

7/1 シュワルツゼーからツェルマット
7/2 ズンネッガからフィンデル村、ツェルマット
7/3 ズンネッガからリッフェルアルプ

 グリンデルヴァルト周辺

7/5 アルメントフーベルとメンリッヘン
7/6 アイガーグレッチャーからアルピグレン
7/7 フィルストからバッハアルプゼー往復

参加者:石川 他会員外1名




アルプグリュムからラーゴビアンコ 

2014年6月27日(金)  アルバム

行程:クール駅8:32=(ベルニナ急行)=10:58/11:45 アルプグリュムAlpGrum駅・・・12:58ラーゴビアンコ堰堤…13:50オスピッツォ・ベルニナ駅

 アルプグリュム駅は標高2091m、イタリアのティラノへ通じるベルニナ線の展望ポイントになっているためか、あるいは単線で対向電車と交換するためか、停車時間が20分ほど有り、大勢の人が電車を降りて大迫力のバリュー氷河の展望や、すぐ下、南側にループを描きながら降りていく線路の先、標高差1000mを超える下に意外と近く見えるボスキアーボの街など眺めています。この駅でベルニナ急行を完全に下車したのは我々のみか。まずは腹ごしらえと、この小さな山あいの駅舎にしてりっぱなレストランで食事をしました。

 食後、線路をまたいで左手に丘を登っていきます。周囲には放牧された牛たちがのんびりと草を食んでいます。すでに様々な花が道沿いに咲き乱れていて、立ち止まってはカメラに納めました。丘の中腹にも、上にもホテル・レストランがあり休憩できるようになっていました。ホテルの店先には、おおきな鉢にエーデルワイスの花が満開でした。

 丘を登り切ると、後は緩やかな登りの道になります。このコースの前半は谷あいの道、周りは赤い色のアルペンローズ(日本で言えば山ツツジか)を中心としたお花畑と低木の疎林が続きます。徐々に森林限界を超え、ラーゴビアンコという氷河から流れ出た白濁した水をためた人造湖の石造りの堰堤に至ります。道標に従って進むと、コース後半の湖沿いの、ベルニナ線と平行して進む道になり、対岸にはピッツ・カンブレナPiz Cambrena(3604m)とカンブレナ氷河が迫ってきます。時折ベルニナ線の赤い電車も通過していきます。砂利道の両側に咲く花たちにも目をやりながらしばらく歩くと、ベルニナ線の最高地点(2256m)オスピッツォ・ベルニナ駅に到着しました。

 なおこのコースは、下りになる逆コースを歩くことの方が一般的のようです。ベルニナ急行がオスピッツォ・ベルニナ駅に停車しないので今回はアルプグリュム駅からスタートしました。(終)




ハイジフラワートレイル

2014年6月28日(土)  アルバム

行程:チャンタレラ14:21…15:24サンモリッツドルフ

 午前中は昨日も乗ったベルニナ線でディアボレッツアまで行き、展望台に登ってピッツベルニナ4049mを見たかったのですが、あいにく一部雲がかかっていました。

 午後はサンモリッツに戻り、ケーブルカーとロープウェイを乗り継いでピッツネイル3057mまで行きました。寒いし天気も悪いので、チャンタレラまで降り、ハイジフラワートレイルと名付けられた散歩道を歩いてきました。実写版『アルプスの少女ハイジ』の撮影用の小屋があった所だそうです。なお、ロープウェイやケーブルカーからみた山の斜面にマーモットの姿が複数確認できました。巣穴もたくさんありました。

 天気が悪いのでそれほど展望は利きません。サンモリッツの町や湖はすぐ近くに見えています。別荘なのか人の気配の余りしない瀟洒な家もあります。コースは平坦で犬を連れて散歩する人にも出会いました。コース沿いの花壇に植栽された花が標識付きで所々にありました。またそれ以外はお花畑の斜面、針葉樹の林となっています。一時間ほどのんびり歩いてサンモリッツの町へ続く別荘地の中の階段を降りていきました。(終)



2014年6月29日 (雨のため:コルバッチ展望台往復)



2014年6月30日 (移動日:サンモリッツ→ツェルマット)



