インドに行って

渡 辺 智 一 郎

海外旅行は初めての体験であった。パスポートをとり、外貨を買い、すべてのことが初めての体験であった。このような旅に行くことができたのも熊谷高校山岳部ひいては、村越先生のおかげであると思い大変感謝している。

トレッキングルートに変更があり、ルートが変わったわけではあるが、とにかくヒマラヤは雄大であった。また、今回のトレッキングは、降り続く雨、渡渉など、水に泣かされてばかりであった。しかし、ナマック、ソムナー、カプール、などのスタッフの頑張りもあり、気持ち良く歩けたことに感謝している。また、ヒマラヤでは、こんな山の中でも人間は生きているのか、という力強さと、ヒマラヤという自然の中の人間の小ささを感じた。たいへん貴重な体験を有り難く思っているが、自分としては、湖が見たかったし、乾燥地帯を見たかったし、化石もひろいたかった。欲を出せばきりがないので、これらは、次回にとっておきたいと思う。

また、マナリ、デリー、アーグラーなど町を歩けたことも大変良かったと思う。オールドデリーなど、恐ろしいくらいであった。町で気に入った点は、オートリクシャーがあることである。どこにでも走っていて、また、乗りたくなくても声をかけてきて、気軽に乗れるオートリクシャーは本当におもしろい乗り物であった。また町を歩くことにより、インドの複雑さをかいま見たような気がした。デリーなどでは、金持ちは、家紋が入った旗をつけたベンツで町を走り、貧乏人は、その辺で寝泊まりをし、喜捨を求めている。日本にはない貧富の差は、自分に大きなものを投げかけられたような気がする。

約2週間半インドに行った訳であるが、日本に帰ってみるとインドという国は結局よくわからなかった。インドには、雄大な自然、混沌、貧富の差、多くの矛盾があるが、真剣に生きる人々がいた。日本(日本という競争社会に産まれたことが、よいことであるのかわからないが、)で産まれ、さまざまな生きるチャンスがあることに感謝しなければならないことに気付かされた旅であった。

グループの皆さん、貴重な体験を有り難うございました。

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