シュワルツゼーからツェルマット

2014年7月1日(火)  アルバム

行程:シュワルツゼー13:45…14:54スタッフェルアルプ…15:55フーリ=ツェルマット

 ブライトホルンに登頂しガイドと別れた後、3820mのマッターホルングレッシャーパラダイスでは高度のせいか、あるいは緊張が緩んだせいか、少しふらふらしました。ベンチに腰掛け、おなかにカロリーメートを白湯で流し込みだいぶ体調が戻ったので、考えていた通りシュワルツゼーから歩くことにしました。ロープウェイとゴンドラでシュワルツゼー2582mまで戻り、冬には広大なスキーエリアになるであろう起伏に富んだ斜面を降りていきます。

 道は基本的に整備用の車も通ることのできる広い砂利道と、人の通る山道が所々で入れ替わります。周辺は木々はなく一面のお花畑で、氷河から解けた水が小川となって流れていす。マッターホルンの北側すぐ麓に広がる斜面で、南側には雲が張り付いていましたが、北側に回り込んでいく道なのでこちらからはよく見えています。スタッフアルプと言われる一帯でだんだんと針葉樹が見られるようになると目印になる山小屋・レストラン2139mに着きます。ここからツムット村をへてツェルマットに向かうのが一般的なコースのようですが、疲れも出たのでフーリのゴンドラ乗り場に向かい最後の行程をキャンセルしました。(終)



ズンネッガからフィンデル村、ツェルマット

2014年7月2日(水)  アルバム

行程:ズンネッガ11:50…12:36/13:25フィンデル村(昼食)…14:18踏切…14:30ツェルマット

 予報通り天気が悪い。昨日の疲れもあってのんびり起きて、朝食をとりました。曇り時々雨、山はガスがかかって展望は見込めないという状況です。ツェルマット1620mの街から地下ケーブルカーでズンネッガ2300mまで上がり、途中、エッゲン、フィンデルの村を訪ねながらのんびりお花畑の道を降りてくることにしました。

 ツェルマットのケーブルカー駅からズンネッガへ。天気が良ければ賑わっているはずの展望レストランのデッキ上には誰もいません。気温も結構低いようです。あたりは霧が深く雨も落ちてきます。視界が悪いのでハイキングに行こうか迷っている日本人の方もいました。

 雨具を着け傘をさして、いざ道標に従って歩き始めます。あたりは広い斜面一面のお花畑が続きます。下から、登ってくる人たちも多いです。ほとんどが欧米人ハイカーか、犬を連れているから地元に人かもしれません。日本人はガイドブックのせいか基本的に下りコースをとるようです。トレールランニングの人、マウンテンバイクで降りてくる人もいます。

 最初に出会う村は石屋根の古い羊小屋が並んでいるエッゲンの村です。作業する人の姿も見かけました。所々存在する建物は人が住んでいるのか、農作業用の小屋なのか。道端の花々の写真を撮りながら、そろそろランチにしようと、フィンデルの村のこのコース中3つ目になるレストラン・フランツ&ハイジに入り昼食をとりました。山あいの小さなレストランにしては本格的なメニューで驚きました。雰囲気も料理の味も良かったです。

 食後、レストランから下に降りてしまい、谷底のフィンデルバッハ川を渡る橋まで行ってしまいました。間違えに気づいて登り返し、左側が谷になる片斜面の道をしばらく行きます。やがて針葉樹林のつづら折りの道で高度を下げ、ゴルナーグラード鉄道のフィンデルバッハ鉄橋と滝を見て、踏切を渡るとツェルマットの町の一角に出ました。(終)



ズンネッガからリッフェルアルプ

2014年7月3日(木)  アルバム

行程:ズンネッカ10:54…11:38ブラウヘルト下…12:04/12:40ステリゼー…14:17グリュンゼー…15:25リッフェルアルプ駅

 朝起きると快晴。3泊お世話になったアパートメントを出て、駅に行き明日の宿泊地ミューレンまでスーツケースを送りました。今日はゴルナーグラード3089mの山岳ホテルに泊ります。昨日も行ったズンネッガ2300mを経由してブラウヘルト2571mまでゴンドラで上がり、そこからゴルナーグラード登山鉄道のリッフェルアルプ駅2222mまで歩き、最後に電車でゴルナーグラードに行く計画でした。ところが、これ以上ない好天だというのにズンネッガから上のゴンドラが運休だったため、ズンネッガから歩き出しました。

 快晴で乾燥しているためか、空気が澄んでいて遠くに靄がかかるようなことが無く、周りの景色がはっきり見えます。歩行中終始、マッターホルンの形の良い山容が際だって見えました。昨日は霧の中だったエッゲンやフィンデルの村の家々も一つ一つがはっきり見え、昨日もし晴れていたらすばらしい景色の中を歩けただろうなと思ったりしました。

 ゴンドラ一つ分登り、ブラウヘルトの下を通って山上の湖ステリゼーへ向かいます。ステリゼーは逆さに移るマッターホルンのビューポイントの一つで、人気のある所です。日本人を始め、小さな子供からご年配の方まで登山者・観光客も多く思い思いに写真を撮ったり、ベンチで昼食を食べたりしています。

 十分に景色を楽しんだ後、ゴルナーグラード側の尾根との間の大きな谷を越えて、リッフェルアルプを目指します。ステリゼーから少し戻り、分岐を左に谷を巻くように、ガレた斜面につけられた切り通しの道を進んでいくと、左上方から沢(滝)が流れ落ちている所があります。このあたりがエーデルワイスのポイントらしいのですが、電車の時間が気になっていたこともあり、今回は探し出すことはできませんでした。エーデルワイスのポイントとしては、ブラウヘルトのさらに上部のロートホルンパラダイスからステリゼーの間にもあるようです。

 この後、フィンデルバッハ川の最上流部で橋を渡り、高低差の少ない道を、子供達が水遊びをしているグリュンジゼー(池)を経てリッフェルアルプ駅を目指します。アルペンローズや針葉樹の木々の向こうにフィンデル村やヴァイス地方の4000m級の山々が見えます。張り出した尾根をぐぐっと回り込んで行くと登山鉄道の線路が見えてきます。リッフェルアルプ駅は線路をまたいですぐの所にありました。この近くには五つ星ホテルがあるそうで、送迎用の電車が専用の線路の上で待機していました。

 午後9時過ぎまで明るいこの時期、夕食後ゴルナーグラードの展望台で飽きることなく時間を過ごしました。全部数えられなかったけれどアルプスの4000m峰の4分の3にあたる29座が見えたはず。部屋に戻って暗くなってからもマッターホルンに灯る小屋やテント場、山頂ビバークの灯りがはっきり見えました。(終)
 


2014年7月4日 (移動日:ゴルナーグラード→ミューレン)



アルメントフーベルとメンリッヘン

2014年7月5日(土)  アルバム

行程:アルメントフーベル9:45…11:00ミューレン = メンリッヘン13:15… 14:58クライネシャイデック

 山の中腹にこぢんまりと佇む村ミューレン1650mに泊まりました。アイガー、メンヒ、ユングフラウの絶好の展望台のハズですが、山の上部が雲で覆われて今ひとつはっきりしません。今日はアルメントフーベルを散策した後、鉄道とロープウェイでヴェンゲンを経由しメンリッヘンに上がって、クライネシャイデックまで歩く計画です。

 アルメントフーベル1907mは、ハイキング主体でない一般のスイスツアーにも組み込まれている歩きやすい1時間ほどのコースです。ミューレンの村の中央からケーブルカーでアルメントフーベルの展望台に上がります。展望台と行っても建物はレストランがあるだけで、特別なものがあるわけでなく小高い丘になっています。晴れていればすばらしい展望が開ける所だと思います。

 霧雨模様の天候のため、ミューレンの村に向かって大回りして、アルプといわれる花いっぱいの牧草地で、小屋や家が散在するスイスらしい景観の中を下っていきます。コースは柵で囲まれた牛の放牧地の中に入ったり、牛舎の脇を通ったりします。路上に牛たちがとうせんぼして、牧草地の中へ迂回したりしました。

 この後、ヴェンゲンを経由してロープウェイでメンリッヘン2230mへ移動。カフェテリアでランチの後、クライネシャイデック2061mまで4.5kmの行程です。メンリッヘンへはヴェンゲンの反対、東側のグリンデルヴァルトからも長いゴンドラが架けられています。

 緩い下り坂、進行方向目前にベルナーオーバーランド三山(アイガー、メンヒ、ユングフラウ)が圧倒的に迫ってくるはずですが、ほとんど雲に覆われていて、もっぱら足下に注目しながら歩きました。道幅2mぐらいで広く歩きやすいです。森林限界より上で背の高い木々はありません。ここも全山スキー場になるようでいくつもリフトがかけられています。ぱらぱら雨が落ち始めた頃、たくさんの観光客で賑わうクライネシャイデックの駅に着きました。ここはユングフラウヨッホに向かう登山電車の起点になっている駅で、ホテルが1軒、ロッジ・レストラン・みやげ物店が数軒。夕方以降は宿泊者のみとなりました。(終)



アイガーグレッチャーからアルピグレン

2014年7月6日(日)  アルバム

行程:アイガーグレーチャー駅12:55…13:54北壁標識のある休憩地…15:32ランゲネック・グロース(滝)…15:58分岐…16:20アルピグレン駅

 クライネシャイデック発9:30の電車で、ユングフラウヨッホ3454mに向かいました。途中2カ所のアイガーの岩壁内部に作られたアイガーバント2864m、アイスメーア3158mの駅で、5分の停車時間の間に北壁に作られた展望用の窓からグリンデルヴァルトの町や、氷河を見下ろしました。終着駅のユングフラウヨッホではメンヒ側とユングフラウ側で共に外に出られます。特にメンヒ側ははアレッチ氷河の源頭部で広い雪原になっていました。気温も低く、風も強かったです。

 帰りはクライネシャイデックより一つ手前のアイガーグレッチャー駅2320mで降り、北壁直下の通称アイガートレイル約8kmをヴァンゲルアルプ鉄道のアルピグレンまで歩きました。

 最初に駅のレストランのテラスでランチ。その後、アイガー氷河をのぞきにモレーンの上まで行き、そこから間違ってクライネシャイデック側に降りてしまいました。間違いに気づき登り返して、アイガーグレーチャー駅から東(グリンデルヴァルト)側に進むとスキーリフトの終点があります。その屋根をくぐってまず30mの雪渓を横断しました。前を行くスニーカーの若い女性3人、一人はインド系でドイツ語で話していたから留学生か。腰が引けてなかなか進めません。この後も、5,6カ所短い雪渓の横断があり手こずっていました。こういう場合ストックは有効で、軽アイゼンをつけるほどではありませんでした。

 このトレールは想像以上に、岩壁の直下を歩きます。進行方向右が岩壁、左が谷ですが、道はしっかりつけられていて特に危険は感じませんでした。ただ岩のごつごつした所もあり、天候が不安定なときは、落石に注意が必要かもしれません。


 途中の休憩スポットには北壁を攻略したルートを解説する看板が設置されていました。氷河から融け出た水が勢いよく流れ出ているランゲネック・グロース1992mはこのトレールの3分の2ぐらいの所でしょうか。さらに進むとこのままグリンデルヴァルトの町まで降りてしまうのではないかと心配になった頃、アルピグレン駅への標識のある分岐点1758mにつきました。あたりにはアルペンローゼが、グリンデルヴァルトの町の後方にはヴェッターホルン3692mが目立つようになりました。

 アルピグレンの駅に着くと、ちょうどグリンデルヴァルト行きの登山電車が出発する所で、結局間に合わず、30分後の次の電車になりました。待つ間に20人ほどの日本人の団体さんが来ました。我々の後ろを歩いていたようです。




フィルストからバッハアルプゼー

2014年7月7日(月)  アルバム

行程:11:15フィルスト…12:24/13:05バッハアルプゼー…14:12フィルスト

 町のメインストリートの端にある乗り場から、一本の長いゴンドラでフィルスト2167mまで行きました。途中のボルトとシュレックフェルトで方向転換します。降りることもできます。

 フィルストにはレストランやキオスクがあり、少し買い物をして、バッハアルプゼーに向かいました。往復6kmの手頃なハイキングコースです。道は一様に車も通れる広さで歩きやすいです。歩き始めてすぐに、昨日アルピグレン駅で一緒になった日本の団体さんに会いました。彼らはすでに戻ってきた所でした。今まで観光スポット以外では滅多に見かけなかった韓国人のグループも結構いました。なぜかみんなCOOPのレジ袋に食べ物を入れて持っていました。

 周辺には花々が咲き、花の名前を書いた標識が道沿いの至る所にありました。周りの斜面でマーモットが時々姿を現していました。甲高い鳴き声がするのでよく見ると立ち上がって鳴いているのを見つけました。警戒の相図なのか、求愛の叫びなのかわかりませんがしばらく鳴いていました。

 そうこうしている内、バッハアルプゼーに着きました。池にはマスもいます。ここも人造の堰堤があり周辺一帯のアルプと共に人によって管理されていることが伺えます。ここのベンチで持ってきた弁当を軽く食べ、のんびりした時間を過ごした後、来た道をフィルストに戻りました。






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